採用・人材
【人事必見】採用を成功させるスクリーニングの手法・考え方を解説
2020.10.06
新卒採用や中途採用を問わず、採用活動を行う際にスクリーニングを行うことで、効率的な採用活動を行えます。
世の中の大企業ほど、採用のふるいにかけられる人数が多くなるので、スクリーニングの効果が発揮されてきます。
今回の記事では、そんな採用活動を行う人事の方向けにスクリーニングについて説明していきます。
具体的には以下のポイントをこの記事で解説しています。
- スクリーニングとはなんなのか?
- スクリーニングをすることによるメリット
- デジタル化社会でスクリーニングはどう変化するか
では、スクリーニングという言葉の意味からみていきましょう。
スクリーニングとは?
スクリーニングとは、英語にすると「screening」であり、直訳すると「ふるい分け」です。
つまり、スクリーニングとは、採用にかけるためのふるい分けのことなんですね。
採用におけるスクリーニングとは、採用選考の比較的初期の段階で行われる筆記テストやエントリーシートのことをいいます。
その後に行われる面接選考やグループディスカッションとは違い、スクリーニングはある意味形式張った選考です。
人事側として得られる情報は限定的となりますが、そこでふるい分けを行うことで、効率的な採用活動が可能になるのです。
その際、スクリーニングの基準として「学歴」「経験」「偏差値」「資格」など様々なものがあります。
しかし、人事担当として一番大切なことは、適度なスクリーニング基準を決めること。
なぜなら、あまりスクリーニングを厳しくすると、本当は理想的な人材であるのに形式張った基準で落としてしまうことになるからです。
よくスクリーニングと混同されてマッチングという言葉が使われるので、マッチングについても説明しておきます。
マッチングとの違い
マッチングとは、自社に適任な人材を母集団の中から探し出すことを言います。
マッチングには志望者が自社に適任であると判断するために多くの情報が必要になり、面接選考の数も多くなるため、人事担当者の負担が大きくなりがちですね。
スクリーニングとマッチングの決定的な違いは、それが「選考対象外の人物を探すものか否か」という点に集結されます。
スクリーニングは、選考対象外の人物を探すものなので、ある程度の基準を決めて、選考対象の中から除外してしまえばいいだけです。
一方、マッチングはそうではなく、自社に適任な人材かどうかを直接話して見極めることが必要になるため、手間がかかるのです。
時系列的に言うと、スクリーニングを行ってある程度母集団を絞った後に、マッチングを行い、本当に自社に適している人材を採用するという流れが一般的ですね。
スクリーニングのメリット
ここまでの解説で、スクリーニングを行うことで効率的な選考活動が可能になるということがわかりました。
次に、スクリーニングを行うことによる具体的なメリットをみていきましょう。
スクリーニングを行うことによるメリットは次の3つです。
・企業にとってのコスト削減になる
・面接選考で質問を考えやすくなる
・1人1人の選考に時間をかけられるようになる
1つずつ解説していきます。
①企業にとってのコスト削減になる
もし仮にスクリーニングを行わなかった場合、面接官は全ての応募者と面接をしなければならないので、その分面接に割く人件費や時間は莫大なものとなります。
一方、スクリーニングを行った場合、一定の基準で応募者を絞り込み、ふるいにかけることが出来るため、自社の方針に合った人材の採用成功の確率が高まります。
このように、スクリーニングを行うことで、「人件費」や「時間」といったコストを削減出来ます。
②面接選考で質問を考えやすくなる
スクリーニングの段階で、エントリーシート・履歴書などを読んでいる場合、その後の面接選考で質問を考えやすくなりますね。
もし仮に、スクリーニングを行わない場合、その応募者に対する事前情報がゼロの状態から始めなければいけないため、非常に非効率な面接選考となってしまいます。
応募者の事前情報を得た上で、面接選考で見るべきポイントを面接官が頭の中に把握しておくことで、自社の採用成功の確率を高められます。
③1人1人の選考に時間をかけられるようになる
スクリーニングを行うことで、母集団の中から選考対象外の人物を落とすことができますね。
面接官の時間は限られているため、母集団の数は少なくなれば少なくなるほど、1人1人の選考に時間をかけ、丁寧に行えます。
面接選考の場は、応募者と企業とのマッチングを見る時間なので、そこに力を入れることで、その後の会社の風通しの改善や、離職率の低下に結び付けられます。
効果的なスクリーニングをすることで、自社にマッチしない応募者との面接選考の時間を減らすことが出来ますね。
採用とスクリーニングの違い
スクリーニングを行うことで多くのメリットがあることがわかりました。
これまで、スクリーニングについて説明をしてきましたが、採用とスクリーニングの違いについて説明は出来ますか?
