戦略・事業
シューマツワーカー代表が語る!副業マーケター実態
2019.10.29
働き方改革が進み、増えているはずの副業。
しかし、働き手としては、本当に収入を得られるのか?実力はつくのか?どんな案件があるのか?
依頼主としては、仕事のクオリティやリスクなど、実態が気になるところです。
今回は副業のプラットフォームを運営する 株式会社シューマツワーカー代表の松村幸弥氏に実態を伺いました。
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■松村氏プロフィール
1989年、石川県金沢市にて誕生。2012年に横浜国立大学経営学部を卒業し、新卒で株式会社ボルテージに入社。会社員時代に200万円の借金を背負い、その返済のために副業を探すもまったく見つからなかった経験から、株式会社シューマツワーカーを創業し、副業したい人と企業をマッチングするサービス『シューマツワーカー』を立ち上げる。
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【報酬を多く得られる副業マーケターに必要なのは、やっぱり●●力?】
山中思温(編集部)[聞] (以下:山中): では早速質問ですが、マーケターもフリーランスや副業という働き方でやっていけるのでしょうか?
松村幸弥氏(以下、松村):WEBマーケティングの仕事はリモートや非同期でも違和感なく働けるので、副業と相性が良いです。
山中:どのようなタイプのマーケターが活躍できるのでしょうか?
松村:言語化しやすいスキルを持っていると活躍しやすいでしょう。例えば、toCマーケティングならSNSの運用、Google Analyticsの分析など。toBマーケティングの場合は、さらにオフラインマーケティングのニーズがあります。MAやCRMを始めるようとすると、多くのリード企業を集められるセミナーや勉強会を企画しWEB広告で集客するなど、オンラインとオフラインが混ざってきます。両方でき、上流部分から設計できればさらに重宝されます。
また、副業マーケターに業務を依頼する企業は、ベンチャー企業や中小企業が多く、マルチな業務を依頼されます。一つのスキルに特化した人ではなく多くのスキルと経験を持つ人が好まれます。
山中:コミュニケーション能力は、どの程度必要ですか?
松村:強く求められます。特に必要とされているのは、プロジェクトマネジメント能力。企業側は人的管理コスト削減も目的の一つですので、コミュニケーションコストがかかりすぎないことが前提になります。
【驚き!副業で月10~15万円の報酬を得ている人も!?】
山中:実際、副業マーケターはどれくらい報酬をもらえるのでしょうか?
松村:シューマツワーカーでは、多い人で20万円以上の報酬を副業で得ていますね。平均だと月10~15万円くらいです。
山中:え!すごいですね。多くの報酬を得る人は、どのような方なのでしょうか。
松村:副業の報酬は、スキルと市場全体の需給バランス、その企業がどれくらいマーケティングに予算を置いているかの3つで決まると考えています。
山中:副業マーケターは企業側に受け入れられつつあるのでしょうか?
松村:ここ半年ぐらいで受け入れる企業はかなり増え、需要が伸びています。サービスリリースしてから2年半経ちますが、最近はベンチャー企業に限らず、上場企業や地方の中小企業でも副業マーケターを活用し始めています。来年以降はもっと需要が高まっているのではないでしょうか。今後さらに活躍する副業マーケターが増えてくると思います。
【いきなり報酬を得られるのはさすがに厳しい!?必要なステップとは】
山中:まだスキルに自信がない人は、まずどこから手をつければよいでしょうか。
松村:そういった方は、最初は腕試しとして知り合いの企業に副業として入ってみるのがおすすめです。
山中:でも、経営者や役員の知り合いがいなくて困りそうな人もいますよね。
松村:イベントやセミナーに参加して知り合いを増やしてみてはいかがでしょうか。また、WantedlyやYentaなどのサービスを使えば、すぐにスタートアップ企業の経営者に会いに行くことができます。
山中:いい時代ですね。
松村:最初は比較的に取り組みやすい、Facebook広告やリスティング広告の運用等を受けつつ、リード獲得目的のセミナーや座談会の企画・運営等から始めるのがひとつおすすめです。慣れてくると、ブランディングやストーリー作りのスキルも求められて来ることが多いです。副業マーケターに求められるスキルは、今後も変化していくので、自身のスキルのポートフォリオを意識してみてください。ジェネラリスト・スペシャリストの観点でいうと、副業ができる人の多くはスペシャリストになります。自身のスペシャリティを作っていくことが重要です。
山中:逆に副業に向かないタイプの人はいるのでしょうか?
松村:当たり前ですが、コミュニケーション能力や責任感が弱い方、主体性が低い方は向いていません。ただ、やってみないとわからないところもあります。不安な人は、やはりまず知り合いの企業で副業してみて、フリーランスや副業という働き方が自分に合っているか確かめてみるとよいでしょう。
【マーケティング業務のフリーランスや副業人材活用で費用対効果は上がるのか】
◆いま多くの企業が求めてる副業マーケターニーズとは?
