採用・人材
ソーシャルリクルーティングとは?導入のメリットやデメリット、始め方、主な事例を紹介!
2021.02.07
昨今の採用活動の方法は多岐にわたり、各企業が様々な手法を用いて人材採用をおこなっています。
なかなか良い人材と巡り会えない悩みに加えて、新たな採用活動手法も増え、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、より直接的かつコストを抑えた採用活動として多くの企業が導入を検討している「ソーシャルリクルーティング」について解説していきます。
当記事では、
- ソーシャルリクルーティングに関して、自社に合う手法なのか決めかねている
- 採用活動はしていきたいが、コストはできるだけ抑えたい
- そもそもソーシャルリクルーティングって効果的なのか知りたい
という方々に向けて、「ソーシャルリクルーティング」に関するメリット・デメリットや始め方、参考事例を交えて解説していきます。
ソーシャルリクルーティングってどんな採用方法?
「ソーシャルリクルーティング」とは、FacebookやTwitterをはじめとするSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した採用手法です。
2010年にFacebookとリクルートの連携が発表されてから、徐々に活用方法にも広がりを見せています。
現在では、採用側にも求職側にとっても主要なリクルーティング方法に変化していると言えるでしょう。
それでは各企業はなぜ「ソーシャルリクルーティング」を取り入れ始めたのでしょうか。
SNSを活用した効率的な採用方法
日本において、SNSの利用人口は約8,000万人と言われており、若年層のみならず幅広い年代に利用されています。
特に採用市場でターゲットになりやすい20代~30代前半のSNS普及率はほぼ100%と言われ、何かしらのSNSアプリケーションを活用している状況にあります。
身近にあるツールであるからこそ、他の媒体に比べて採用活動にも繋げやすく、求職者との距離を近づけやすくなるというメリットがあります。
ダイレクト・リクルーティングのひとつ
従来の採用方法のひとつとして、「ダイレクト・リクルーティング」と呼ばれる手法があります。
これは、企業が直接求職者にアプローチする手法であり、就職サイトのオファーメールやスカウトメールやヘッドハンティングなどがおこなれています。
ソーシャルリクルーティングは、このダイレクト・リクルーティングのひとつとして活用されています。
今までのように求人サイトに募集要項をおいておけば、後は受け身で求職者を待つだけという採用活動では優秀な人材を確保できない時代になっています。
積極的に企業が優秀な人材を得ようと動かざるを得ないというのがわかりますよね。
企業が主体的・積極的にアクションする採用
元々、ソーシャルリクルーティングはIT企業から始まり、中小企業を中心に広がりを見せていました。
なぜなら求人サイトに求人票をおいていても大手企業に太刀打ちできず、なかなか優秀かつ即戦力な人材を見つけられずにいたためです。
コストを抑えながら、より効率的な効果を生み出すソーシャルリクルーティングに舵を切ったと言えます。
企業が求める人物像にマッチした求職者に直接アプローチできれば、企業側も求める能力を持った人に効率的に出会いやすいというメリットがあるでしょう。
またコミュニケーションを取りやすいため、入社後の定着率にも繋がっていきます。
昨今大手企業ですら、優秀な人材を確保しづらい状況にあるなかで、ソーシャルリクルーティングを含めた求職者に直接アプローチする採用方法は必須と言えます。
ソーシャルリクルーティング導入のメリット・デメリット
あらゆる企業が積極的に取り組んでいるソーシャルリクルーティングですが、その採用方法にはメリット・デメリットがあります。
メリット・デメリットを理解することで、なにが企業にとって最適な方法であるのかを考えるヒントになります。
それとも別の採用方法を模索すべきなのかが見えてきますので、ここで整理しておきましょう。
ソーシャルリクルーティングのメリット
ソーシャルリクルーティングには、以下のようなメリットがあります。
- 採用コストを抑えられる
- ミスマッチの数を減らせる
- 書類以外で採用者のポテンシャルを知ることができる
- 企業のイメージアップに繋がる
それでは順を追って解説していきます。
採用コストを抑えられる
ソーシャルリクルーティングをはじめとするダイレクト・リクルーティングの特徴のひとつとして、採用コストを抑えられるというメリットがあります。
一般的に、アプローチする人数が増えるほど、広告費を始めとしたコストは増大していくもの。
ターゲットが明確なのであれば、その条件に合った人に直接アプローチすることで無駄なコストを節約することが出来ます。
ミスマッチの数を減らせる
ソーシャルリクルーティングを活用することで、コミュニケーション不足によるミスマッチを減らすことが出来ます。
採用活動において、企業と求職者間におけるミスマッチを無くすことは重要な課題の1つです。
採用におけるミスマッチは、正しい情報を伝えきれていないことや誤った情報の受け取りによって発生します。
SNSを活用することで、面と向かって行うコミュニケーションよりも気軽に行いやすく、その後の関係性作りにも大きく寄与していきます。
書類以外で採用者のポテンシャルを知る
SNSを活用することで、履歴書や面接ではなかなか知り得ない求職者のポテンシャルを知ることが出来ます。