次は、採用とスクリーニングの違いについてみていきましょう。
①採用
採用とは、「自社にマッチングする・適任な人材を見つけること」です。
ここで大切な考え方として、採用活動は「加点評価」だと思ってください。
「笑顔がキラキラしている」「ハキハキ話している」「自分に自信がある」などの、その人自身のポジティブな所を1つ1つ評価していき、内面や身だしなみなどを総合的に考えて選考結果を出します。
②スクリーニング
一方、スクリーニングは、「選考対象外となる人物を見つけてはじき出すこと」が目的です。
学歴が足りない人、経験が足りない人、偏差値が低い人、文章能力が低い人、などある何か一定の基準を設けた上で、その基準に達さない人を機械的に切っていく作業がスクリーニングです。
そのため、スクリーニングは「減点評価」であると言えます。
それなりの大学を出て、それなりに経験を積んでいて、文章能力・地頭がある程度ある人ならば、スクリーニングで引っかかることはないですし、企業もスクリーニングの段階では落としません。
このように、スクリーニングと採用の違いを理解しておくと、採用活動も効率的に行えますね。
スクリーニングの方法
これまででは、スクリーニングの意味やメリット、マッチングや採用活動とのスクリーニングの違いについて詳しく説明してきましたが、次はスクリーニングの種類・方法について説明していきます。
主なスクリーニングの方法は次の3つです。
・エントリーシート(履歴書)
・WEBテスト(SPI試験)
・面接動画
では、みていきましょう!
①エントリーシート(履歴書)
エントリーシート(履歴書)はその人の以前の仕事などの経歴や、今までの経験、自己PRなどをまとめたものです。
スクリーニングする基準としては「仕事の経験」「学歴」「前職の会社」「文章能力」などを総合的に考えます。
ただ、スクリーニングの段階でエントリーシートをしっかり読み込むことで、その後の面接選考に映った時に、自社とのマッチングを確かめるための質問がしやすくなります。
エントリーシートは応募者にとっても企業に対しての第一印象を決めるものだと意識をして書いてきているため、ある程度見栄を張って良いことばかりを書いている可能性もあります。
その点を考えると、あえて失敗談や自分のマイナス部分もしっかり自己開示が出来る人材を高評価する採用担当者も多いのではないでしょうか。
②WEBテスト(SPI試験)
次に、WEBテストですね。
SPI試験と呼ばれるもので、問題の難易度は高校レベルの数学・算数と国語、英語や構造把握、性格診断があります。
スクリーニングする基準としては、もちろんテストの点数もそうですが、職種によって重視する科目も変わってきます。
例えば、IT系など、数字と触れ合ったり計算をする機会が多い場合は、SPIレベルの非言語問題は解けていないといけないため、非言語の点数を見る企業もあります。
また、試験の点数ではなくて、性格診断でスクリーニングも行われます。
会社の社風やマッチングを大切にしている企業であれば、SPIの性格診断である程度その人の性格がわかるため、その時点で自社の社風に合っていないなと判断された場合は、足切りになってしまいます。
このエントリーシートとSPIの2つでスクリーニングをかける企業がほとんどですね。
③面接動画
面接動画とは、エントリーシートの動画版ですね。
自分の過去の経験や自己紹介、自己PRなどをエントリーシートの文章ではなくて、動画で自分の身振りを交えた声で伝えるものです。
多くの場合は30-90秒ほどの身近な動画で応募者をスクリーニングしています。
その基準として一番大きいものは、第一印象ですね。
それこそ笑顔が輝いている、声がはっきりと聞こえやすい、などの項目です。
会社員になって初めは営業職になる方も多いですが、営業職においても第一印象は非常に大切になります。
逆に言えば、面接動画や面接自体こそ、応募企業に対する営業活動のようなものと捉えることもできるでしょう。
以上3点を用いて、応募者のスクリーニングを行なっている企業が多いですね。
デジタル時代の「採用とスクリーニング」を考える
スクリーニングの方法、種類について説明をしました。
エントリーシートやSPI、動画選考などを行うことで、実際にあって面接をする価値のある応募者にふるいをかけるのですね。
それでは最後に、デジタル時代の採用のスクリーニングについて考えていきましょう。
デジタル時代の採用のスクリーニングには、2つのポイントあります。
・スクリーニングの主観の排除
・採用活動の圧倒的コスト削減
では、みていきましょう!
