テクノロジー
最適なデジタルマーケティング施策とは?優先すべき手法の選び方を解説
2020.08.30
新型コロナウイルスによってリアル店舗での販売、対面営業がしづらい世の中になりました。
この出来事をきっかけに、デジタルマーケティングに着手しようと考える企業様が増えていますが、自社にとって適切なデジタルマーケティング施策は何か?を理解できずにいる企業様も多くいらっしゃる印象があります。
この記事では、デジタルマーケティングの全体像の解説と、自社にとって適切なデジタルマーケティング施策とは何か?を考えるヒントを解説します。
デジタルマーケティングとはデジタルチャネルを通じたマーケティング
デジタルマーケティングという言葉が、Webマーケティング、オンラインマーケティングなどの言葉と混同される方も多いので、この記事でのデジタルマーケティングの定義をしたいと思います。
デジタルマーケティングとは、消費者データを取得できるデジタルチャネルを活用したマーケティングです。
デジタルチャネルとは厳密にはテレビやラジオ、電子広告も含まれるのですが、2020年時点ではこれらのデバイスは顧客情報を取得できていません。
デジタルデバイスを活用し一斉配信しているだけです。
デジタルマーケティングという言葉が使われる文脈では、デジタルデバイスと顧客データがセットになって使われるので、これらのデバイスは本記事ではオフラインマーケティングに該当させます。
ただし、今後テレビやラジオが視聴者情報を取得し、視聴者に合わせたコンテンツ・広告を配信できるようになればデジタルマーケティングの概念に組み込まれるでしょう。
最も長く消費者と接触するメディアがデジタルに変わった
改めて解説するまでもないですが、デジタルマーケティングが注目される理由は消費者が最も長く接触する媒体がテレビやラジオ・本からスマートフォン(デジタルデバイス)に変わったためです。
日頃の行動を振り返るとわかると思いますが、テレビを見たり新聞を読む時間より、スマートフォンでネットサーフィンをしたり、動画を見る時間の方が長くなっていませんか?
消費者が1日の中で目にするメディアがデジタルメディアに変わったことが、多くの企業がデジタルマーケティングに力を入れるきっかけとなっています。
2018年時点の総務省の調査データでは、10代20代の人はテレビよりインターネットの利用時間が長くなっています。
30代以上の人はテレビの視聴時間の方がインターネットより長いですが、徐々にインターネット利用の時間が長くなり逆転することが予想されます。
テレビCMを流せる一部の大手企業を除き、インターネットは多くの企業にとって最も有効な顧客へリーチできるチャネルとなっているのです。
デジタルマーケティングの全体像
では、デジタルマーケティングにはどのようなものがあるのか全体像を見ていきましょう。
デジタルマーケティングの概念を図式化すると上図のようになります。
- 私たちが触れているデジタルデバイスがあり
- デバイスを通じて利用するプラットフォーム(サービス)があり
- そこにさまざまな企業や個人がオンライン上に公開しているコンテンツがあり
- それらを通じて顧客のデータが各デバイス、プラットフォーム、サービスに蓄積されています。
デジタルマーケティングは顧客データを参考にしながら、適切なコンテンツを用意して、顧客と接触するための最適なプラットフォームと接触手段を選択する活動と言えます。
デジタルマーケティング施策一覧
デジタルマーケティング施策は広告、オーガニック(非広告)の2つに大別されます。
デジタル広告施策一覧
デジタル広告の種類を図解するとこのようになります。
顧客側から見た広告の種類には
リスティング広告 |
Googleなどの検索エンジンで表示される広告 |
SNS広告 |
Twitter、Facebookなどの画面に出てくる広告 |
動画広告 |
Youtubeの動画再生前に流れる広告 |
ディスプレイ広告 |
Webサイトの広告枠に表示される広告 |
インフィード広告 |
Webサイトのコンテンツとコンテンツの間に表示される広告 |
アフィリエイト広告 |
記事の中で紹介される広告 |
があります。
広告主側から見た広告の種類には
- リスティング広告
- SNS広告
- 動画広告
- DSP
があり、さらに広告の精度を上げるために
- DMP
- リターゲティング
という手段があります。
どの広告配信方法が有効かは一様に決めることはできません。
自社の商品を購入する見込みがあり、購入意欲が高まったタイミングの顧客がどのメディアに存在するかによっても打ち手が変わってくるからです。
検索結果に表示されるリスティング広告は、顧客が悩みや課題を感じたときに検索するキーワードで広告を出すことができます。
肌荒れに悩んでいて解決策を調べている時に、肌荒れクリームの広告が出ていたら広告を見てしまうかもしれません。
