約100名のインタビューで明らかになった  Z世代・ミレニアル世代「おしゃれ男子」の新トレンド

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Z世代・ミレニアル世代の中で、実際にファッションにお金を使い、新しいコト・モノにも関心のある「おしゃれ男子」の実態を
約100名のインタビューを行い、じっくり調べてみました!

日本のアパレル市場が縮小する一方で、シュプリームの店舗には新作購入の行列ができています。
ラグジュアリーブランドはメンズ商材に力を入れ、カプセルコレクションやポップアップショップが増えています。
いずれもZ世代(18~23歳)・ミレニアル世代(24~35歳)の男子がターゲットです。

私たちは広告会社としてファッション企業のマーケティングに携わり、
Z世代・ミレニアル世代男子に注目してきましたが、ことファッションに関して、
購買力も感度も高い「おしゃれ男子」に特化した調査データは多くありません。

これまでインターネットモニターベースの調査も実施してきましたが、様々な条件をつけてもトレンドの先を行くような男子は出現しにくく、歯がゆさを感じていました。

「原宿のストリートファッションコミュニティに出入りしている」「新しいデザイナーに注目し、商品を購入する」「仲間からセンスのよさで一目置かれている」… そんなZ世代・ミレニアル世代男子のバイオグラフィーや、今関心のあるモノ・コト、ファッションの購買のトリガーやタッチポイント、その背後にある価値観を、定性調査によって彼らの言葉から紐解き、彼らと接点をもつための施策に結びつけたいと考えました。

おしゃれ男子のインタビューを企画した理由

消費者マーケティングでは、ファクトや施策の効果をデータで説明することが重視されています。説明力をもつためには、そのデータが有意だと言えるだけの母数が必要となります。

一般に定性調査は、仮説的な消費者セグメントを代表するサンプルを選ぶため、数名~数十名で行われることが多いのではないでしょうか。人数以前に、適切な対象者を選ぶことが重要です。私たちも過去のインタビュー調査やFGIの経験から、そのようなボリュームで仮説やインサイトを得られることは理解していました。

しかし、ミレニアル世代・Z世代の中に、「ファッション・情報感度が高い男子」のかたまりが確かに存在し購買のポテンシャルをもっていることと、彼らの影響力・彼ら特有の情報取得行動や嗜好について確証を得るため、思い切ってそのセオリーを無視し、定性調査でありながら定量的なデータとしても有意と言える人数=100名を目標としました。

ひとりひとりの男子に「なぜ・どんなきっかけで・いつから・これからは」という問いを重ねるため、手法はデプスインタビューとしました。

対象者の選定にあたっては仮説を立て、「一定以上の購買力」「ファッション関与度の高い職業属性」「ファッションメディアへの接触」「ファッションに関連する場・イベント等への参加経験」のいずれかを条件に、機縁法で集めています。

このようにして、おしゃれ男子100名を目指したインタビュープロジェクトはスタートしました。

調査会社様をパートナーに、インタビューは分担して行っています。

おしゃれ男子の傾向

インタビューから窺えた、Z世代・ミレニアル世代のおしゃれ男子の傾向をいくつかご紹介しましょう。

◆リアルを求める

おしゃれ男子は「自分の目で見たい・耳で聞きたい・体験したい」欲求を強くもっています。外出時間は長く、街歩きを好みます。

ほぼ全員インスタを利用していますが、中の世界が必ずしもリアルだとは思っていません。フェイクに敏感で、仕込みを嫌うというより「お金と引き換えに、好きでもない服を着ていいねをもらう行為はイタイ」。

 

◆仲間が最大の情報源

仲間からの情報を頼り、不特定多数より仲間に認められることに価値を感じています。仲間と頻繁に飲み、買い物やサウナに行き、ライブ情報も新しいブランドも、直接情報交換します。

 

◆情報とは上手に付き合う

信頼できる人やブランドのフィルターがかかった情報を収集し、インスタでショップ店員やクリエイター、アーティストの”推し”や私物をチェック。情報は「入ってくる量や質をコントロールし、自ら選んで取りに行くもの」。

 

◆SNS発信離れ

発信したがりな一部の男子以外、インスタのフィード投稿は「以前より減った」「ほとんどしない」。気軽な投稿はストーリーに移行しています。

テレビはほとんど録画再生のみで、一人時間の娯楽はNetflixなどの動画配信サービスやYoutubeの視聴。

雑誌は特集のファンが多く、読み物として好まれていますが、情報の早さという点でインスタやWEBマガジンにスライドしていることは否めません。

 

◆古着育ち・親世代の影響

Z世代・ミレニアル世代とも、おしゃれ男子は古着ブームの中で育ち、今は90年代テイストの”ださかっこよさ”が落ち着くようです。

特にZ世代のおしゃれ男子は親との関係が濃く、ファッション好きな親が着ていたブランド、聴いていた音楽、乗っていた車に影響を受けています。父のお下がりのクロムハーツを身に着け、母と「ボヘミアン・ラプソディ」を見に行くことも。

大人数のインタビューだからわかること

このインタビューでは、ファッションや新しいコトを知る情報源として、一般的なインターネットの定量調査ではほとんど出現しないカルチャーサイト、レディスの情報を含むファッションサイト、カルチャー雑誌が多く挙がりました。

いわゆる”ニッチな”メディアは、出現率の低さゆえに接触者のプロフィールを把握しにくいきらいがあります。また少人数の定性調査でひとり接触者がいても、「たまたまモノ好きがいただけ」と、コミュニケーション・プランニングの選択肢から外されがちです。

今回、ファッション関与度が高い「おしゃれ男子」を大人数インタビューすることで、”ニッチな”メディアが塊として浮上し、接触者の顔も見えるようになりました。

また彼らは”ニッチな”メディアの編集姿勢に共感し、メディアや編集者のSNSアカウントをフォローしていることもわかりました。リーチは低くとも、おしゃれ男子仲間同士のシェアにつながりやすいと言えます。

 

まとめ

お洒落男子は、インスタを始めとするSNSを情報インフラとして使っていますが、SNS浸りではなく、信頼できる対象(ヒトでもブランドでも)からの発信を選別しています。

新しいモノ・コトの情報は、同じ価値観の仲間がフォローする「鍵アカ」の中や、身近な人からの口コミでシェアされ、温度が上がっていきます。

反面、おしゃれ男子は顔の見えない相手への拡散に興味がありません。彼らと交流のない、ファッション関与度の低い層に対しては、情報のトリクルダウンは起きにくくなっています。

またお洒落男子はリアルな店舗で実物を確かめてから購入したいため、ショップスタッフとの交流や、友達と出かけたくなるブランド体験の場づくりが、コミュニケーションのポイントと考えられます。

 

さいごに

インタビュー調査は、消費者の行動の理由や背後にある気分を知り、インサイトを得るのに適している一方、人手と時間を要する労働集約的な手法でもあります。

大量のインタビュー発言録を読み解く過程で、テキストまたは音声データのマイニングツールを応用すれば、発言間の関連性や対象者間の類似性を見つけやすくなるのではないかと感じました。

 

◆著者情報

広告代理店 マーケティング担当様

 

 

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