テクノロジー
【今更聞けない】広告効果の引き上げと効果測定 アンケート×広告の仕組みと活用方法
2020.01.26
最近、広告費を無駄にしないための、データの活用や顧客理解の重要性が話題になりますが、なかなかリソースを割くのは難しいですよね。
アンケートやモニターと掛け合わせたキャンペーン型広告や、
アドテクリサーチ、(広告配信や広告流通のための技術 ※アドテクノロジー を利用したアンケート調査)では、広告・プロモーションの費用でリサーチも賄えますが、業界の知る人ぞ知る、という施策で、あまり主要な方法ではありません。
本日はそんなプロモーションリサーチについて解説します。
「アンケート型プロモーション」「アドアンケート」「対話型プロモーション」「プロモーションリサーチ」
などと呼ばれ、アンケート形式で認知や利用を訴求でき、且つリサーチも併せて実施できます。
特に、対話型などよりアクティブ率を高める広告や、
Web広告やサイト改善への評価指標について、単純なアクセスログだけではなく、
意識への影響を含めた形での効果検証のニーズが高まっています。
(顧客やユーザーのへの訴求とリサーチは切っても切り離せません。
きちんと効果測定やその結果をもとにした施策の最適化を実施すると確実に効果が出るため、併せて出来るのはそりゃ魅力的ですよね。笑)
弊社でも軒並みお問い合わせが増えていますが、実際に仕組みや実施方法を理解している人は少ない印象です。
そこで、今回改めて、アンケート型プロモーション(プロモーションリサーチ)の代表的な活用方法や、手法をご紹介いたします。
【アンケート型プロモーションの活用方法】
①自社ユーザーへのアンケート
◆アンケート送付可能対象:自社の定着ユーザー
◆主な活用方法:課題把握アンケート・既存ユーザー活性化キャンペーン
まずは、自社の顧客やユーザーに対してのアンケートです。
WEBサービスやアプリであれば、アンケートの入り口を設置します。
プッシュ通知などで、手軽にアンケート依頼を送信することができます。
✻メールアドレスなど、連絡先を聴取している場合は、そういった情報から直接アプローチが出来ますが、
昨今は個人情報の取得や取扱が厳しくなっている為、規約や情報管理には徹底的に注が必要です。
既存のユーザーのみが対象となるので、内容としては、
課題把握アンケート・既存ユーザー活性化キャンペーンとなります。
リサーチ目的で活用する場合は、回答者がファン層/不満が高いユーザーに偏るため
注意が必要です。特に、回答のインセンティブを付与しないと回答率もより落ちるため、
リサーチしたいユーザー層にリーチし、意見をきちんと聴取できる工夫を考える必要があります。
下記のように、答えてほしいユーザーにとって魅力な的回答インセンティブを把握し、
付与することで、リサーチとしてもキャンペーンとしても効果を最大化することができます。
(どういったものが欲しいかは事前にリサーチし、付与額を少なめからスタートし、
効果を検証しながら付与額や内容を調整することをおすすめします。)
次は、アンケートサービスやポイントサービスに登録しているユーザー層向けのアンケートです。
自社ユーザー以外にも、アクセスログと意識調査を掛け合わせることができる、アドテクリサーチ手法です。
昨今、Web広告やサイト改善への評価指標について、単純なアクセスログだけではなく、
意識への影響を含めた形での効果検証のニーズが高まっています。
特に、広告費・コンテンツ力が高い動画広告などは費用対効果を図る為にも、
ログだけではない複合的な評価が必要になっています。
その為には、主に、②cookie Syncパネルアンケートと③インバナーサーベイという手法があります。
②外部モニター・パネルへのアンケート(cookie Sync)
◆アンケート送付可能対象:自社の定着ユーザー・離脱ユーザー・競合/潜在ユーザー
◆主な活用方法:広告効果測定・課題把握アンケート
主に、広告やプロモーションなどの効果測定に活用されます。
広告の配信会社やwebサイト制作会社との連携により、Cookie(WEBページのアクセス情報)をアンケートモニタと紐付ける手法です。
当社の100万人のモニターにも事前にクッキー取得の応諾をとっており、
許諾したモニタには、アクセス情報や検索行動情報を元にアンケートを配信したり、
アンケートで取得した意識(広告認知やブランド認知、購入意向など)を、広告クリエイティブ別、訪問、閲覧回数別に分析することも可能です。
例 「海外旅行」と検索し、且つバナー広告をクリックした九州在住の20代にアンケートを配信する
動画広告の閲覧回数別に認知や好意度の影響をアンケートを分析する など
現状の課題は、cookie取得の許諾パネルの中で分析を行う必要があるので、
そこそこのユーザー数を抱えるサービスでないと希望の回答数を集められない可能性が高いことと、
広告主や配信会社、調査会社、パネル提供会社と連携する必要が生じることといわれています。
例 MAppsパネル、アクセスミルなど
③外部モニター・パネルへのプロモーションアンケート
外部のポイントサイトやアンケートサイトなどに、アンケート型のプロモーションを行う方法です。