一方、Facebookを利用している時に、転職して年収を上げませんか?という広告が目に入ったら、年収を上げたいと思っているサラリーマンは広告を見てしまうかもしれません。
オーガニック(非広告)施策
今度はオーガニック(非広告)の施策を見てみます。
オーガニック施策とはお金をかけずに顧客に自分たちのサイトに来てもらいますうことです。
オーガニック(非広告)でアクセスしてもらうためには、消費者にとって価値のあるコンテンツが必要です。今読んでいただいてるこの記事もコンテンツです。
コンテンツを用意し、アクセスを集め商品を販売する手法をコンテンツマーケティングと呼びます。
有益な情報(コンテンツ)を発信する場は、自社が保有する
Webサイト |
商品サイトや自社がメディアを運営する(オウンドメディア) |
SNS |
会社公式、または、社員のTwitterアカウントなど |
Youtube |
Youtubeチャンネル |
などになります。
どこで情報発信すべきかは、これも同じく顧客の情報収集の仕方を知る必要があります。
トレンドが重視されるファッションや写真が重要な旅行関係などの商品は、消費者は検索ではなくSNSで情報を集めているかもしれません。
一方、人に話しづらいコンプレックス商材や金額が大きいため比較検討に時間を要する商材の場合はGoogleやYahooでの検索が最も相性の良いチャネルでしょう。
広告とオーガニック(非広告)どちらを実施すべきか?
リソースが無限にあるなら、広告もオーガニックもどちらも実施すべきです。
とはいえ、実際には予算も時間も避ける人手にも限りがあるので、最も効果が出る見込みの高い施策を選ばなければなりません。
広告とオーガニック(非広告)の優先順位を考える際のポイントは時間軸です。
オーガニック施策は顧客から反響を得るまでに時間がかかります。
Google検索からのアクセスを求めるなら最低6カ月は成果が出るまで時間がかかると想定しておくべきです。
一つ著者が実際に関わったクライアントの事例をご紹介します。
企業向けの商品を取り扱うクライアント様がコンテンツマーケティングを実施しました。
その企業が取り扱う商品は市場は数千億円と大きいのですが、購入する企業数が少ないニッチ商材でした。
商材名のキーワードも月1600回ほどの検索回数ほどで、ものすごく検索回数の多いキーワードではありません。
若手社員2名が記事の書き方を教わりながら月に1記事ずつ作成していました。
プロジェクト開始から半年後、それまでデジタルマーケティングをしていなかった時の10倍の問い合わせが来るようになりました。
コンテンツマーケティング以外に新しく始めた施策はないので、この問い合わせ数が増えたのは間違いなく、若手社員が作ってきたコンテンツによるものでした。
このように、非広告の施策はすぐに成果が出るわけではありません。
ただし、6カ月目以降は広告コストをかけなくても安定してアクセス・問い合わせが集まるので、半年間我慢できるなら長期的なROIが高くなる施策です。
半年も効果が出るまで待てない場合は、広告施策を実施するしかありません。
この優先順位の判断軸は経営者、マーケティング責任者の価値観、目標達成までの期日で決めていくしかありません。
デジタルマーケティングを成功させるために必要な3つの要素
ここまでデジタルマーケティング施策の全体像を解説しました。
ここからは、自社がデジタルマーケティングを成功させるために必要な3つの要素を紹介します。
ターゲット顧客の理解を深める
デジタルマーケティングに限った話ではありませんが、ターゲット顧客の理解が最も重要な要素です。
具体的には、
- ターゲット顧客は誰なのか?
- 彼らはどういうきっかけ、理由で自社の商品を必要とするのか?
- 彼らはどのようなプラットフォーム、メディアを見ているのか?
この3つの項目の理解を深めます。これは、カスタマージャーニーの作成と同義です。
特に、デジタルマーケティングは広告配信・情報配信するチャネル選定を間違えると、期待するターゲット顧客との接触数が期待通りに伸びなくなります。
もし、ターゲット顧客が普段インターネットを使わないのであれば、デジタルマーケティングという手法自体が悪手になる可能性もあります。
ターゲット顧客が普段どのようなプラットフォーム、メディアを使用しているかを調査することがマーケティングの成果に大きく影響するので、入念に顧客の情報接触を抑えるようにしましょう。
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顧客へリーチする手法を知る
顧客理解が進んだら、顧客と接触する手段について知る必要があります。
例えば、車買取のビジネスをしていたとしましょう。
車を売って新しい車を買いたいと思っている人にどのように接触できるでしょうか?
