敏腕CFOが明かす!予算を獲得し結果を出せるマーケターの資質とは?

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「大きく事業を育てたい」、「素晴らしい商品を創って広めたい・・・!」
そのような場合は、どうしても資金や人材のリソースが必要になります。
事業推進やマーケティングと「財務」は切っても切り離せませんが、
不思議なことに、専門のバッググラウンドがない多くのマーケターには、普段担当のKPIは追っていても、やや上流の財務的な視点は見落とされ、おざなりになりがちなのではないでしょうか。

中長期的にサービスを伸ばし大きく拡大させていくには、正直なところ、マーケティング・プロモーション・UI/UX改善や広告運用などの目先のテクニックだけを追っていくのでは足りません。
サービスが飽和し、益々戦略が重要となるこれからの時代、財務周りの視点・資質が不可欠なのです。

複数のベンチャー企業のCFOを担い、ライター等でもご活躍されている敏腕CFOの森永 康平様に、
大きく成功する事業家・マーケターに共通する、欠かせない要素・考え方について教えていただきました!

CFOってなに?

はじめまして。日本に金融教育を普及させるためのベンチャー、株式会社マネネでCEOを務めている森永です。
私は現在、金融教育を普及させるために全国各地でセミナーをしたり、色々なメディアに寄稿したりしています。その一方で、複数社のベンチャー企業でCFOを兼務しています。

CFOとは何かご存知でしょうか?
CFOはChief Financial Officerの略で、日本語にすると最高財務責任者という意味になります。主に企業の資金調達の責任者として働いているのですが、私の場合は創業後、数年の若いベンチャー企業が参画先になりますので、実際には社長と二人三脚で会社の方向性を決めたり、その方針を基に事業計画を作ったりしています。

本当に偶然なのですが、たまたま参画先の大半がアドテク企業や広告代理店事業を行う企業であり、その結果マーケターと喋る機会が多くあります。私自身はこの業界については全くの素人ですが、それ故に見えることもあるようです。

 

CFOは社長をはじめとする経営陣と二人三脚で会社を経営していくのですが、資質があるマーケターは経営陣との会議にも積極的に呼ばれたり、会議には直接でないとしても、その準備段階での会議では色々と意見を求められたりします。逆に言えば、資質がない場合は、ただ現場での仕事を期待するだけで、経営レベルでの議論に参加してもらうことはありません。

これから、より具体的な話を共有していきたいと思います。

いかに、ものごとの「因数分解」が出来るか

資金調達をする際に、銀行から融資を受けるにしても、VC(ベンチャーキャピタル)などの投資家から出資をしてもらうにしても、今後の事業計画を作成する必要があります。事業計画とは、簡単に言えば今年はこれぐらいの売上になりそうで、コストはこれぐらいかかりそうなので、利益はこれぐらいになりますという予測表です。

 

その際、当然ですが適当に数字を予想しても、全く相手にされません。事業計画は将来の話の為、正直なところ、どこまで正確に予測できるかは未知な部分もありますが、その事業計画がいかに緻密に計算されて作られているかどうかが評価の対象になります。

 

私はこの業界については実務における知識がないため、事業計画を作る際にはマーケターの方に話を聞きます。その際に、「売上はこれくらいになります」とだけ言う人には、構成要素や要因いついて、因数分解をするようにお願いをします。

 

「売上」とひとことでいっても・・
要素や条件を分解できないと説得力が足りない

 

どういうことかを説明すると、「売上」といっても、その数字を構成する要素があるはずなので、ブレイクダウンしていくのです。まず、「売上」はあくまで全ての案件を足し合わせた数字なので、案件ごとに「売上」を分解していきます。そして、その「売上」もそれぞれ「単価」と「数量」に分解していきます。また、案件ごとに「契約期間」もあるでしょう。1年なのか半年なのか、などです。

 

そして、将来の事を予想しなくてはいけないため、それぞれの案件の獲得確率も置いていきます。この案件は社長と握っているので80%以上、その会社に興味は持つけど発注までは至らない傾向があるから20%などです。

 

このように、「売上」という大きな数字を、極力細かく要素に分解していくことによって、予測の精度を上げることが可能になります。このように物事を因数分解して考えられるマーケターは、本業においても説得力のある施策の提案や魅力的な営業が出来るようになるかと思います。

これからは、実務だけではなく、財務視点も重要!幅広い視野を持つべし

資金調達を投資家からの出資で行う場合、その会社に属するマーケターは実務家としての視点だけでなく、財務分野に属する社員としての視点も持って欲しいと思っています。

 

CVCという言葉を知っていますか?CVCとはCorporate Venture Capitalの略です。もともとは投資を本業としない事業会社が社内で持つVCのことを指します。

 

アベノミクスという言葉を聞いたことがあると思います。2012年の終わり頃から第2次安倍内閣がデフレ経済を脱却するために大胆な金融緩和措置を講ずると発表したことで、日経平均が右肩上がりに上昇したのですが、金融緩和によってリスクマネーが市場に溢れ、そのリスクマネーの流れ先は株式市場だけではなく、未公開企業にも向きました。

 

リスクマネーの増加に伴い、次々とCVCが設立されました。それにより、企業の資金調達はVCだけではなく、CVCからの出資も考えられるようになったのですが、上述の通り、CVCは投資が本業ではない企業が持つ投資機能である為、この本業とのシナジーや関係性を考慮する必要が出てきます。

広告代理店の選び方にも注意!財務視点がないと資金調達のチャンスを逃す可能性も

 

たとえば、大手の広告代理店A社、B社のいずれかと仕事をするという検討を実務側でしているとしましょう。A社はCVCを持っていないが、B社はCVCを持ち、積極的に投資を行っているとします。この時、経営陣がある程度事業シナジーもある企業からの出資を考えているとき、おそらくB社のCVCに出資を求めるでしょう。

 

しかし、この時、マーケター側があくまで実務家としての視点しか持っていない場合、あくあまで実務の立場からA社との関係構築を進めてしまうかもしれません。しかし、この時、経営陣との意思疎通が出来ていれば、資金調達のことも考えてB社との関係構築を進めるという判断が出来るかと思います。

 

このように、実務家としての専門性だけでなく、経営陣の目線や顧客側の事情など、幅広い視野を持つことによって、マーケターの中でも差別化を出来る可能性があるのです。

 

◆著者紹介

森永康平様森永 康平(もりなが こうへい)Kohei Morinaga

株式会社マネネCEO

証券会社や運用会社にてアナリスト、エコノミストとしてリサーチ業務に従事した後、複数金融機関にて外国株式事業やラップ運用事業を立ち上げる。業務範囲は海外に広がり、インドネシア、台湾、マレーシアなどアジア各国にて新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、各法人のCEOおよび取締役を歴任。現在は法律事務所の顧問や、複数のベンチャー企業のCFOも兼任している。日本証券アナリスト協会検定会員。株式会社マネネTwitter

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