デザイン・施策
商品開発や販促に役立つ、「流行を読むチカラ」
2019.01.29
商品開発や販売促進など、マーケティングの実際の施策を判断する際、消費者の流れやトレンドをつかむことは非常に重要です。
とはいえ、日々の業務が忙しい中、実際にどのような情報ソースを見て、どのような観点でものごとを捉えればトレンドを抑えられるのでしょうか。
<新聞、雑誌などから有効に情報を得るには>
■どうやって流行がつくられていくのか
どんな時代にもどんな業界にも流行は作られてきました。しかし、今、人気があるものがわかっていても、どうやって流行が作られていくのかはわかっていないという人も多いでしょう。逆に流行の作られ方がわかっていれば、新商品を開発する際にも販売促進に役に立つのではないでしょうか。
まず、どうやって流行が作られるのかを見ていきましょう。過去の多いケースでは、最初に新聞や雑誌がトレンドを予測。その後、テレビが取り上げるという流れでブームが作られてきました。
日本のアパレル業界の例では、展示会やファッションショーを見たエディターや記者が今シーズンならではの流行をピックアップし、特集を作ります。昨シーズンとは違うものは何か、どんなところが新しいのかという視点を大事にしながら予測していきます。読者の興味、関心に合わせて、特集を考えていきます。
その後、ファッション誌などの企画をヒントに、テレビのディレクターや放送作家の人たちが番組の企画を考え、テレビ番組を作っていきます。そうして、テレビを見た一般の人たちが共感し、流行が広まっていくという流れが一般的です。
最近は、SNSや動画が他メディアに紹介され、大きなヒットにつながるという流れも出てくるようになりました。
■新聞、雑誌、テレビに眠る、トレンドの種
事業を行う上で、インターネットだけでなく、新聞、雑誌、テレビをどう活用し、トレンドを見つけたらいいのでしょうか。
一般的な新聞は、最新技術や会社情報などを調べるのに有効です。紙面を毎日読むのもいいのですが、日経テレコンという、新聞の記事の検索サービスを使うと、信憑性が高く、記事を効率的に集めることができます。日経新聞だけでなく、世の中の潮流もわかりますし、競合を調べる時にも便利でしょう。
日経テレコン http://t21.nikkei.co.jp/
専門誌は、インターネットに出ていないような情報で溢れています。業界の最新情報を知ったり、その業界の権威を知るのに有効。あくまで私個人の経験談ですが、編集部の人に業界の事を質問しても、意外と親切に教えてくれることが多かったです。
雑誌は、特集ごとに整理されているので短時間で情報を探す場合にオススメです。メインの特集の近くに出ているものが編集部の言いたかった事になるので、まずここをチェックしてみると本の全体を理解できると思います。
ちなみに、過去の雑誌を入手できない場合は、「大宅壮一文庫」で調べるのも一つの方法です。「大宅壮一文庫」は雑誌専門図書館になるので、過去こんなブームがあったけどどうだったのか調べたい場合に活用したらいいと思います。
大宅壮一文庫 http://www.oya-bunko.or.jp/
テレビに関しては、社会現象としてどうなのかを取り上げる場合が多いです。「男性の女性化」「働き方改革」など、興味が湧きそうな話題としてピックアップします。よく耳にするなというキーワードに敏感になっておくといいでしょう。
■信頼性のある情報に価値を感じる時代に
インターネットは、情報を調べるだけでなく、自分の意見を発表したり、コミュニケーションまで取ることができる大変便利なメディアです。しかし、ネットでの情報は、既に出ているものをコピーしただけの記事、当事者本人に取材せず憶測だけで書かれているものなど、信憑性に乏しい記事が多いのも事実です。
このまま情報量が急激に増えていくと、有益な情報だけでなく、間違った情報も多く流出することになり、何が真実なのかわからないという状態になってしまうのではないでしょうか。
最近、Googleでも著作者を明記したものが検索上位になるようになりました。今後、信頼性のある情報に価値を感じる時代が来ると思っています。
◆著者プロフィール
山村哲司(やまむらてつじ)
株式会社外為印刷 新規事業準備室。大学卒業後、本の編集者の道へ。色々な出版社を渡り歩き、ファッション誌からビジネス書まで数多くの本を手がける。ヘア&ファッション誌『BiDaN』編集部在籍時、カリスマ美容師ブームが起きる。2013年 日之出出版『FINEBOYS』別冊編集部 編集長。2017年より鹿児島のリネンサプライの会社、南九イリョーで経営企画やマーケティングなどを行う部署で働く。2018年4月より外為印刷に入社し、新規事業を立ち上げるべく模索している。
日本経営士会 経営士
「新規事業を成功させたい!」「商品やサービスを求める人にもっと届けたい」
本気でそう思う方であれば、
ユーザー理解とマーケティング最適化は、必ずお役に立ちます!