アンケートにきちんと回答してもらえない?アンケート精度を高めるには

不正回答

アンケートをするからにはきちんとしたデータを得たいですよね。
マーケティングリサーチ・アンケートの品質は、
アンケート調査で集めたサンプル(アンケート回答データ)の質に大きく依存します。
正確なデータでなければ、それを分析・加工しても正しいアウトプットを出すことはできません。

しかし!Web アンケートシステムは,紙媒体を用いたアンケートに比べ,質問票の配布,回収,集計作業のコストが少ない
というメリットがある反面,デメリットとして,多重回答などの不正の監視や匿名性の確保が困難となりがちです。

下記が、アンケートの精度を上げるために重要な要素です。
重要な点に絞って注意点をまとめました。

◆アンケート調査の精度を高めるために必要なサンプル数(サンプルサイズ)は?

アンケートというのは統計調査のため、サンプルサイズが多いに越した事はありません。集めたアンケート回答の統計を理想に近付けるかは、その回答数(サンプル数)の量に依存します。
膨大なサンプル数を集めれば統計誤差は徐々に縮まっていくのです。

そのために必要なサンプル数は、母集団の人数によって異なります。
例えば、上下5%の誤差範囲で調査する際に必要なサンプル数は、母集団の人数ごとに以下のように変動します。

母集団:100人→必要なサンプル数:80人
母集団:1,000人→必要なサンプル数:278人
母集団:10,000人→必要なサンプル数:370人
母集団:100,000人→必要なサンプル数:383人
母集団:1,000,000人→必要なサンプル数:384人

上記のように、精度の高い調査結果が必要となる場合には「400サンプルが必要」というのが一般的な考え方のようです。
400サンプルを集めると、標本誤差を5%未満に留められるとされています。

そして、統計学上、標本誤差5%以下が有意水準(※)とされています。これが、400サンプルが必要であるとする説の主な根拠です。

※有意水準とはその事象の発生する確率が偶然とは考えにくい、すなわち有意であると判断する基準となる確率のことを指します。


◆アンケート調査の精度を高めるためにすべきアンケート画面の工夫

どのような制御機能が利用できるかは各社のアンケートシステムの仕様によって違いがあるので、
必要な機能が使えるのかは確認しておきましょう。)


・重要なことはこれでもか!と目立たせる

アンケートは言い回しひとつで質問の意図の伝わりやすさが変わります。
自分が作成した調査票が必ずしも完璧な形になっているとは限りません。
文字の色を赤字にする、大きくするなど、文字装飾を最大限活用しましょう

・回答秒数の制限をつける
対象条件など重要な条件で、「間違えやすい点」「誤解されうる」

・自由記述を含めの内容をチェックできるようにする

自由記述を設け、きちんと書いてくれているユーザーなのかを判別しやすいようにしましょう。

※とはいえ、無用に増やすと良いユーザまで離脱してします為、本当に必要な設問に絞りましょう。

『今後の企画開発やサービス向上において参考にさせていただきたい』という
説明のうえで具体的に部分を限定・指定することで、より良いサービスに繋がる事を期待し、回答者側に真剣に回答してもらえる割合が増加します。

・自由記述の最低文字数を設ける

50文字以上など、回答内容に合わせて適度に設けると、無回答などが防止されます。具体的な例も添えて記載してほしい場合はその旨や例文を記載しましょう。

・トラップ設問を設ける

明らかに適当に回答している人には、それが判別できるような、
読めば誰にでも分かるクイズの様な設問を入れて、適当ユーザーを回答終了とさせましょう。

・矛盾回答の制御を行う
ネットリサーチでは、このような明らかに矛盾する回答をした場合に、web画面上でエラーを表示して正しい回答を促すことも可能です。
矛盾回答者のフラグ立てを行いやすいようにシステムや集計ツールで準備しておくと良いでしょう。


◆アンケート調査の精度を高めるためにすべきアンケート設問の工夫


・あいまいな表現を避ける
「あなたがよく見るメディアは何ですか?」という質問。
「よく」や「普段」「最近」という単語の頻度は、人によって異なり、
1日に何度も、という人もいれば週に1度が当てはまるという認識の人もいるかもしれません。
このような表現は極力避け、「週に一回以上」など具体的な頻度を提示するようにしてください。