例えばこのような手段が考えられます。
- 車専門メディアに広告を配信する
- 車関係の記事を読んだ人にターゲティングしてFacebook広告を配信する
- 「車 買取」に関する記事を読んでもらう
- 「車 買取」と検索する人広告を出す
- 自社のサイトに訪れたことのある人に、リターゲティング広告を配信する
この手段をどれだけ多く知っているかで、競合サービスがまだリーチできていない見込み客へリーチできます。
■デジタルマーケティング手法の一例
YDN |
媒体面が強い。インプレッションが多い広告面が多く、広く露出しても顧客の反応が取れる商材に向いている。 |
GDN |
機械学習の精度が高く、ターゲティング広告に向いている。性別、年齢、興味、地域など属性を絞り込み広告配信することが可能。 |
Facebook広告 |
最も機械学習の精度が高い。広告配信する属性を初期設定した後は、機械学習で最適なFacebookユーザーへ広告をターゲティングしてくれる。 |
リターゲティング広告 |
「自社サイトに訪れたことのある人」 =商品に興味がある人に限定して広告配信することが可能。 |
リスティング広告×リターゲティング |
自社サイトに訪れたことのある人とそうでない人に分けて、広告文を変更したり、広告表示するキーワードのバラエティを変えることができる。商材への興味度で訴求の強さを調整することが可能。 |
Eight Ads |
会社業種、役職などでターゲティングし広告配信が可能。BtoB商材の場合、かなり細かなターゲティングをしてリーチすることが可能。 |
顧客へリーチする手法は、ものすごく多くの手法が存在します。
また、現場で必要とされる手法やアイデアは業界やサービス、顧客やチャネルの変化によって変わるため、実績がある人に聞く・情報収集を怠らないことが必要になります。
自社にデジタルマーケティングに詳しい人がいないのであれば、初めは代理店に相談したり、デジタルマーケティングに詳しい人を業務委託でアドバイスしてもらうのが良いかもしれません。
プラットフォームのアルゴリズムを理解する
最後の要素は各プラットフォームのアルゴリズムを理解することです。
例えば、Googleで何かキーワードを検索した後に出てくるサイトは、Googleが独自で作り上げているルールにのっとり、世界中のWebサイトの中であなたに最も適切だと判断された記事が順番に並びます。
このルールのことをアルゴリズムと呼びます。
Googleに限らず、Youtube、Twitterでもそれぞれアルゴリズムがあり、そのアルゴリズムによってコンテンツが消費者の目に触れるかどうかが決まります。
アルゴリズムの理解は消費者目線の考えではなく、機械に目を向けた考え方なのでマーケティングの本質ではありません。
ただし、私たちはWebサイトのプラットフォームを利用して消費者と繋がらなければならないので、配信プラットフォームのアルゴリズムを理解する必要があります。
デジタルチャネルが主戦場でも顧客理解が最も大切
ここまでデジタルマーケティングの概要と施策の一覧、施策の優先順位をつける際の考え方を解説しました。
テクノロジーの発達のおかげで、自社商品と相性のいい顧客へターゲティングしたアプローチが可能になる一方、知らなくてはならないことも多いのがデジタルマーケティングです。
細かな手法については、デジタルマーケティングに詳しい人材に協力してもらうことでクリアできます。
しかし、最も重要な顧客理解はデジタルマーケティングの手法を知ることよりも重要です。
- どんなコンテンツが必要になるのか
- どのように広告で訴求するのか
- どのメディア・プラットフォームで広告・コンテンツ配信すべきなのか
などマーケティング施策の根幹を担うからです。
もしあなたが商品を購入してくれる顧客の理解が不十分だと感じるなら、私たちがそのお手伝いをいたします。
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戦略の意思決定を誤らないために、最低限重要なことだけを明確にできれば、
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◆代表プロフィール
株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温
マーケティングリサーチのシステムとデータの提案営業を経験後、 最年少で事業部を立ち上げ、若年層国内ナンバーワンのユーザー数を達成。
リサーチの重要性と併せて、コストや施策への活用の課題を痛感し、中小・スタートアップでもリサーチやマーケティング施策の最適化をより手軽に利用できるようにする為、リサーチ×マーケティング支援事業の”株式会社まーけっち”を創業。