当社まーけっちや、大手調査会社の子会社など、多数のポイントサイトやアンケートサイトを提携してあり、かつプロモーションも実施可能なサービスは限られており、なかでも登録や購入までのアクションを成果地点にでき、やかなり限られています。
この場合、成果保証のノーリスクで実施可能、しかもリサーチまでできてかなりお得なのですが、
アンケートアフィリエイトとも呼ばれますが、ユーザー規模が少ないサービスがほとんどな点が課題です。
※なお、下記の記事では実際の事例を
調査内容検討に関する紆余曲折など、裏側も詳しく公開しておりますので、良ければご覧ください。
④インバナーサーベイ・リードバナーアンケート(広告枠からのアンケート誘因)
◆アンケート送付可能対象:自社の定着ユーザー・離脱ユーザー・競合/潜在ユーザー
◆主な活用方法:広告効果測定・新規ユーザー獲得・既存ユーザー活性化キャンペーン
インバナーサーベイ・リードバナーアンケートで広告接触のブランド効果測定実施イメージ
インバナーサーベイ・リードバナーアンケートとは、画像や動画などのバナー広告枠内にアンケートを表示し、
回答を得る調査手法です。②cookie Syncパネルアンケートとの大きな違いは、
アンケートモニタとして登録していない一般ユーザーにも意識調査が可能になる点です。
インバナーサーベイでは、回答者はバナーの枠の中でアンケートに回答する仕組みになっており、
1~3問程度の選択式のアンケートが実施できます。広告出稿元に実施して貰うため、
広告とアンケートの表示順なども制御でき、分析に活用できます。
ディスプレイ広告のアクセスログとアンケートを直接連携でき、
分析がしやすい反面、質問数が限られる点や、回答精度(狭い枠で回答している、パネル管理が出来ない)、
回答報酬を渡しにくい為継続した協力が見込めない、などの課題があります。
リードバナーサーベイアンケートは、回答者が広告バナーをクリックした際に、
専用のアンケート回答ページに遷移させるため、インバナーサーベイよりも本格的な調査(設問数や画面制御の対応性)の実施が可能になります。
例 Google広告ブランド効果測定、Search Insight Finder(カンタージャパン)
新規ユーザー獲得や既存離脱ユーザーの復帰に向けてのプロモーション効果としては、
通常の広告よりも、よりユーザーに考えさせ、アクションさせるという点で、
CVRは高くできる傾向にあります。
⑤その他のアドネットワークアンケート
リサーチ業界では長年、ネットのアンケートパネルの代表性への疑問や
アンケート可能数の限界が課題であり、アンケートパネル以外への調査(✻専門用語では「リバーサンプリング」と呼ばれています)の必要性は大きいです。
最近では、GCS(Google Consumer Survey)など、webにアンケートが挟み込まれている手法や、
RDIT(ランダムドメインインターセプト技術)という、インターネット上でアクセス不能になっているエラー画面からアンケートに誘導する方法など、様々な技術があります。
そんな中、当社が取り組んでいるのがアンケートパネルネットワークです。
アンケートサイトやポイントサイトだけではなく、
一般のメディアユーザーやコミュニティ会員に対し、当社が用意したアンケートへ誘導し、利用サービスのポイントや、Amazonギフトコードなどの謝礼を付与することで、
アドネットワークアンケートと併せて、既存のアンケートシステムと連携する手法など、各メディアに合わせて連携体制を構築することで、アンケートリーチ先を格段に広げることが可能です。
また、中高生向け、パチンコユーザー向けなど、配信先を指定できるため、従来リーチできなかった特殊な層にも効率的に調査が可能です。
現状では、中高生や医師など弊社や提携ネットリサーチ会社様のパネルでは回収数に不足が生じる際に、同じアンケート画面を利用し、データを統括管理できることでご好評いただいていますが、最近ではアンケートモニタではない一般の特殊な層のユーザーに対して調査が実施できるという点を、調査のご提案に組み込んでいただくことも増えて参りました。
課題となっているのは、提携先の拡大、仕組化と提供価格の安定化と考えています。需要と供給の折り合いを付け、安定したサービスとして、提供できるよう努力して参ります。
提携メディア様は、新しいマネタイズ元が増えるのは勿論、ユーザーへのコンテンツが増え、定着率アップや、
自社アンケート分析にも活用可能です。
(こちらの提携先メディア様も随時募集中です!ご興味ある方は是非お問い合わせください。)
◆著者プロフィール
株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温
マーケティングリサーチのシステムとデータの提案営業を経験後、 最年少で事業部を立ち上げ、
アンケートアプリの、若年層国内ナンバーワンを達成。
リサーチの重要性と併せて、コストや施策への活用の課題を痛感し、中小・スタートアップでも
リサーチやマーケティング施策の最適化をより手軽に利用できるようにする為、
リサーチ×マーケティング支援事業の”株式会社まーけっち”を創業。