山中:ここまで副業する側について聞いてきたのですが、次は企業側視点でお伺いさせてください。マーケティングでいうと、最近ではどのような案件が増えているんでしょうか。
松村:WEBマーケティングといえば一般的にはリスティング広告が多いですが、副業マーケターへの依頼ニーズでいえばFacebookなどSNSの広告運用の方が多い印象です。副業マーケターニーズが多いスタートアップ企業では、市場形成をするために啓蒙・認知獲得にもなるSNS広告が相性がいいのだと思います。
山中:へー面白いですね。副業マーケターニーズが多い企業属性によってくるのですね。
【上流マーケターの登録が少ないのは昔の話】
山中:マーケティングの戦略とか、いわゆる上流工程に知見がある人は少ないのでしょうか。
松村:いえ、います。シューマツワーカーには、転職市場に出てこない優秀な人材が多くいます。実は、マーケティングの上流工程に知見がある人は、本業の業務内容や待遇に満足していることが多いので、転職サイトにはあまり登録していません。ところが、副業系だと結構いるんです。新しいことにチャレンジしてみたいという思いからだと思います。
さらに現在シューマツワーカーには約1万4千人ほど登録者がいるですが、まだ企業側からの需要が少なく人が余っている状態です。だからこそ、副業マーケターであればビックリするくらい優秀な人材に出会えるのです。
【フリーランスや副業マーケターを頼るメリットとデメリット】
山中:企業側が副業マーケターを探すメリットはどのようなところにあるのでしょうか。
松村:メリットは3つあります。
1つ目は、先ほども申しました転職市場に出てこない人材に出会える点。2つ目は、優秀なWEBマーケターの知見を吸収しインハウス化できる点。3つ目は、自社の足りてないリソースを週1日分から無駄にコストをかけずにおぎなえる点です。マーケティングの業務は多様化していて、すべての業務を任せられる人は多くありません。しかしもう1名フルタイムのマーケターを雇うとコストは倍増します。フルタイムではなく、副業マーケターを活用することで、必要な時に必要な分だけリソースを埋められるのです。今なら副業希望者が多いのですぐ集まります。
山中:企業側にとっては良いタイミングですね。さらに副業としてジョインしてもらった後に、転職して正社員として入社してもらう、ということもできそうですね。普通に採用するより案件のミスマッチも少なそうです。
松村:おっしゃる通りです。
山中:今は副業マーケターを活かす狙いめの時期とのことですが、どれぐらい続くと思いますか?
松村:直近1、2年で流れは大きく変わっていきます。すごいスピード感で企業は変化をしていますし、行政や自治体も今後企業の副業人材活用を推奨する可能性も高いです。
山中:企業にとってのデメリットはありますか?
松村:デメリットでいうと、副業マーケターがチームにいるとコミュニケーションルールや業務フローを少し加える必要が出てくることです。
山中:情報漏洩を懸念する企業もありますよね。
松村:はい、それもよく懸念されますね。シューマツワーカーでは、情報漏洩リスクに関して、契約書でヘッジするだけでなく、啓蒙・教育を行っており、また競合企業で副業しないようなチェックフローも設けています。
【企業側が副業マーケターに仕事を依頼するためにきをつけるべきこと】
山中:依頼する企業が副業マーケターと仕事をする際に気をつけることはありますか?
松村:多くあります。まず契約する前にコミュニケーションの取れる時間帯や、緊急連絡先を聞くようにしましょう。また本業の忙しい時期や、週何時間ぐらい稼働できるか、契約形態も請負か準委任どちらか確認を取ることも大切です。
山中:なるほどですね。そのあたりの知見はまだまだ一般化されていないですね。副業希望者はどのように探すのがよいのでしょうか?
松村:リファラルやTwitterなどのSNS、Wantedlyなどの採用プラットフォームでも探せます。
シューマツワーカーでは、募集するだけでなく独自スクリーニングで企業側の負担を減らし、面談調整や条件交渉などを含めマッチングまでサポートを行います。
また、そもそも「どういった業務を副業人材に依頼できるかわからない」企業に対しても、「御社ならこの業務を依頼できます」とか、「御社に近い規模や業種の企業ではこうしています」などとアドバイスしています。
山中:そこまでサポートしてくれたら、始めやすいですね。
【副業をしたい!依頼を検討しているなら……これだけは伝えたい】
山中:最後に伝えたいことはありますか。
松村:働き方の多様化は、行政も働き方改革で推奨しています。個人も企業も対応を迫られつつある状況です。目をつぶるのではなく、他よりいち早く対応し、副業という仕組みを活用できるようにしたほうがいいと思います。
山中:受ける側も依頼する側どっちもですね。まずやってみることが大切。情報も手法も増えていますし、自分や自社にあう情報を得て対応力を上げていきましょうってことですね。ありがとうございました。
◆最後に…
私達、まーけっちは、「ビジネスをもっと面白く」事業の成功に根差した、
リサーチ・マーケティング支援を追及しています。適切なリサーチ・マーケティング手法や戦略にご興味があるという方はお気軽にご相談下さい。
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リサーチ・マーケティング・ライティング・開発/デザインを手伝ってくれる仲間を随時募集しています。興味があるという方はお気軽にメッセージ・お問い合わせください。(Facebookメッセージ等でラフなご質問も歓迎です!)
◆著者プロフィール
株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温
マーケティングリサーチのシステムとデータの提案営業を経験後、 最年少で事業部を立ち上げ、
アンケートアプリの、若年層国内ナンバーワンを達成。
リサーチの重要性と併せて、コストや施策への活用の課題を痛感し、中小・スタートアップでも
リサーチやマーケティング施策の最適化をより手軽に利用できるようにする為、
リサーチ×マーケティング支援事業の”株式会社まーけっち”を創業。