戦略・事業
「通る商品企画・提案書」に必須のマーケティング要素とは
2019.01.08
現在、マーケットは、デジタルコミュニケーションの隆盛、ダイバーシティ、人々の価値観の多様化、加速する社会のグローバル化などによって複雑化・多様化しています。
そして、そのようなマーケットを捉えることができる、いままでにないイノベーティブなアイデアが求められています。
しかし自身のアイデアでも、ブレストで出たアイデアでも、例えそれが革新的なアイデアだったとしても、それを可視化つまり見える形にしないと、企画決定者や予算を握っている人や社会の中で認めてもらうことは厳しいのが現実です。
ゆえに、まずそのアイデアを形にする第一歩であるアイデアの企画書の作成がとても重要です。
今回はプレゼンした相手を理解・納得させる「通る企画書」のポイントをご紹介します。
企画書・提案書は魔法の杖
よく、「仕事はできるけど企画書は書けない」「ブレストではすごいアイデアと思ったけど、この企画書ではその魅力が全く感じられない」など、「企画書」作成をめぐり残念な状況を多く見てきました。
それは多くの人が企画書の書き方をしらないということです。
しかし逆に考えると、自分の考えを企画書に落として説得力のある提案書を表現できるようになると、決裁者にそのプロジェクトが通り、あなたは高く評価されて事業がスムーズに進行していきます。
業種業界によって正解は異なる
単に企画書と言っても、業種業界によって、企画書に求められる要素が異なります。
あくまで一例ですが、広告メディアプラン企画提案書と、事業会社の事業改善企画書とは構成が異なるということは理解していただけると思います。また、企画の目的や施策のステイタスによっても掘り下げるべき項目は異なってきます。
人によってフォーマットが異なる
会社指定のテンプレートがある場合があります。
その場合は、会社の規則に従わなくてはなりません。ない場合でも、会社表記に関して、企業・ブランドロゴやフォント・級数にガイドラインがある場合が多いので、注意が必要です。
また、フォーマット自由の場合では、同じ業界でも作成するマーケターによってフォーマットは異なりまる場合が多いです。
提案内容のストーリー作成は、そのマーケターにしかできないからです。
また、企画書の体裁テンプレートも様々です。当然秀でたマーケターはそのテンプレートにもこだわりをもって作成しています。
自分の魂がその資料に宿るからです。
昔に作られた企画書・提案書のテンプレートは何がいけない?
ネット社会になる以前は、すべて紙でした。
今、倉庫に眠っていた当時の企画書が出てくると、「おー!懐かしい!」と思いますが、それは、まず企画書の体裁テンプレートを見てのことです。
ところが、「あれ?これまだ使っているな。」と思うことが多いです。
それは、当時PCにインストールされていたデフォルトのテンプレートフォーマットで、驚くことに今も同じフォーマットがまだあなたの今のPCにも眠っていると思います。
もちろん、資料を作成する目的は「企画内容」ですので基本的には問題ありません。しかし、それを知らずに使ってしますうと、折角のイノベーティブな企画に対して、相手先から「なんか印象が古いね」と最初からネガティブイメージを持たれてしまいます。
やはり、自分の魂が宿る企画書ですので、企画力を発揮できるテンプレートを使うべきだと考えます。
すぐに使える提案書のテンプレート
企画提案書は自分の考えを相手先に理解してもらうことが目的です。
そのためには、企画内容をもれなくだぶりなく、見やすく、わかりやすく表現することが重要です。
どの業界でも企画構成の骨格はかわりません。それは、5W3Hを網羅することです。
ただ、その企画提案の前提の与件によって、重点ポイントの大小のメリハリをつけます。
1.Who(誰が:事業主体、座組 誰に:ターゲット)
2.What(企画内容:商品・サービスの内容)
3.When(ローンチのタイミングと実施期間)
4.Where(マーケットエリア)
5.Why(目的、目標)
・企画ゴール
なぜそのゴール設定はしたのか?
