Webマーケの購買率を上げる|心理学を応用したテクニックを徹底解説

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Webマーケティングには様々な手法がありますが、自社の商品やターゲット、マーケットによって最適な手法を取り入れたり組み合わせたりするのが大切です。そのためには小手先の技術だけではなく、マーケティングの本質である「顧客心理」を掴む思考が大切。この記事では、Webマーケティングで活用されている心理学を解説し、どのようにマーケティングに落とし込めばよいのか、紹介していきます。

マーケティングと心理学の関連性とは

心理学とWebマーケ

マーケティングと心理学の間には深い繋がりがあります。学問としても人気がある「行動経済学」を身につけるマーケッターは多く、現代のマーケティングと心理学は切っても切れない関係性にあるのです。

元来、マーケティングは商品や企業を主体として扱うものでした。そのため、最も重要であるはずの「購買者」に目が向いておらず、さらに踏み込んだことを言えば、購買者が「何を好むか」をマスで捉えることはできていたとしても、「なぜ好むか」といった定性的な部分については目を向けづらかったのです。

しかし、現代はインターネットの普及によってターゲティングやアプローチが簡単になったこともあり、定性的な調査やアプローチが行いやすくなっています。Webマーケティングの分野ではその恩恵を十分に活かすためにも、心理学を活用した手法を組み込むことが重要です。

マーケティングは顧客心理を逆手に取る技術

顧客心理を逆手に取って購買率を高めるのがマーケティングの基本ですが、そのための具体的な手法を説明する前に「PDCAサイクル」について紹介します。

  1. 戦略を立てる(Plan)
  2. 戦略通りに実行する(Do)
  3. 効果測定を通して評価を行う(Check)
  4. 改善点を把握し、戦略を修正していく(Act)

この流れを繰り返すのがPDCAサイクル。ここで注目すべき点は「Check」に当たる、効果測定を通して評価を下すフェーズです。

これまでのマーケティングではマス的な要因で顧客の行動原理を説明していましたが、心理学的な観点に立つと、目標の数字が達成できなかった場合に「顧客の心理」を要因の一つとして組み込んで評価を下すことで、より本質的な要因にたどり着けるようになります。

経済的な要因はあくまでマス的な観点に過ぎません。実際に自社の商品やサービスを手に取る瞬間の顧客の心理を読み取って、「この商品が欲しい」という心理状態に誘導することで、顧客は望んで自社の商品を手に取ってくれるようになるでしょう。

顧客心理を読み取りながらマーケティング手法を立案すると購買率が高まる、という主張はマーケティングの本質であり、様々な論文でも取り上げられているテーマです。

参考:消費者心理をマーケティングに活かす方法

マーケティングに心理学を応用するメリット

マーケティングに心理学を応用することで、顧客心理を読み取るだけでなく「操る」ことが可能になります。もともと「欲しいと思われていた商品」を売るのは簡単ですが、「買おうかどうか迷っている商品」を売るには何らかの方法で顧客の心理を操って「欲しい」と思わせなければなりません。そんなときに顧客心理を操るマーケティング手法を知っていたら、寄り多くの顧客に商品を届けることができるでしょう。

Webマーケティングに置き換えると、コンテンツのインプレッションが増加したり、CVRが増加したりする効果が得られます。

どのようなテクニックがあるのか、実際の例とともに見ていきましょう。

心理学を応用したWebマーケティングのテクニック

テクニック

ここからは、心理学を応用したWebマーケティングのテクニックを詳しく紹介していきます。明日から活用できる手法も少なくないので、ぜひ参考にしてみてください。

コンテンツマーケティング

今ではオフラインセールスの主流となっているコンテンツマーケティングも、顧客心理をうまく誘導するための施策と言えます。Webマーケティングの分野ではしばしば「カスタマージャーニー」という言葉が用いられますが、カスタマージャーニーの意味を正しく理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。

カスタマージャーニーは顧客が企業の商品を見て、興味を持ち、ファンになってから購入するまでの流れを示した旅路のこと。企業側があらかじめカスタマージャーニーを作ることで、本来見えるはずがなかった顧客の心理の流れを読み取ることが可能になります。

顧客がどのような形でサービスや商品を見て、興味を持ってくれるのか。その効果を最大化して自社のファンにするにはどうすればよいのか、購買につなげるためにはどのような施策が有効なのか、といった点について精査し、リアルに顧客の心理をキャッチする助けになるでしょう。