①スクリーニングの主観の排除
人事がエントリーシートや履歴書などを見てスクリーニングを行うと、どうしても主観が入り込んでしまいます。
例えば、履歴書の顔を見て「この人は仕事が出来そうだ」とか、エントリーシートの文章を読み共感するエピソードなので話を聞いて見たいと思ってしまう、などです。
しかし、このスクリーニング自体をAIに行わせてしまえば、主観を排除して客観的なスクリーニングを行えます。
ここで1つ懸念点になるのが、基準の設定です。
AIに行わせる以上、基準が必要になりますが、その基準の検討をきちんと行い、設定をしないと全く的外れのスクリーニングを行ってしまう可能性が出てきてしまうからです。
実際にソフトバンクでは、AIによるスクリーニングに挑戦していて、エントリーシートを読み込むことで、文章的におかしいところがあるものはその時点で弾かれてしまいます。
AIによるスクリーニングで効率化を行えるのはもちろんですが、人の目が入らないことで果たして採用の成功は出来るのでしょうか。
②採用活動の圧倒的コスト削減
AIによる採用活動のコスト削減は、スクリーニングや面接選考でさえも、AIによる判別にすることで、そもそも面接官が応募者に質問を投げかける必要さえなくなってしまいました。
ある会社の事例では、採用活動は基本的に面接官と応募者の雑談で始まる雑談に終わりますが、その中での発言を分析して、その人のこの会社での活躍可能性を数値化して、面接の合否を出すというものがありました。
グループディスカッションも、AIにディスカッションを分析させて、自社での活躍可能性が高いとAIが判断した応募者のみを合格にするなどです。
わざわざ人件費を割いて面接をする必要もなくなり、WEBを通しての面談でもその人の活躍可能性をAIが割り出してしまうため、企業にとっては大幅なコスト削減になるでしょう。
適切なスクリーニングが採用の成功率を上げる
デジタル時代のスクリーニング、広義で捉えれば採用活動ですが、AIやデジタルに成り代わってしまえば、主観が排除されて、平等公平で客観的な採用活動が行えるようになるのかもしれませんね。
一方、やはり人の目を通して、目の前の人間の本質を見極めるという人事としての仕事が無くなってしまうと考えると、寂しい思いもあります。
スクリーニングという行為は、目の前の人間の本質を見極める行為である面接選考をスムーズに行うために必要なものでした。
適切にスクリーニングを行うことで、面接に時間をかけることができるので、採用活動の成功の可能性が高まります。
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株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温
マーケティングリサーチのプラットフォームの企業で、 最年少で事業部を立ち上げ、広告予算ほぼゼロで、国内トップの実績を達成。
中小・スタートアップ企業のマーケティングに関する構造的課題を痛感し、それを解決するため、株式会社まーけっちを創業。大手企業・国家機関・スタートアップなど100社以上の戦略支援を行い、コミットと売り上げ貢献成果に定評がある。上智大学外国語学部卒。