インセンティブ広告は質が悪い?注意ポイントまとめ

広告の効果が出にくくなった理由とは?

広告での購買効果を出す難易度は高くなっています。なぜでしょうか。

 

プロモーションリサーチ

1. 広告の飽和状態

現代の消費者は、日常的に大量の広告に触れています。マーケティングリサーチ企業Nielsenの調査によると、1日に人々が見る広告の数はなんと平均約4,000~10,000回とされています!
このような「広告過多」により、消費者は広告を意識的・無意識的にスルーする傾向に。

2. 広告ブロックツールの普及

Statistaの2023年データによると、世界中で広告ブロッカーを使用するインターネットユーザーは約42.7%に上ります。これにより、広告がそもそも表示されないケースが増えています。

3. 購買行動の変化

インターネットレビューやSNSの発展により、消費者は商品やサービスを購入する前に、自ら情報を検索することが一般的になりました。一方的な広告ではなかなか買ってもらえないのです。

 


 

そこで…広告効果低下を打破するインセンティブ

結論:広告嫌い&不景気の勝ち筋は、ばちばちにターゲティングを行った上でのインセンティブによる行動喚起/潜在ニーズ喚起がおすすめ!

広告の効果を最大化する手段の一つが「インセンティブ」の導入です。では、インセンティブとは何か、そしてどのような効果が期待できるのでしょうか?筆者はうまくやれば救世主となる手法の一つとして考えていますが、やり方を間違えるとイメージ通りCVの質が悪くなるため注意です。

従来のようなポイントサイトやポイントモニター向けに広く配信したり、広告もあまりターゲティングをしないで配信するのもありです。
しかし、潜在ニーズすらない人にポイントを提示してしまうためCVの質は悪くなり、CPAは悪くなってしまいます。予算が限られているときにはお勧めしないですし、この手法のために、インセンティブ=質が悪い と捉えられるようになってしまいました。

そこで当社がおすすめするのは、リーチ先は出来るだけ広く網羅し、その中からターゲティングを頑張り(地域や職種、年収やリタゲなどをかけ合わせ、うんと絞る)、インセンティブを使ってでもなんでも一度試してもらえさえすればニーズが顕在化できロイヤルユーザーになりそうな層を見つけつつピンポイントで訴求していく手法です。
(この手法を試してみたい方は是非お問い合わせください!)

 

 

 

 

インセンティブがもたらす効果

  1. 注意を引きつける インセンティブが提示されると、消費者はその特典に興味を持ち、広告のクリック率、キャンペーン参加率等が向上します。

  2. 行動を促進する 消費者が「報酬を得るため」にクリックや購入を行いやすくなり、広告効果が上昇します。

実際、インセンティブ付き広告はクリック率(CTR)が平均25%向上するとのデータがあります(出典:ConversionXL, 2023)。


景気が悪いとインセンティブの効果が高まる

ユーザーが広告を閲覧したりアクションを完了した際に、特典を提供する広告手法です。広告が単なる情報提供ではなく「報酬を得られる体験型の広告」に変わり、広告に嫌気がさしているいるユーザーにも興味を引くチャンスが出来ます。これは景気が悪い時の方がより効果的です。

インセンティブ広告のアクション成果地点例

  1. 動画広告
    動画を最後まで視聴したらポイントを付与する仕組み。多くのスマートフォンアプリで導入されています。

  2. アプリインストール広告
    アプリをダウンロードしたら初回購入クーポンを配布。これによりダウンロード数が増加します。

  3. 口コミ・レビュー投稿広告
    購入後にレビューを投稿すると、次回使える割引クーポンを提供。これによりユーザーが積極的に口コミを広めます。

  4. 来店やモニター
    実際にお店に来てもらって、そのあとのアクションや購買を促すことも可能です。

 

インセンティブ広告のステップと仕組み

インセンティブ広告はざっくりいうと以下のステップで進行します:

  1. 広告の配信
    動画やバナー形式で広告をユーザーに提示し、インセンティブ内容を明示。

  2. ユーザーのアクション
    ユーザーが広告をクリック、視聴、または指定のアクションを実施。

  3. インセンティブの付与
    条件を満たしたユーザーに、報酬を付与。例えばポイント、ギフトカード、クーポンなど。

 


ユーザーインセンティブの有無で効果はどう変わる?