また、マーケティングの基本とされる「AIDMAの法則」も、Webの発達に伴ってアップデートされています。

現代はAISASという概念が提唱されており、Webマーケティングについては、戦略を「AIDMA」から「AISAS」に切り替える必要性が示唆されているのです。

AISASは「Attention(注意)」「Interest(興味)」「Search(検索)」「Action(購入)」「Share(共有)」の頭文字を取った造語で、現代のユーザーがどのような行動を通って購買を完了するのか示したもの。まさにWebマーケティングにおけるカスタマージャーニーを表しているのです。

まずは注意を向ける(Attention)ことで、自社の商品について興味(Interest)を持ちます。その後、商品名を検索(Search)し、購入(Action)、共有(Share)する、というのが現代のWebにおけるカスタマージャーニーである、と言われているのです。

コンテンツマーケティング、特にAISASの法則を心理学的に読み解くと、以下のような点をクリアする戦略が求められます。

  • 注意を向けられやすい言葉やデザインで情報をまとめてネットに流す。
  • 興味を持ちやすい(プレゼントなど)企画や情報を盛り込んで、読んでもらう。
  • 検索を促して、より深い情報へアクセスしてもらう導線の構築。
  • SNSやブログなどを通して商品やサービスを拡散し、他のユーザーへ紹介したくなる仕掛けづくり。

このようなカスタマージャーニーをうまくデザインできれば、購買率をぐんと高めることができるでしょう。

SNSマーケティング

近年はSNSを活用したマーケティング手法も人気があるので、Twitterやインスタグラムなどを利用している企業も数多く見かけるようになりました。

なかでも注目すべきはSHARPのTwitter運用でしょう。商品の告知も程々に、「中の人」の人柄が伝わるような「自由な」投稿を続けた結果、擬人化した漫画が出版されるほどの人気を獲得しています。

国内屈指の大企業の公式アカウントが、ゆるく、何気ない日常を発信することで、ユーザーが「ギャップ(面白さ)」と「親近感」を覚えたことが人気の要因。また、独特なワードセンスとトレンドにいち早く飛び乗る瞬発力も背中を押して、今も高い人気を誇っています。

参考:SHARP公式Twitterアカウント

また、SNS運用代行を専門にするSNSマーケティング特化のIT企業、ヴァンパイア株式会社も面白い手法でSNSマーケティングを手がけています。社内のイラストレーターが作成したオリジナルのゆるくて可愛いキャラを活用してSNSマーケティングを行っています。

オリジナルキャラがユーザーと何気ない会話を繰り広げ、単なる情報発信に終止するのではなく「面白さ」「親しみやすさ」が生まれる運用手法を開拓し、多くの実績を残しています。

参考:ヴァンパイア株式会社

この2つの成功事例から、SNSマーケティングでは「顧客の心理により近づくために、適したツールで適した運用方法を見つける」ことが重要であると言えます。自社の商品に興味を持つ人はどんな人なのか、何を面白いと思うのか、といった点を突き詰めていき、ターゲットを明確にした上でSNSの運用手法を組み立てていくのが良いでしょう。

顧客の中に「面白さ」「親近感」といった心理作用が生まれることで、自社の商品やサービスのファンでなくとも、SNSを通してブランドイメージが上昇したり、ふとした時に思い出してもらう回数が増加します。これによって購買率が高まることが予想されるでしょう。

ナラティブマーケティング

これまで、物語を活用したマーケティング手法として主流だったのは、ストーリーテリング型マーケティングです。企業の創業物語や創業者の自伝などを出版することで企業の物語に感情移入してもらい、ブランドイメージを高めたり、愛着を持ってもらうのが狙いでした。

しかし、近年はストーリーテリング型マーケティングよりも深く顧客心理をつかめるとして「ナラティブマーケティング」という手法が注目を集めています。

ナラティブマーケティングは、これまでのストーリーテリング型マーケティングとは違って「顧客を主人公とする」手法です。例えば、足のむくみを解消するためのストッキングをどのように売り込むか、という切り口でナラティブマーケティングを活用したCM制作をイメージしてみましょう。

