コミュニティ立ち上げにおける「実行」の重要性

*本記事は 高橋龍征氏のnote記事をご本人の許諾を得たうえで加筆/転載した記事となります。

高橋龍征氏との共同でセミナー企画・集客のご相談を受け付けています。
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コミュニティが健全に立ち上がるには、以下の4点が成立している必要があります。

1)何のために、どんな人が、どんな活動をするかの軸が明確である
2)場の趣旨に合致した、主体性の高い初期メンバーが集まる
3)主催者含む初期メンバー同士の健全な関係が構築されている
4)主催者がその場に思い入れを持って主体的に活動できる

しかし、最初から何をするか具体的に落とし込むのは難しく、一方、そんな状態では人集めも覚束ないものです。

そのような「鶏と卵」の状況を解決するのに「実行」が重要である、というお話です。

コミュニティ立ち上げ時のジレンマ

初期コミュニティが健全に成長する現実的な方法は、満足した参加者によるリピートと紹介です。

参加者が満足するには、参加者のニーズに合った、質の高いイベントなどのコンテンツが提供される必要があります。

参加者満足度の高いコンテンツを提供するには、参加者のニーズを把握し、ニーズに合った企画をして、的確に運営しなければなりません。

しかし最初は、何をするか固まってはおらず、ターゲットやそのニーズも把握できておらず、適材適所で運営しようにも、必要スキル以前に、運営メンバーそのものがいません。

コミュニティのブレークスルーに必要なのは「実行」

その状態を打破する方法の一つが、イベントなどの企画を試行することです。細部まで明確にしなければ、人を巻き込み実現することが出来ないからです。

最初の企画を立て、それに人を集めるために人を口説いて周り、荒削りで拙くても誠心誠意もてなせば、意気に感じてくれる人が出るかもしれません。

そういった人々が徐々に運営を手伝ってくれるようになり、少しずつ形ができてくるのです。

多くの人が見たことあるであろう、以下の動画のイメージです。

実行を通じて、必要とされるものを具現化する

想定するターゲットに近い属性の人を直接勧誘すれば、対話を通じて実際にどんなことが求められているのか、何にターゲット層が反応するのか、あるいは、自分たちが良いと思っていたものが全く響かないとか、自分たちの想定と現実のギャップも分かります。

差異の原因を分析し、改善策を考えて、次の回で試すことで、その辺のギャップが埋まって「顧客」が必要とする場になっていきます。

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実行を通じて、相手に刺さる言葉を研ぐ

机上の議論を重ねたところで、人に伝わるリアリティのある言葉は生まれにくいものです。

目の前にいる人を口説くために考え抜き、実際に話す中で無駄を削ぎ落とし、反応を見ながらチューニングを重ねます。

そうして自分の魂が乗るくらい腹落ちした言葉には、人を動かす力が宿るものです。

 

実行を通じて、相互理解と相思相愛を実現する

実際に一緒に行動すれば、信用できるか、趣旨に賛同・合致している人か、場に価値貢献できる人か、適切に関係構築できるか、自律で動けるか、十分な能力があるかなど、一緒にやれる人か、自ずから明らかになります。

結果として、主催者は運営メンバーを、運営メンバーはコミュニティを、相互に納得ずくで選ぶことになります。

そのプロセスを通じて、必要な関係値もできていきます。

 

実行を通じて、運営参画の判断材料を明確にする

ボランタリーな運営参画とは、見返りを求めない無償奉仕ではありません。直接的な金銭ではない何かの「価値」を得るために、自身のリソースを提供する、合理的判断をしています。

よって、そのための判断材料を予め示し、納得してもらって参画してもらうのがあるべき姿です。その材料とは概ね以下のものでしょう。

・何を目指してどんな方針で何の活動をするか
・どんな人がいるか
・どんな実績があるか
・どんなことを経験し、何を得られるか
・運営参画に求められる負荷は何でどれくらいか

これらは実際に活動する前には分からないことですが、実行のプロセスを通して、質問され、判断を迫られるれば、自分たちの目指すものや、判断の軸も明確にせざるを得なくなります。