実際にたった1枚の書類と短い面接では、その人を理解することは難しいですよね。
SNSでは普段どのような活動をしているのかをはじめ、言葉使いやITリテラシーといった点も垣間見ることが出来ます。
実際に求職者も、そういった効果を見込んで活用している場合も多く、より企業にマッチした人材を獲得できる可能性が広がります。
企業のイメージアップに繋がる
SNSは幅広い方々が目を通すため、目的は採用活動であっても、結果として企業イメージに直結していく可能性があります。
SNSアカウントの運用を積極的に行っていれば、オープンに情報を開示している印象を与えて、企業に対する好感的なイメージを持ってもらいやすくなります。
求職者にとっても、募集要項や求人サイトだけを見ていても知り得ない情報を得られることから、双方向にとってメリットがあります。
また、企業にまだ興味を持っていないような潜在的な層に対してもアプローチをすることが出来ます。
ソーシャルリクルーティングのデメリット
一方で、ソーシャルリクルーティングのデメリットとして以下のポイントが挙げられます。
- 工数的なコストの増加
- 社内体制の整備
- 炎上などによる企業イメージへの影響
ここからはそれぞれについて解説していきます。
工数的なコストの増加
SNSによる効果を発揮させるには、初動よりも継続的な情報発信や運用が重要になります。
単発だけでは、どうしても求職者から見つけてもらいにくく、ユーザーからもあまり更新してないとみなされ、離れていってしまいます。
ソーシャルリクルーティングの効果を上げるためにも、定期的な更新やコミュニケーションを継続して取るための時間を確保しておく必要があります。
運用ルールなどの社内の体制を整える必要性
SNS運用にあたっては、どのようなコンセプトで活用していくか。どのような体制で運用していくかが非常に重要。
運用していく担当者を決めたり、どのような投稿をしていくか。また問題が発生したときの体制など採用活動への結果に大きく左右していきます。
どの新規事業にも言えることですが、ソーシャルリクルーティングを導入することで社内的な負担が増え、そもそもの活動や採用に影響が出てしまっては本末転倒です。
企業の持つ資源を見極めながら進めていかなければ、効果的に活用することは難しくなっていきます。
炎上などによる企業イメージへの影響
もう一つ重要なのは、軽率な情報発信や配慮のない表現による投稿で炎上してしまう可能性があるという点。
コンテンツや求職者とのコミュニケーションにおいて、社内の検閲やチェック体制を整えたり、セミナー・講習などによってリテラシーを高め、注意喚起していくことも大切です。
また、問題が発生した時を想定したリスクマネジメントにも気を配って体制を作っていくとより効果的なSNS運用を行うことが出来ます。
ソーシャルリクルーティングを始めるにはどうすればよいのか?
ここからは、これからソーシャルリクルーティングを始めていく方に向けて、どのような手順を踏んでいけば良いのか説明していきます。
ターゲットに応じたSNSの選定
日本で知名度のあるSNSはいくつかありますが、それぞれに特徴があり属性や年代、SNSの使われ方も異なっています。
採用を目指すターゲットに応じたSNSを選択していくことで、より効率的な情報発信と採用活動に繋げていくことが出来ます。
種類 |
特徴 |
主な年代 | アクティブ ユーザー |
・友人・仕事関係の繋がりが多い。 ・実名登録でビジネス的な利用が多い。 ・非公開も含め企業ページが多く展開。 |
30~50代が多い 若年層少なめ |
約2600万人 | |
・情報拡散力が高い ・リアルタイムな情報発信に最適 ・投稿の質だけではなく量も重要な要素 |
平均35歳と言われるが、幅広い年代で利用 | 約4500万人 | |
LINE |
・メールに代わるコミュニケーションツールとしての利用が多い ・グループ機能やビジネスアカウントの利用が進んでいる |
全年代 | 約8200万人 |
・若年層の特に女性が多い ・世界観が重要視 ・ハッシュタグ検索も多いためうまく使わないと見られない |
中心は10~20代 | 約3300万人 |
上記の他に、採用特化型サービスとしてWantedlyをはじめとするリクルーティングに特化したサービスも増えています。
双方向が採用に重点をおいて登録していることから、スカウトの返信率も比較的高く推移しています。
主要SNSと連携しているものも多く、双方のメリットを利用できますが、サービス利用にあたって費用がかかる場合がほとんどです。
どのような人を採用したいのかというターゲットによってもSNS選びが変わっていきます。適切なアプローチができ、負担が増えすぎないように最適なSNSを選んでいきましょう。
SNSの運用ルールを決める
ソーシャルリクルーティングを進めていくにあたって、SNSの運用ルールを決めておくことで、より効率的に進めることが出来ます。
最低限決めておいた方が良いものは以下の3つ。
- SNS運用担当者
- 採用ターゲットとSNSテーマの選定
- 主な更新頻度
それぞれについて解説していきます。
①SNS運用担当者
SNSは手軽にコミュニケーションを取ることができますが、一方で炎上をしてしまう可能性があるなど企業イメージを左右するツールでもあります。
そのため、運用担当者の選定は非常に重要です。
個人情報の取扱やコミュニケーション能力のみならず、ITリテラシーやWebマーケティング、SNSの知識が豊富な人選がおすすめです。
②採用ターゲットとSNSテーマの選定