・バイアスを避ける
バイアスは、アンケートの制度に対して、致命的になる可能性が特に高いのです。
回答者は質問に同意(黙認)し、アンケートのどの質問にも肯定的な回答をする傾向があります。
このようなバイアスを最小限に抑える方法は、例えば、
単に「はい」か「いいえ」を聞く代わりに、選択肢から選んでもらうか、強制選択尺度(中立の選択肢を設けない尺度)や順位付けを用いることです。

・専門用語を使用しない
業務で普段使っている単語は、回答者にとっては身近な単語ではない可能性があります。
もし使用する必要がある場合は、その単語における認識違いが発生しないよう、補足説明を追加しましょう。

◆アンケート調査の精度を高めるために確認すべき モニターの品質

アンケートモニターを活用する場合は、そのユーザーがどのような方法で集められた人たちか?
モニターはどのような人たちか?(アンケートモニター専用、何かしらのwebサービスの会員、スマートフォンユーザー etc.)
一人で複数のアカウントを登録をしているモニターがいないか?
悪質な回答をする不良モニターに対して対策を講じているか?確認しましょう

例えば当社まーけっちでは、
モニターへのアンケート依頼時には、登録時と定期的に下記のチェックを行い不正アンケートユーザーを排除しています。

不正アンケートユーザーチェック

【User Check】登録時のチェック

事前に登録している情報と回答内容が一致しないユーザーは排除しています。
(例:「性別」「年齢」の事前登録情報と、アンケート上での「性別」「年齢」の回答が矛盾)

また、該当モニターはアンケート依頼中止としています。
・同一メールアドレス
・同一電話番号
・性別・年齢・居住地域などの7属性


【Daily Check】案件毎のチェック

各案件毎のデータクリーニングにおいて、明らかな重複・不正回答パネルを即時排除しています。
また、毎月稼働している約100件/月の案件から、回収数の多い5~10案件をピックアップし、回答内容・IP・UserAgent等を審査。重複の疑いのある回答者や不正回答の疑いのある回答者を排除しています。


回答時間が極端に短い(回答時間の上位2%程度)
全て同じ選択肢番号で回答したり、規則的に選択肢番号を選んでいる
自由記述に無意味な記号などを羅列している
アンケートに関係ない文章を記述している
グループインタビューに無断欠席

【Monthly Check】月次全数調査によるチェック

毎月1回、登録情報にない属性情報を取得する為に行う全数調査において、回答内容・IPやUserAgent等から重複と思われるパネルを抽出・排除。また、回答内容から不正回答と思われる回答者を抽出・排除しています。

【Seasonal Check】全数トラップ調査によるチェック

平均3ヶ月に1回、不正回答者を識別する為のトラップ調査を実施。設問に複数のトラップ設問を設け、規定数以上のトラップにかかったパネルを不正回答者として排除しています。

※トラップ調査の例(注意度の検出)

設問内に、下記の様に指定の箇所を選択するよう指示。
表側の5番目で選択肢左から2番目の『まあ満足している』を選ぶように指示した場合、間違えた回答をした人を、不注意回答者として検出。

◆精度の高い800万人以上のアンケートパネルへのリサーチ

無償や自社でできる簡単なことから始める、プロモーションと併せてリサーチをおこなうなど、出来る範囲で、コストをかけずに適切なリサーチ・マーケティングを行うことは可能です。

私達、株式会社まーけっちは、事業の成功に根差した、リサーチ・マーケティング支援を追及しています。
手法や戦略にご興味があるという方はお気軽にご相談下さい。

また、リサーチ・マーケティング・ライティング・開発/デザインを手伝ってくれる仲間を随時募集しています。興味があるという方はお気軽にメッセージ・お問い合わせください。
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◆著者プロフィール (共著)

株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温

山中思温マーケティングリサーチのシステムとデータの提案営業を経験後、 最年少で事業部を立ち上げ、若年層国内ナンバーワンのユーザー数を達成。
リサーチの重要性と併せて、コストや施策への活用の課題を痛感し、中小・スタートアップでもリサーチやマーケティング施策の最適化をより手軽に利用できるようにする為、リサーチ×マーケティング支援事業の”株式会社まーけっち”を創業。

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