インタビュー
ぼろぼろの評価から一転! ストアマーケティングでレビュー評価アップ ミイダスの事例
2019.05.28
今回は、ユーザー理解・リサーチを活用したアプリマーケティング最適化の秘訣について、
転職支援アプリのミイダスを運営する、ミイダス株式会社の村尾薫和さんにお話を伺いました。
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対談者ご紹介:ミイダス株式会社 村尾様
2012年にパーソルキャリア株式会社(旧株式会社インテリジェンス)に入社。
dodaのマーケティング企画の募集企画グループにて、ユーザー集客のためのイベント運営やコンテンツの企画を担当。第4回(2018年)日経BP Marketing Awardsクリエーティブ部門 最優秀賞を受賞。
2018年4月からミイダスのマーケティング責任者に就任。現在はミイダスの法人・個人両方のプロモーションと広報を担当。
- お名前
- 村尾薫和 様
- 所属組織
- パーソルキャリア株式会社マーケティング担当
- ミイダス株式会社 広報・マーケティング部部長
- 受賞歴
-
クリエーティブ部門 最優秀賞
第4回(2018年)日経BP Marketing Awards
アプリのマーケティングは、ほぼ施策なし!ゼロからの取り組み
ーミイダスのアプリのマーケティングにおいて、最初にあった課題はなんですか??
まず、ミイダスは市場価値診断ができる転職支援サービスで、Web版とアプリ版があるのですが、アプリ向けのマーケティングは、Webとは分けて特化して行わなければいけません。
しかし、Web版とアプリがある中、初期はスマホアプリマーケティングの優先度は低く、ストアの対策等はほぼ放置状態で、チーム内でのノウハウや実績もほとんどない状態でした。
何よりWeb版でのユーザーのマーケティングが、そこそこ上手くいっている状態だったので、そちらばっかり取り組んでしまっていました。そもそもスマホアプリマーケティングを行うメリットをそこまで感じてなかったんです。
しかしそんな中、Web版で利用しているユーザーよりも、スマホアプリのユーザーの方がサービスの中でアクションする(企業に応募したり、メッセージを行う)割合が高いことが分かりました。
また、スマホアプリではプッシュ通知の施策ができる為、ミイダスに登録してもらった後のユーザーに対して、Web版よりもアプリの方が多くの施策ができると思ったのです。そこでやっと「よし、しっかりスマホアプリマーケティングをやろう!」と始めることにしました。
しかし「まず何をどうすればいいのか全くわからない」状態だったので、最初にスマホアプリマーケティングに詳しいコンサルティングの方に、ミイダスの健康状態を診断してもらうところから始めました。その結果、かなり悲惨な状態だということが分かりました。笑
◆レビューの評価が悪く、潜在ユーザーの新規利用を阻害していた!?
ー特にどういったところに課題感が強かったですか?
当時はとにかくレビューの評価が低かったのが課題でした。
ミイダスの最大の特徴は、自分の市場価値を診断できることです。
これは「すぐに転職をしたいわけではないが、自分の市場価値は気になる」という「転職における潜在ニーズのあるユーザー」にとって大きく価値があり、そのユーザー層の流入はとても重要なものでした。
しかし競合のアプリストアやレビューはしっかり対策されている中、
ミイダスのアプリは全く何もしない状態だったので、他のアプリと比べるとかなりひどい状態になっていました。
評価も2.9というとても低い数字で、この評価の低さがユーザーの離脱要因となっていたのです。
潜在ユーザーに、まず診断を行って価値を体験・実感してもらいたかったのですが、それを阻害してしまっていました。
このままではかなりまずいと思い…、並行して以下の施策を行うことにしました。
・ストアやレビューの評価を上げること
・ASAやASOなどの施策を行い流入数を増やすこと
・アプリのインストールだけを行い、活用せずに離脱したユーザーを呼び戻すこと
◆「アプリの自然検索流入→定着」の一貫した施策で、
ストアでの評価も2.9から4へ引き上げ!
ーどんな施策を行いましたか?
まずは、Apple Search Ads (ASA)で、アプリの自然検索でボリュームを上げることを行い、
次に、App Store Optimization(ASO)で自然検索してきたユーザーをとりこぼさないようにしました。
特にASOは地道なものでしたが、毎月ASOのPDCAを回すことで、流入数は1.3 倍ほど増やすことができました。また並行して、毎回サービス改善につながりそうなレビューは社内に共有し、プロダクト内部から改善していこうという取り組みを行いました。その結果緩やかにではありますが、確実にレビューが改善されていったのです。
おかげでアプリストアでの評価は8ヶ月で2.9から4へ上がりました。
知見が全くなかった私ですが、アプリのマーケティングの知見を提供してくれた外部のコンサルティングの方やパートナーさんと、実直にコツコツ取り組んできたのが良かったと思います。
一旦は全てやってみよう!という体制が、いろんな発見やノウハウ発見につながりました。
◆潜在ユーザーの見込み数や、そのユーザーの接触情報を明確化
ーより効果を出すためにユーザー調査も開始されたんですよね?