インセンティブを付けた広告と付けない広告では、効果に大きな違いがあります。ここでは、具体的なデータや研究結果を基に、その差を詳しく解説します。

 


1. インセンティブ付き広告のCTRが平均25%向上

マーケティング分野でのリサーチを行うConversionXLの調査(2023年)によれば、インセンティブ広告を導入することでクリック率(CTR: Click-Through Rate)が平均25%向上することが確認されています。

調査の概要:

  • 対象:50種類の広告キャンペーン(eコマース、アプリダウンロード、動画広告など)
  • 結果
    • インセンティブ付き広告:CTRが7.5%
    • インセンティブなし広告:CTRが6.0%

インセンティブ(例:ポイント、クーポン、割引コード)を付与することで、広告をクリックする動機が明確になるため、消費者の行動を引き出しやすくなります。

 


2. エンゲージメント率とコンバージョン率の差

Statistaのデータ(2023年)では、インセンティブ広告を活用した場合、エンゲージメント率とコンバージョン率(CVR: Conversion Rate)の両方が大幅に改善されると報告されています。

主なデータポイント:

  • エンゲージメント率(広告をクリックまたは視聴した割合)

    • インセンティブあり:平均30%
    • インセンティブなし:平均20%
  • コンバージョン率(最終的な購買やインストールなどの目標達成率)

    • インセンティブあり:平均10%
    • インセンティブなし:平均7%

根拠:

インセンティブが「報酬」という形で消費者に即時的な利益を提供するため、購入やインストールといった目標達成までの心理的障壁を低くする効果があると分析されています。

 


 

3. 「広告疲れ」を緩和する効果

消費者の多くは広告に対して消極的な態度を示す傾向があります。**eMarketerの調査(2022年)では、広告疲れを感じると回答したユーザーは全体の62%にのぼります。しかし、同調査では「特典がついている広告であれば興味を持つ」と回答した割合が41%**に達しており、インセンティブ広告が広告疲れの軽減にも寄与することが示されています。

データの背景:

  • 消費者は受動的な広告視聴よりも、報酬を得られる行動には積極的に参加する傾向があります。
  • インセンティブは「無駄な時間を使わない」という心理的満足感を提供し、広告を見ることの抵抗感を下げます。

 


4. 実例:インセンティブ付き広告の成功事例

ケーススタディ:リワード型動画広告

  • 企業名:某モバイルゲーム会社
  • 施策:動画広告を最後まで視聴したユーザーにゲーム内アイテムを付与。
  • 結果
    • 視聴完了率が**45%から85%**に向上。
    • アイテム付与後のゲーム内課金率が15%増加

ケーススタディ:アプリインストール広告

  • 企業名:大手オンラインショッピングプラットフォーム
  • 施策:アプリダウンロード後、初回購入時に20%割引クーポンを提供。
  • 結果
    • アプリダウンロード数がキャンペーン期間中に200%増加
    • 初回購入率が従来比3倍に拡大。
    •  

インセンティブ広告のまとめと注意点

インセンティブ広告は、クリック率、エンゲージメント率、コンバージョン率を大幅に向上させる効果があることが、複数のデータで明らかになっています。一方で、報酬目当てだけの一時的なユーザーを引き込むリスクも伴うため、慎重な設計とターゲティングが必要です。


インセンティブ広告のデメリットと対策

一方で、インセンティブ広告にはデメリットもあります。課題を理解し、対策を講じることが成功の鍵です。

デメリット

  1. 質の低いトラフィック 報酬目当てのユーザーが増え、広告内容に興味がない場合があります。

  2. 高コスト 報酬提供によるコスト負担が広告主にかかります。

  3. 不正行為 ボットやスパムによる報酬の不正受給のリスクがあります。

対策

  • ターゲティング精度の向上
    インセンティブ広告を本当に必要とするユーザーに絞る。
  • インセンティブ対象のターゲットを限定し、事前に明示してしまう。

 

インセンティブ広告の例:アンケート型ランディングページ(LP)

アンケート型ランディングページ(LP)は、ユーザーに簡単な質問に答えてもらうことでインセンティブを提供する形式の広告です。この仕組みは、ユーザーにアクションを促す効果的な手法として、多くの業界で活用されています。


アンケート型LPの仕組み

アンケート型LPは、インセンティブ広告の一種としてユーザーの積極的な参加を促し、データ収集と販促効果を両立する強力な手法です。ただし、質問の内容や報酬設計を工夫しないと効果が薄れる可能性があるため、戦略的に運用することが重要です。

  1. アンケートの提示
    広告やリンクからランディングページに誘導。質問内容は簡単で、ユーザーが気軽に答えられるものを設定します(例:製品に関する意見、購買意欲に関する質問など)。

  2. 回答完了後のインセンティブ提供
    質問に答えたユーザーに特典を提供します。たとえば:

    • 割引クーポン:次回購入時に使用可能なコードを送信。
    • ポイント:特定のポイントシステムに加算。
    • 無料アイテム:お試し商品やデジタルコンテンツなど。
    • デジタルギフト:抽選や100%もらえる、ほしい商品に交換できるデジタルギフトのコード
  3. データ収集
    アンケート回答を通じてユーザーの属性や興味関心を把握。これを元に広告やサービスを最適化します。リサーチネットワークを活用すれば、一気に数万~数千万回収などの大規模データ回収もできます。

  •  

アンケート型LPのメリット

  1. ユーザーのエンゲージメント向上
    質問に答えることで、ただの広告視聴よりもユーザーの積極的な関与が得られます。

  2. データ収集の効率化
    質問を通じて、顧客の興味や購買傾向を具体的に把握できます。

  3. 広告コスト対効果の向上
    インセンティブを与えることで、通常のクリック広告よりも高いコンバージョン率を実現できます。


アンケート型LPを成功させるポイント

  1. 簡単で魅力的な質問内容
    質問数は3~5問程度に抑え、ユーザーに負担を感じさせない設計にします。

  2. 魅力的なインセンティブ設定
    ユーザーのターゲット層に刺さる特典を用意します(例:無料サンプル、ポイント、クーポンなど)。

  3. 即時性のある報酬提供
    回答直後にインセンティブを提供することで、ユーザー満足度を高めます。

  4. デザインの最適化
    モバイルフレンドリーなデザインや、明確なコール・トゥ・アクション(例:「今すぐ回答して特典をゲット!」)を取り入れることでコンバージョン率を向上させます。


注意点

  1. 過剰な質問はNG
    長いアンケートはユーザーを離脱させる原因になります。

  2. インセンティブ目当ての不正行為
    ボットや虚偽回答を防ぐために、回答内容の精査や一人一回の回答制限を設けることが重要です。

  3. データの適切な利用
    GDPR(一般データ保護規則)などの規制に従い、取得したデータは適切に保管・利用します。

結論:広告嫌い&不景気の勝ち筋は、ばちばちにターゲティングを行った上でのインセンティブによる行動喚起/潜在ニーズ喚起がおすすめ!

 

 

インセンティブ広告で質を落とさないためには?

効果を維持しつつ質を高めるポイントです。上手く運用するか、詳しくて設計やターゲティングの運用が出来る人に依頼しましょう!

  1. 報酬を過剰にしない
    コストを適正に抑え、過剰なインセンティブを避ける。

  2. 広告の内容を工夫
    報酬頼みではなく、ユーザーにとって価値のある内容を提供する。

  3. 持続的なターゲティング
    一時的な成果に頼らず、長期的なブランド価値を追求。

 

インセンティブ広告対応の媒体

インセンティブ広告が効果を発揮しやすい媒体を以下にまとめます。実際に行う際の参考にしてください。

 

インセンティブ広告の出稿先:主要なプラットフォームまとめ

インセンティブ広告はターゲティングとの相性が非常に良いです。ユーザーの興味・関心、行動履歴、属性などを活用して最適な広告を配信します。出稿先を網羅的に解説します。


1. ソーシャルメディア広告プラットフォーム

ソーシャルメディアは、膨大なユーザーデータを活用したターゲティング広告に最適な媒体です。具体的な特徴を以下に示します。

ターゲティングがしやすくインセンティブ広告と相性の良い主要プラットフォームとは?

  1. Facebook/Instagram(Meta Ads)

    • 特徴:デモグラフィック情報、行動データ、興味関心に基づく高度なターゲティングが可能。
    • 広告形式:画像広告、動画広告、カルーセル広告、ストーリーズ広告。
    • 適用例:リマーケティング広告(過去に商品ページを訪れたユーザーへの再アプローチ)。
  2. X(旧Twitter Ads)

    • 特徴:リアルタイムでのイベントターゲティングや、キーワード、フォロワーデータに基づくターゲティング。
    • 広告形式:プロモツイート、動画広告、トレンド広告。
    • 適用例:特定のハッシュタグを利用したキャンペーン。
  3. LinkedIn Ads

    • 特徴:BtoB向け広告に特化。職種、業種、企業規模などのデータで精密なターゲティングが可能。
    • 広告形式:スポンサードコンテンツ、メッセージ広告、ディスプレイ広告。
    • 適用例:BtoBソリューションのプロモーション。
  4. TikTok Ads

    • 特徴:若年層に人気のプラットフォーム。ユーザー行動や興味に基づくターゲティング。
    • 広告形式:In-Feed広告、チャレンジ広告、ブランデッドエフェクト。
    • 適用例:商品やサービスの認知拡大。
    •  

