【スタートアップ・新規事業】これを聞いたらやばい!?失敗の兆候発言ワースト10

新規事業の失敗

新規事業開発の失敗兆候発言⑦撤退するなら出来ることを全部やり切ったと言ってから撤退したい。

Aさんの会社では新規サービスはたくさん立ち上がりますが、全てがもちろん成功するわけではありません。

上手くいっていない事業について役員と次のような会話をしたのだそうです。

役員:「この事業なんとかできないだろうか?」

Aさん:「もう一年やっても成果がないとのことですが、どうして撤退しないのですか?」

役員:「今までのみんなの努力を無駄にしたくないんだよ。あと、撤退するなら出来ることを全部やりきったと言ってから撤退したい。」


【新規事業開発の失敗ポイント 解説】

新規事業を続ける目的が、顧客の問題を解決することではなく、自社チームに迷惑かけないことに、いつのまにかなってしまっています。

ここで問題なのは、自分達の視点から新規事業を考えていることです。顧客の話が一切ありません。やり切ろうがどうしようが、顧客には一切関係ありません。

また、撤退をする判断のためのKPIを事前に合意してから新規事業に着手するべきです。ある期間内でどれくらいのユーザーを獲得できたか、あるいは売上を達成できたか、などがKPIになります。

さらに、「出来ることは全部」とは具体的なアクションになっているでしょうか?

今まで時間とお金を投資してきたので、サンクコストバイアス(※今までの自分の行動が間違っていたと認める痛みに向き合えない心理を指す。)があるのは、人間なので仕方ありません。認知バイアスは怖いですから知っておいて損ではありません。

参考記事:

認知バイアス一覧で社会心理学入門〜社会科学の知の蓄積を活用した社会教育の実現に向けて〜効果、錯誤、誤り、仮説一覧〜

しかし、新規事業が誰も喜ばないプロジェクトになってしまっていたら、一旦見直す必要がありますよね。

新規事業開発の失敗兆候発言⑧「この商品って、きっとあのマーケットなら売れると思うんだよね。」

 

Aさんの会社では経営層がまず売りたい商品を決定し、その後それをどう売るか戦略を考えるパターンが多いのだそうです。

役員:「この商品ってやったら絶対売れると思うんだよね。多分さ、この商品って、外国人にはもっと刺さると思うんだよね。外国人旅行者も増えているしさ、オリンピックもあるし。ちょっとさ、調べてくれないか」

Aさん:「・・・(英語できないのに、外国人にどうやってリーチしたらいいんだろう。)」

【新規事業開の失敗ポイント 解説】

商品を起点に新規事業開発を始めてしまうと、「どう売ろう」という発想になってしまいます。

それでも成功することもあると思いますが、そもそも売れない商品を売るというのは大変な作業です。

きっと売れると思っても、そのターゲットにアプローチするのに莫大なコストがかかる場合もあります。

新規事業は「プロダクトアウト」ではなく「マーケットイン」で進めるほうが勝算が高いと思いませんか。「不便、不都合」など不のつく日本語を起点として、じゃらん、とらばーゆなどの雑誌を創刊されたリクルートのくらたまなぶという方もいらっしゃいます。

 

参考記事:
くらたまなぶ(Manabu Kurata)氏: 「他人の夢」を実現することに 生きがいを感じている | クリエイターズステーション


新規事業開発の失敗兆候発言⑨
「この前提は絶対だ。」

 

Aさんの会社では経営層が決定して新規事業が始まる場合、全ての前提が共有されないままプロジェクトが進んでいくのだそうです。

Aさんは、上手くいっていない新規事業について、「そもそもどうしてこの事業をやっているのか」という趣旨のことを発言し、役員を怒らせてしまったそうです。

Aさん:「そもそもこの事業を通じて、誰の何を解決したいんでしたっけ?売れてないんなら、そこを見直さなくていいんですか?」

役員:「(イラっとして)ゼロベースでなんでも考える必要なんてないんだよ。このターゲットに売るということは絶対だ。それは間違ってない。そこの前提について考える事は時間の無駄だ。どうしたらもっと売れるのかそれを一緒に考えてほしいんだよ。」

【新規事業開発の失敗ポイント 解説】

新規事業の前提に、根拠となるデータがあるのか確認しましょう。

絶対だと思っていることが実は違った、というのが新規事業開発の難しさではないでしょうか。

時間もお金も限られている新規事業では、常に考えを検証し、迅速に軌道修正をしていく必要があります。

自分の考えはきっと間違っているということを前提に、どうやったら上手に自分の考えを修正できるか、という柔軟な発想が大切ではないでしょうか。

 

新規事業開発の失敗兆候発言⑩「失敗してもいい。とりあえず作ってみよう。」

 

Aさんの会社では、新規事業のアイデアを募集するためにチラシを配っているそうです。

そのチラシのキャッチコピーは「失敗してもいい。とりあえず作ってみよう。」だそうです。

Aさんはこう思ったのだそうです。

「え、じゃあ失敗するのが前提じゃん。失敗しても本当にいいの?失敗から何も学んでいないんじゃないの・・・?そんなことしていて会社は本当に大丈夫なの?」


【新規事業開発の失敗ポイント 解説】

技術的な新しい発見を得ることが目的なら、とりあえず作ってという行動は必要だと思います。

このキャッチコピーも悪意はなく、アイデアはあるけど次の一歩を踏み出せない方を支援しますよ、という意図だと思います。

しかし、新規事業開発では、とりあえず商品を作ってでは売れません。

商品や技術だけを見て顧客の研究がおざなりになっていることが多いです。本当に顧客に潜在・顕在ニーズあるかは見落とさないようすることが大切です!

新規事業開発の失敗兆候発言 まとめ

いかがでしたでしょうか。
皆さんの新規事業開発の現場では、どのような会話が聞こえるでしょうか。こんなやばい発言もあるよ!という方がいらっしゃったらぜひ教えて下さい!

◆無料で戦略×人材の最適化 リサーチを行い機会損失を減らすには?

私達、株式会社まーけっちは、「ビジネスをもっと面白く」事業の成功に根差した、リサーチ・マーケティング支援を追及しています。
費用や人材のコストがネックで、適切な戦略をひくための情報整理が出来ていないケースが非常に多く、機会損失を引き起こしています。

無償や自社でできる簡単なことから始める、プロモーションと併せてリサーチをおこなうなど、出来る範囲で、コストをかけずに適切なリサーチ・マーケティングを行うことは可能です。手法や戦略にご興味があるという方はお気軽にご相談下さい。

リサーチ・マーケティング・ライティング・開発/デザインを手伝ってくれる仲間を随時募集しています。興味があるという方はお気軽にメッセージ・お問い合わせください。
お問い合わせはこちらから。

◆著者プロフィール

山中思温株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温

マーケティングリサーチのシステムとデータの提案営業を経験後、 最年少で事業部を立ち上げ、
アンケートアプリの、若年層国内ナンバーワンを達成。
リサーチの重要性と併せて、コストや施策への活用の課題を痛感し、中小・スタートアップでも
リサーチやマーケティング施策の最適化をより手軽に利用できるようにする為、
リサーチ×マーケティング支援事業の”株式会社まーけっち”を創業。

マーケ屋必見!!最強リサーチテンプレート&ノウハウを無料プレゼント!