 

人を巻き込み実行できるかで、本気度が試される

自分が本当に良いと思っていないものを人に勧めることはできません。

本気で実現しようと思えるものでなければ、何十人に断られても無視されてもめげずに歩み続けることはできません。

流行りのテーマだから、誰かに言われたからなどの「他人の動機」では、困難を乗り越えて継続することは難しいですし、そもそも立ち上がらないことも多いです。

言うまでもない当たり前過ぎることですが、これが原因で、ぶち上げたものの立ち上がらなかった会、立ち上がったものの続かなかった会、最初は威勢良かったものの尻すぼみになった会を山ほど見てきました。

 

実行ができれば、初期の4要件が満たされる

改めて冒頭に挙げた4つのポイントを見ると、実行を通じていずれも満たされていることが分かります。

1)何のために、どんな人が、どんな活動をするかの軸が明確である
2)場の趣旨に合致した、主体性の高い初期メンバーが集まる
3)主催者含む初期メンバー同士の健全な関係が構築されている
4)主催者がその場に思い入れを持って主体的に活動できる

実行を通じて実現するものと、実行の前提となるものがありますが、正しく実行できればこれらが実現されるということです。

 

但し、独りこじんまり始めろ、という訳ではない

最後に念の為誤解なきように補足すると、必ずしも独りでやるべきという訳でも、こじんまり始めなければならないという訳でもありません。

これらは独りでやり切る覚悟が必要ですが、仲間が不要ということではありません。やり切る自信がない自分の安心材料のために人を徒らに巻き込むことがよくないというだけです。

大々的に始めることが悪い訳でもありません。上記は本格展開の前のトライアルであり、ターゲットのニーズを理解し、実施内容が明確になったなら、大々的に本格立ち上げをしてもいいでしょう。

とはいえ、実行が大事だからと言って、何も考えずに無闇に動いたところで、何にもならないでしょう。

そんな訳で、気軽に、考えて、とりあえず具体的行動を起こしてみると良いと思います。

 

ご紹介:場づくりの考え方を本にまとめてみました

私自身が色々考えながら実践してきた場づくりのを方法論を本にまとめたものがこちらです。

ご興味あれば是非ご参考に、お手に取ってみてください。

 

セミナーを2年間で300本作り、コロナ後一気にオンラインに移行して得た知見を、これからオンランセミナーを始める人と共有したいと思います。

オンラインセミナーの方法論全般は書籍 ”オンラインセミナーのうまいやり方”” に詳説したので、よろしければご参考ください。今回は多くの人が悩む「集客」について。

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◆執筆者 高橋龍征 / Takahashi Tatsuyuki

conecuri合同会社 代表 WASEDA NEOプロデューサー 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授

大手システムインテグレーターの営業、経営企画を経験後、MBAを経て、ソニー、Samsungで事業開発を中心としたキャリアを歩み、事業創造支援家として独立。インキュベーター立ち上げや欧州企業の日本進出を支援後、スタートアップ共同創業(取締役COO)を行う。
早稲田大学の社会人教育事業「WASEDA NEO」プロデューサー就任を機に、事業開発や人材育成のためのセミナーづくりを本業とし、大学、企業、メディアからの受託や自身主催で、年間200件の企画を実現するようになる。
2020年、conecuri合同会社を設立。マーケティングセミナーの企画、社会人向け講座や企業研修の開発、それらを通じた事業創造を支援している。
新型コロナを機に、セミナーを一気にオンラインにシフトさせ、その知見を『オンライン・セミナーのうまいやりかた』として出版した。
また、13年以上複数のコミュニティ運営に携わる実践家として、大手企業や学校のコミュニティづくりも支援している。
早稲田大学 第一文学部 哲学科 東洋哲学専修 卒業 早稲田大学大学院 ファイナンス研究科 修了 青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム 修了 JVCA ベンチャーキャピタリスト研修 修了
 

 

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是非お気軽にお問い合わせください。

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