2. 検索エンジン広告(リスティング広告)

検索エンジン広告は、ユーザーが検索するキーワードに基づいて広告を表示する媒体です。

  1. Google Ads

    • 特徴:世界最大の検索エンジン。検索意図に応じたターゲティングが可能。
    • 広告形式:検索広告、ディスプレイ広告、ショッピング広告。
    • 適用例:具体的な購買意図を持つユーザーへの商品提案。
  2. Yahoo!広告

    • 特徴:日本市場に特化したプラットフォーム。Yahoo!検索や提携サイトへの広告配信が可能。
    • 広告形式:検索広告、ディスプレイ広告。
    • 適用例:地域密着型のサービスやプロモーション。
    •  

3. ディスプレイ広告ネットワーク

ディスプレイ広告は、バナーや動画形式で多数のウェブサイトに広告を配信します。

  1. Google ディスプレイネットワーク(GDN)

    • 特徴:Googleが提携する数百万のウェブサイトやアプリに広告を配信可能。
    • 広告形式:静止画バナー、レスポンシブ広告、動画広告。
    • 適用例:ブランド認知度向上。
  2. Yahoo! ディスプレイ広告(YDN)

    • 特徴:日本の主要ポータルサイトに対応。多様なユーザー層にアプローチ可能。
    • 広告形式:バナー広告、動画広告。
    • 適用例:日本市場向け商品プロモーション。
  3. DSP(デマンドサイドプラットフォーム)広告

    • 特徴:RTB(リアルタイム入札)技術で、多数の広告枠に配信可能。
    • 主なDSP:Criteo、Amazon DSP、LINE Ads Platform。
    • 適用例:広範囲な広告配信でリターゲティングを強化。

4. 動画配信プラットフォーム

動画広告は、視覚的インパクトで強い印象を与える媒体です。

  1. YouTube Ads

    • 特徴:動画再生中や検索結果に広告を表示。行動ターゲティングも可能。
    • 広告形式:スキップ可能広告、バンパー広告、ディスカバリー広告。
    • 適用例:商品デモンストレーションやチュートリアル動画。
  2. TVer

    • 特徴:日本のテレビ番組見逃し配信サービス。視聴者層に基づくターゲティング。
    • 広告形式:プレロール広告、ミッドロール広告。
    • 適用例:テレビ視聴層向けのプロモーション。

 


5. ショッピング/EC広告

  1. Google ショッピング広告

    • 特徴:商品名、価格、画像を検索結果上部に表示。
    • 適用例:Eコマース商品の露出向上。
  2. Amazon広告

    • 特徴:Amazon内で商品をプロモーション。購買意欲の高いユーザーにリーチ可能。
    • 広告形式:スポンサープロダクト広告、ブランド広告。
    • 適用例:Amazon販売商品の認知度拡大。

 


6. アプリ/特化型プラットフォーム

LINE Ads Platform

  • 特徴:日本国内の幅広い年代層にリーチ可能。メッセージ広告も展開。
  • 適用例:日常生活に密着したサービスのプロモーション。

スマートニュース広告

  • 特徴:ニュースアプリ内で広告を配信。情報に関心の高いユーザーにアプローチ。
  • 適用例:金融、教育、健康関連のプロモーション。

7. ポイント/アンケートサイト

いわゆるポイ活サイトです。インセンティブ広告というとこちらのみを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
(※現状は、上記に記したポイントサイトモニター以外の広告へもリーチが可能となっております。)

Markecchi research monitor

  • 特徴:携帯キャリアやポイントサイトなどの複数のアンケートにやポイントサイトの登録ユーザーに配信
  • 適用例:年代や地域、年収などの属性別のプロモーション。

 

広告インセンティブで使われがちな報酬

インセンティブとは、特典や報酬を指します。広告の文脈では、「特定の行動を促進するための報酬」として使われます。
例:

  • 動画広告の視聴後にポイントを付与。
  • アプリのインストールでクーポンをプレゼント。
  • 抽選でAmazonギフトコード提示
  • 会場参加でキャンペーンで、商品プレゼント
  • 利用後のアンケート回答で同額キャッシュバック

 


 

 

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  • 参考文献

    1. ConversionXL, The Science of Incentives in Advertising, 2023.
      [URL: www.conversionxl.com]
    2. Statista, Global Trends in Advertising Engagement, 2023.
      [URL: www.statista.com]
    3. eMarketer, The Psychology of Ad Fatigue and How Incentives Can Counteract It, 2022.
      [URL: www.emarketer.com]
    4. Case Studies in Digital Marketing, 2023.
      [Available on request or subscription platforms].

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