・マーケットインサイト
(国際情勢、国内情勢、政治・経済・社会情勢、法制度、業界動向、競合分析など)
・ターゲットインサイト
・ブランドインサイト
・クライアントインサイト(人事、組織、合併などの要素)
6.How much(商品価格、実施予算、金の流れ[出資、助成金、補助金等含む]など)
7.How(広告宣伝、販売促進方法)
8.How many(数量)
「どういうテンプレートが企画の魅力を後押ししてくれるのか。」と誰しも悩むところです。しかし、そのテンプレート探しに時間が割かれてしまうと、肝心の企画内容が疎かになりがちです。
そのようなことのないように、すぐに使える7 つのテンプレートを紹介します。
マーケティング戦略企画
マーケティング戦略を構築するときの要素は、このフォーマットを埋めていくことで全体像が作成できます。企画内容を整理する基本と言えます。
営業戦略企画書
営業戦略を構築するときの要素は、このように経営理念から考えると、軸がぶれない戦略が整理できます。
商品企画提案書
商品企画のアイデアを企画書に落とす際、最初に行う基本整理フォーマットです。
事業の目的 フレームワーク
事業の目的を、マーケティング4P(Product,Price,Place,Promotion)を分析して導いたものです。
競合調査 フレームワーク
競合調査をまとめるときは、このようなフォーマットだと全体が一目で見ることが出来てシンプルで分かりやすいです。
マーケティング・ミックス(4P分析) フレームワーク
マーケティング・ミックス(4P)の要素を細分化して整理するときは このようなフォーマットにまとめると頭の中がスッキリしてきます。
業務改善企画 フレームワーク
収益アップのための施策の要素をMECEでまとめたものです。
このようにはっきりと大きくビジュアル化することで課題点が明確に整理できていきます。
プロジェクトに関わる要素の相関関係を示した図です。
複雑な関係性をビジュアル化してまとめていくことは全体像を把握する意味でも重要です。
そもそも 企画書・提案書はなぜ必要か
それでは企画書を作成するにあたり、まず「なぜ企画書が必要なのか」を考えていきます。
「上司に言われたから」とか、「得意先に求められて」などというような、やらされ感のネガティブイメージを持っていては、優れた企画書はできません。 「企画書で、相手先に納得してもらうぞ!」という気概を持てるようになることも大切です。
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一人一人に説明する代わりに提案書がある
あなたの優れた企画アイデアがあるとします。それを、得意先の担当者に口頭で伝えてみると「いいですね!上司に伝えておきます。」と言われたら、ビジネスマンとしたら嬉しいものです。
しかし、その担当者は上司に正確にあなたの企画内容を伝えられるでしょうか。また、相手先の社内の様々な部署であなたのアイデアを検討する必要があると思います。「私がいつでも説明に伺います。」という営業的姿勢ももちろん大切ですが、やはり相手の都合もあります。
そのような場合、あなたの作成した「企画書」があれば、それが独り歩きを始めます。多くの人がその企画書を見る可能性が高まり、アイデアが正確に相手先に均等に伝わります。
デジタル社会の今、企画書データが相手先の関連部署や重要ポストの人に瞬時に共有出てしまう時代です。これは、「企画書作成」はマストだ。と感じていただけると思います。
しっかりと検討してもらう時間を作る
相手に共有してもらえるだけではありません。
相手先も多忙です。企画書があると、必要に応じていつでも見ることが出来、検討してもらう時間も作ることができます。
あなたの企画内容をめぐって社内検討することもあるでしょう。
よって、しっかりした企画書であれば、相手先もきちんと精査検討してくれる可能性が高まります。
後でトラブルにならないための証拠の役割
口頭でのコミュニケーションでよくある話が、昔も今もおそらく未来も「言った。言ってない。」の水掛け論です。
これほどストレスがかかり、時間が無駄なことはありません。お互いの信頼関係にも水を差します。それを避けるためにも、「企画書」という形にしてエビデンスを残すことが重要です。
また常識のない相手先だと「企画書もらった。もらっていない。」などのこれまた面倒な水掛け論が始まります。
しかし、今は、デジタル送信が可能な時代ですので、送信着信履歴が残ります。それにプラスして、メールなどで「企画書受け取りました。」というメッセージをもらうとよいでしょう。
また、企画書は著作物です。
あなたの作成した企画書は、所属する組織の著作権物になりますので、資料には©コピーライトを入れておくことをお勧めします。
機密情報、個人情報が含まれているのであれば、「CONFIDENTIAL」「社内限定」「部署内限定」などを明記して、相手先にもそれを理解してもらいます。これは、著作物である「企画書」が漏洩しない抑止力になるからです。セイバーセキュリティの強化が社会的な課題となっています。NDA(機密保持契約)を締結しておきましょう。
行動
企画書の書き方、内容構成、ストーリー作りは様々ですが、内容を裏付けるデータがあると、相手先へ説得力が増します。
アンケートデータで説得力のある企画書・提案書を作成する