世代によってストアの使い方が全然違うと思いますが、ミイダスのようなライフスタイル系は特にその傾向が強く、きちんとユーザのことを理解して施策を行うことがすごく重要だと思い、まーけっちさんに調査をお願いしました。
まーけっちさんで実施した調査では、ミイダスの価値コンセプトを提示し、アプリ利用への影響度から潜在ニーズの高いユーザーを割り出しました。そのユーザー層でも、自社ではなく競合サービスを利用しているユーザーが2倍以上いたので、それだけ、きちんと価値を認知してもらえば使ってもらえるユーザーの規模がわかりました。
まだまだ伸びしろ・・・ミイダスを必要とするユーザーが沢山いるということになるので、リサーチ結果をもとにピンポイントに最適化していきたいです。
大規模のターゲットユーザーに実際に訴求したり、使ってみてもらったりする過程で、
潜在・顕在ニーズのあるユーザーがきちんと割り出せ、
なおかつダウンロードや、自然な形での良口コミ・レビューも増えたのがとても有り難かったです。
その、潜在ニーズの高いと思われるユーザー層に絞って、
普段の情報接触など、様々なことをリサーチし、施策の最適化に活用しています。
◆リサーチ結果をきっかけに、広告のクリエイティブの更なる最適化を行う体制に
ー広告最適化には、リサーチ結果をどのように活かしましたか?
まず、広告のクリエイティブのデザインが、どのようにユーザーのアクションに影響しているか知りたかった為、ミイダスで実際に運用していた広告のクリエイティブ単体で調査をかけてもらいました。
その結果、競合他社と比べて評価が高く、プロダクトと切り離して「広告のデザイン」として評価が高いということが分かりました。
また、リサーチをきちんと行うことによって、クリエイティブごとのターゲット層や、そこからのKPI達成率をきちんと計測し、最適化していこうという体制に変えることができました。
なぜかというと、クリエイティブデザインの評価のアンケートの結果で、広告によって、評価が高い属性のパターンがあることがわかったんです。
潜在ユーザーに評価されやすく、潜在ユーザーからの流入が多いクリエイティブであれば、ユーザー価値やKPI達成率は変わる可能性があるということになります。
ですから、今まではチャネルだけで見ていましたが、KPI達成率と併せて、きちんと、流入クリエイティブやユーザー層も考慮していく必要があるなと思って、そういった視点も広告運用や最適化に加えるように体制を変更しました。
◆ユーザー課題を明確にし、さらなる改善へ!
ー今後はどのような取り組みに注力していきますか?
アプリの場合、目に留まったり、開く頻度を高めたり、
プッシュ通知などのコミュニケーションや施策が打ちやすく、アプリを使ってもらえた方が定着率・KPI達成率を上げられそうということもノウハウとして得られました。
Web版からの流入と比較して、許容していいCPAの単価やその先のアクティブ度合いなど、
ユーザー価値の考え方がWebとアプリで異なるという違うことが、改めてわかったのです。
改めてアプリは重要なので、注力していきますが、
リサーチによって、ミイダスのサービスそのものが難しそうに感じたという人が想定より多いことが分かりました。もう少しミイダスのサービスを噛み砕いて説明しないと、価値が伝わらないケースもあることも分かり、今後はこの調査結果をマーケティングに活かしていきたいと思います。
ー大変参考になりました、村尾さん、本当にありがとうございました!
対談者ご紹介:ミイダス株式会社 村尾様
2012年にパーソルキャリア株式会社(旧株式会社インテリジェンス)に入社。
dodaのマーケティング企画の募集企画グループにて、ユーザー集客のためのイベント運営やコンテンツの企画を担当。第4回(2018年)日経BP Marketing Awardsクリエーティブ部門 最優秀賞を受賞。
2018年4月からミイダスのマーケティング責任者に就任。現在はミイダスの法人・個人両方のプロモーションと広報を担当。
- お名前
- 村尾薫和 様
- 所属組織
- パーソルキャリア株式会社マーケティング担当
- ミイダス株式会社 広報・マーケティング部部長
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クリエーティブ部門 最優秀賞
第4回(2018年)日経BP Marketing Awards