足のむくみをストッキングで解消しよう、と考えるのはどのような方でしょうか。毎日残業に追われて、身体のケアをする余裕がない忙しいOLさんなどが思い浮かびます。

まずは、暗いオフィスで仕事に追われ、終電で帰宅したあとはすぐに眠りに就いてしまう――。心身のケアをする余裕もない日々の中でも足のむくみを解消したい…という描写を入れ込んで共感を誘います。既にこの時点で、ターゲットであるOLさんは「自分の生活と一緒だ」と同一視を始めているでしょう。

そして、自社の商品であるストッキングを着用することで足のむくみが解消され、週末に彼氏とデートに行くときに軽やかな足取りで出かけていく…というような描写で締めれば、自分の生活に置き換えて考えていたOLさんは「これを使えば私も時間をかけずにむくみを解消できる」と購買意欲を高めてくれるのです。

心理学的に読み解くと、顧客の中で勝手に愛着やブランディングが行われていくのがナラティブマーケティングの最大のメリット。商品を手にした後の自分を克明にイメージさせられるので、従来のストーリーテリング型マーケティングよりも深い共感や愛着を持ってもらえるのです。

そのぶん、共感を得るために顧客心理に深く訴えかける必要があるので、自社の商品が顧客にどんな影響を及ぼすのか、どんな切り口で伝えればそれが効果的に浸透するのか検討する時間が必要でしょう。

Webマーケティングで役立つ心理学の基本を紹介

マーケティングの基本

ここまで紹介した手法はいずれもマーケティングと心理学をかけ合わせたものでしたが、手法を知って真似をすれば効果が出る、というわけではありません。商材やターゲットが異なるので、他社でうまくいった手法を自社に流用しても同じ結果が出るとは限らないのです。

顧客心理を掴んだマーケティングを行うには、心理学の作用とマーケティングをうまく絡めたオリジナルの戦略を確立するのが重要。ぴったりな戦略を見つけるために、心理学の基本的な概念を理解した上で、自社に照らし合わせながらマーケティング戦略を立てていくのが良いでしょう。

ここからは、マーケティングに応用しやすい心理作用を解説していきます。

ハロー効果(後光効果)

「見た目が素敵な人は、性格や生活も良いものである」というように、ある一面の評価が他の要素に対しても好影響や悪影響を及ぼすことをハロー効果と言います。美男美女がCMに起用される背景には、このハロー効果が関係しているのです。つまり、見た目が素敵なタレントさんを起用することで、タレントさんに備わっているプラスの評価を自社や自社の商品、サービスにも引き継ごう、という狙いがあります

権威性

「◯◯大学の研究によると――」というように、権威ある人や団体が発表した、と引用することで情報の信憑性が高まる心理作用。通販番組などで著名人や医師、専門家などがコメントをするのは、権威性を応用したテクニックと言えるでしょう。

ウィンザー効果

人は、直接的な褒め言葉よりも「◯◯さんが褒めてたよ」というように第三者から伝えられた情報に信憑性を感じる、という効果。どのサイトも口コミを掲載するようになりましたが、このウィンザー効果を逆手に取ったマーケティング手法と言えるでしょう。

バーナム効果

誰にでも当てはまる内容であっても、「あなたは最近いいことがありましたね」と限定的に言われることで、自分にしか当てはまらないことだと錯覚し、信憑性が高まる心理作用。占いで用いられることも多いです。Webコンテンツで「◯◯なみなさん」という呼びかけではなく「◯◯なあなた」と一人を指した言い回しが多いのはこのバーナム効果を得るためのものでしょう。

損失回避の法則

人は「手に入らなかったこと」より「失うこと」のほうが大きなストレスを感じる、という心理作用。「後悔しないために」といったような注意喚起の文言で説得するLPやWebコンテンツは、損失回避の法則を応用したものです。

カリギュラ効果

「だめ」「してはいけません」と言われたものほど興味を惹かれる心理作用をカリギュラ効果と言います。キャッチコピー等で「痩せたくない人は見ないでください」といった文言を見かける機会も増えましたが、これはカリギュラ効果を応用したマーケティング手法です。

心理学の効果を活用してWebマーケティングを成功させる

Webマーケティング手法の多くは、顧客心理をうまく誘導するために心理学の作用を盛り込んでいます。顧客心理を逆手に取って、購買につなげるよう意識されているものも少なくありません。

これからのWebマーケティングを語る上で心理学は必要不可欠。ぜひこの記事を通して、自社のマーケティング戦略をいま一度見直してみましょう。

参考記事:【永久保存】Webマーケティングに役立つ心理学用語36選|ferret

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