B to B、B to Cいずれにしても、対象となるマーケットリサーチ結果は、マーケティング戦略を構築するにあたり、大きな武器になりまた企画の客観性、説得力が増します。 特に、ターゲットに対するアンケートデータは、ターゲットインサイトを表しているものであり、大変貴重でかつ、戦略施策に直結します。
リサーチデータの裏付けは強い根拠になる
リサーチデータがないと、企画内容はあなた個人の主観で言っていると思われてしまう可能性があります。
そうすると、企画の「好きか嫌いか」の論議に陥ってしまい、本質であるマーケットの方向性を無視する可能性があります。
その点、リサーチデータに裏付けられた結果の革新的なアイデアですと、「あなた個人の考えた企画」から「マーケット、ターゲットからの提案」に変身するのです。
アンケート作成/調査設計に必要なポイント
たかがアンケートと侮るなかれ。
アンケートといっても、実はとても奥が深いのです。
事業の目的と目標、課題を明確化しなければ、「いま、何を明確にしなければならないのか」が定まりません。
何を明確にすれば、適切な意思決定をできるのかを曖昧にしたまま調査の設計に入ることもが非常に多いのですが、
あまりお勧めできません。
下記にお勧めの記事をまとめたのでご参考ください。
◆調査設計自体の考え方
新規事業マーケティング/リサーチ手法 ニーズ調査の失敗例と成功例
アンケートの作り方 ミスしない調査設計の考え方
◆調査設計の詳細
アンケートの作り方 選択肢はMECEに【事例付き】
アンケートの作り方 サンプルサイズの計算方法を徹底解説|統計の基本用語もおさらい
アンケートにきちんと回答してもらえない?アンケート精度を高めるには
リサーチデータを手早く簡単に入手しよう
ビジネス上「企画書」を使用する目的はあなたの企画を通すことです。
しかし、どんなにリサーチが重要だと言っても、それに過度に時間、お金、人員を費やしてしまっては、目的と手段が逆になってしまいます。
ほしいリサーチデータを、手早く簡単にそしてコストコンシャスに手に入れることがポイントです。
提案を通して仕事で結果を出す
リサーチデータに裏付けられた企画提案が通ったら、その戦略に基づき、プロジェクトを遂行します。
企画が実施に移ったときに、その結果に「あれ。こんなはずではなかった。」と壁に当たる事もあると思います。
しかし、企画の段階で、データの裏付けがあれば自分の企画を信じて取り組みを継続していくことが出来ると思います。メンタルでも強みを発揮するのです。
しかし、ただリサーチすればよいということではありません。結果をみて「こんなのでは意味がなかった。」とならないように、失敗しないリサーチ設計が必要です。
この効果的なリサーチ設計は「まーけっち」が優れています。 この「まーけっち」のリサーチの特徴をご紹介します。
①施策最適化のために押さえるユーザーリサーチのポイント
施策最適化のためには、ただやみくもにリサーチをするのではなく、
戦略的にリサーチ内容を設計することがユーザーインサイトリサーチの
ポイントです。
1)施策フェーズごとの適切なリサーチ手法・設計が重要
施策のステイタスのフェーズごとの適切なリサーチ手法・設計が重要です。 上記のように、施策の効果を短いスパンで検証することで、的確な改善がよりスピーディ行えるようになります。
2)各データ(行動・意識・外部データ)特徴整理
ユーザーインサイトを把握するためには、上記のように、行動データ、意識調査データ、外部のマーケットリサーチデータ、それぞれの特性を整理することが重要です。 特に「行動データ」のみでの適切なユーザー理解は難しい為、意識データを併せた活用は必須です。
3)ユーザー層のクラスター分けと各データの見るべきポイントの切り分け
ユーザーの利用状況に応じた設計です。ユーザーのステイタスごとにセグメントし (自社ユーザー(KPI達成、未達)、離脱・休眠ユーザー、競合・潜在ユーザー)、それぞれ、アクセス・購買データと意識アンケートデータを考察することで、どのユーザー層のどのポイントを改善すればよいかを切り分けることができます。
よりユーザーオリエンテッドなピンポイントな施策最適化が可能となるのです。
②収益最大化させる「PRサーチ」
1)各ユーザクラスターに最適のクリエイティブを作成できる
各調査対象ごとのにリサーチ手法を変え、その結果を基にユーザークラスターごとに最適で効果的なクリエイティブやデザインを作成するという手法です。
2)広告・プロモーション・拡散と併せてリサーチを実施する手法
インフォマーシャル形式アンケート手法で、ターゲットに対して商品やサービスのアンケートを取りながら、その商品・サービスを伝え認知・理解を促進していき、購買へのアクションそして、SNSへの拡散効果を狙います。
企画書・提案書のマーケティング視点 まとめ
かつての大量生産・大量消費の時代から大きく変化し、今日、多くの企業は「お客さまの満足のために」「お客さま視線で」という企業姿勢になってきています。
それを体現するには、やはり、マーケットリサーチが欠かせません。
マーケット・ターゲットの声に裏付けられた、あなたの革新的なアイデアを基に、相手先を唸らせる「通る企画書」を作成し、ビジネスを成功へと導いていきましょう。
「新規事業を成功させたい!」「商品やサービスを求める人にもっと届けたい」
本気でそう思う方であれば、
ユーザー理解とマーケティング最適化は、必ずお役に立ちます!