ソーシャルリクルーティングを実施する上で「採用のターゲット決め」と「SNSテーマの選定」は非常に重要。
ターゲットの人物像とテーマが噛み合ったものでないと、本来求める人材を採用することも難しくなります。
「SNSを通じてどのような結果を出していきたいか」によって運用方法自体を変えていく必要も出てくるため、初期の時点できちんと設計をしておくと良いでしょう。
ブランドイメージやSNS運用の目的に沿ったテーマを設定して、有益な情報を提供できるように方向性を決めてみてください。
③主な更新頻度
当たり前ですが、SNSアカウントは作成して終わりでなく、定期的な情報発信をしていくことが非常に重要になります。
放置されているアカウントは印象が薄れ、場合によっては良くないイメージを抱くユーザーもいます。
また、頻繁に投稿をしてしまうことで、投稿を知らせる通知をオフにされたりフォローを解除されてしまう可能性もあるため、極端に頻度が高いのもNG。
明確な基準がなく、SNS運用の目的などによって変動しますが、週に1日。多くても3日程度から始めていくのが適切なペースといえます。
反応を見ながら臨機応変に対応
最初に決めたテーマに一貫性を持って続けていくことも大事ですが、ときには臨機応変に対応して舵を切っていくことも大切です。
例えば反応の良い投稿内容を分析して、更新頻度を変動させたり、投稿内容や言葉遣いなどアレンジしていくのもひとつの手法です。
関心の高い情報についてはシリーズ化・企画化して定期的にメルマガのように届けるというのも読者の習慣化を狙えるので、優良な対応の一つです。
企業イメージや取り組んでいる事業、求めるターゲットによっても手法は様々で相性もありますので、チャレンジして試していけるような環境作りをしていきたいですね。
ソーシャルリクルーティングを活用した採用活動事例3選
ここからはソーシャルリクルーティングを活用して、採用活動に良い効果を発揮している事例を3つご紹介していきます。
Facebookを活用した事例:DMM.com Group
画像:DMM.com Group 採用・広報|Facebook
DMM.com GroupはFacebookを使ったソーシャルリクルーティングを積極的に取り入れています。
DMMの主な特徴は「コンテンツ投稿の多さ」と「各投稿の内容の濃さ」です。
「DMMのキャリア道」や「建前無しの事業部談話」などシリーズ化されているものや、社内研修・勉強会と行った企業の雰囲気を掴めるような投稿も豊富で、SNSをうまく活用している事例です。
Youtubeを活用した事例:ソニーミュージックグループ
Youtubeの活用例としては、採用CMや社内の雰囲気を投稿している企業がとても多いです。
そのうちのひとつであるソニーミュージックグループのコンテンツで話題になったのは、「バイきんぐ小峠のバーチャル面接官〜小峠vs就活生‼〜」という動画で、10万回以上再生されています。
趣向を凝らしたコンテンツも多く、話題になればその他のメディアにも露出するなど、高い訴求効果を持った有効な手段として捉えられています。
Instagramを活用した事例:クーロンヌジャポン
画像:クーロンヌジャポン 裏舞台(採用)|Instagram
クーロンヌジャポンの採用アカウントでは、「笑顔元気溢れる会社日本一」を目指す企業として、働く方々の裏側が伝わるような投稿が多いのが特徴です。
Instagramの場合には、ハッシュタグで検索して見られることが多いため、あまり認知度の高くない企業であったとしても、閲覧される頻度は高いツールです。
採用のターゲットとなりやすい若年層ユーザーも多く、必然的に魅力的な写真・画像を上げていく必要があるため、身近に感じてもらいながらも見栄えのよい採用アカウントに育っていく例が多いでしょう。
ソーシャルリクルーティングは採用のみならず企業イメージアップにも貢献する
ここまでソーシャルリクルーティングについて、メリット・デメリットや参考事例を交えながら解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
SNS自体が広く一般的なものとなっており、企業もSNSアカウントを持つのが当たり前のような時代になっています。
より多くの方に認知してもらい、良い印象を持ってもらうことができれば、採用面でのメリットのみならず企業イメージのアップにも大きく貢献していきます。
一方で、うまく活用できていない企業も少なくはありません。
自社の強みとして、どのように運用していけば上手に伝わるのかを考えると伝えたい相手であるターゲットをしっかり見極めて、SNS等の知識に明るい人材を活用しながら進めていきたいところです。
今回の記事を参考にしていただきながら、「ソーシャルリクルーティング」を使った採用活動で、さらなる企業の発展に繋げてみてはいかがでしょうか。
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株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温
マーケティングリサーチのプラットフォームの企業で、 最年少で事業部を立ち上げ、広告予算ほぼゼロで、国内トップの実績を達成。
中小・スタートアップ企業のマーケティングに関する構造的課題を痛感し、それを解決するため、株式会社まーけっちを創業。大手企業・国家機関・スタートアップなど100社以上の戦略支援を行い、コミットと売り上げ貢献成果に定評がある。上智大学外国語学部卒。