採用ブランディングとは?社員確保のために重要な運用戦略について解説

近年、採用ブランディングは、「大企業のような資本が大きいところが行う施策」という誤った認識が広まっているように思います。しかし企業規模や資本金、従業員数にかかわらず、どこの企業様も採用ブランディングに取り組むことが可能です。

 

まずは、採用ブランディングの基礎知識をわかりやすくご紹介していきます。

そもそも採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、企業の採用活動において採用力を強化するために自社の魅力を引き出すことで、会社のブランドを確立する採用戦略を意味します。

 

つまり「この企業で働きたい」、「入社したい」という自社のファンを増やし採用活動を効率化するマーケティング手法です。

 

採用においては新卒採用や中途採用があります。新卒採用であれば学生のみが対象と考えられがちですが、就職先の決定に当たって最終決定者は自分ですが家族や、学校の友人など、関係者の多くに影響する可能性があります。

 

中途採用においても同様で、求職者はもちろん、その人を取り巻くすべての人が感じる「企業の価値」や「その企業で働くイメージ」を向上させることが、採用ブランディングの目的です。

 

そのため、採用ブランディングでは、自社のビジョンやミッションなどの理念、サービスを通じて世間に与える意味、社風や人間関係などの情報発信を行う必要があります。

 

ただし注意なのは採用ブランディングにおいて自社の魅力などを通して会社を多くの人に認知してもらうことも必要ですが、最終ゴールは「この会社で働きたい」と感じてもらうことにあります。

採用ブランディングが求められている背景

 

ITが普及し始めた2000年以降、求人倍率が右肩上がりであり、新卒一括採用・終身雇用は崩れ始め、通年採用や転職が当たり前になったために優秀な人材の採用はますます難しくなっています。そのような採用環境のなかで、積極的に採用力の強化に取り組む企業も増えています。

 

更に2020年のコロナウィルスによって、経済の先行きが見えず人員削減の実施をしている企業もある一方で、事業拡大をするための戦力獲得に乗り出している企業もあります。つまり、数重視の売り手市場から優秀な人材を獲得していく流れへと変わりつつあります。

 

しかし少子高齢化の進行も重なり、労働人口の減少により、更に企業が求める人材を獲得する難易度は高まっている傾向にあります。

 

また、最近ではSNSが普及したことにより、採用ページに自らアクセスしてくれる志望度の高い求職者以外の方にもダイレクトに情報発信を届けることができるようになった半面、求職者側が受け取る情報量も近年は増加しております。そのため発信方法を見直して、求職者の自社への認知や志望を向上させる必要があります。

 

中途採用においては転職を考えてはいるけども、転職に踏み出せない転職潜在層に対してこちらから効果的にアプローチすることで、転職先の候補になる可能性を高めることができます

採用ブランディングに取り組むメリット

採用ブランディングには以下、6つのメリットがあると考えられます。

  • 自社の認知度の向上
  • 求人への応募者の増加
  • 求める求職者のマッチ度が上がる
  • 競合企業との差別化
  • 社員の自社愛やモチベーションの向上
  • 採用コストの削減

それぞれ、具体的に解説していきます。

1.自社の認知度の向上

採用ブランディングを実施することで、わかりやすい効果は「自社の認知度の向上」と考えられます。

今まで採用ブランディングを実施せず表立って目立たなかった企業も情報発信を通じて多くの求職者に認知されるはずです。認知されることで採用活動の促進化がはかれるはずです。

2.求人への応募者の増加

 

認知度が上がれば次にでる効果は「応募者の増加」と考えられます。

自社のブランドイメージが世に浸透することで、「この会社の話を聞いてみたい」、「この会社に入って働いてみたい」といった人が増え、応募者の増加が見込めます。

3.求める求職者のマッチ度が上がる

認知度および応募者の増加のお話を前述しましたが、「数」だけではなく「質」の増加ももちろん見込めます。自社のビジョンなどに共感してくれる求職者がマッチすることで、選考自体がスムーズに進行および、内定辞退の可能性が低くなりミスマッチの減少に繋がります。

4.競合企業との差別化

業界において、競合企業は1社ではなくたくさんあります。採用ブランディングを実施することで独自性が生まれ、競合企業との違いが明確になります。

 

それによって、「〇〇社と△△社の違いはなにか」ではなく、「〇〇社で働いてみたい」といったように比較されず、オンリーワンの企業になることができます。

5.社員の自社愛やモチベーションの向上

採用ブランディングを通して、認知され応募者が増えれば、社員はもちろん嬉しいはず。

 

また、自社のビジョンやミッションの再確認や自社のサービスでの世に対する考え方の再確認、自分の仕事のあるべき姿を再確認することで自社の良さが伝わり、愛着やモチベーションの向上につながると考えられます。

6.採用コストの削減

採用ブランディングを実施することで認知度が上がれば、口コミによる更なる認知の拡大や、紹介が増えます。

 

これによって求職者の内定辞退や早期離職の可能性が減少し、従来の広告コストの削減や人材紹介利用の削減の可能になる場合があります。結果的に採用全体のコストの削減が見込めるのです。

採用ブランディングに取り組むデメリット

採用ブランディングにはメリットだけではありません。ここではデメリットも説明していきます。

  • 採用ブランディングの結果が出るまで時間がかかる
  • 情報発信に工数がかかる
  • 会社全体で取り組まないといけない

上記について、具体的に解説していきます。

採用ブランディングの結果が出るまで時間がかかる

自社のイメージ構築および浸透、認知度のアップは簡単にはできません。

 

何度も情報発信をし改善をしていく必要があります。そのため中長期的な計画が必要になります。

情報発信に工数がかかる

採用ブランディングは1、2回の情報発信では終わりません。中長期の計画と時間が必要になります。

 

どのような戦略をとるのかは媒体によって変わりますが、その都度、情報発信者のコストと工数が必要となることを常に考える必要があります。

会社全体で取り組まないといけない

そもそも採用ブランディングは採用担当者だけで考えるものではありません。会社のビジョンなどの理念などは企業の社長および経営人含めた全社員が価値観を統一しなければなりません。

 

そのために全員が協力して進めていく認識を持ち続けることが重要です。

採用ブランディングの実施方法

 

会社のビジョン、価値観を統一する

採用ブランディングを実施するにあたり、自社のビジョンや理念の再確認や、どんな魅力を発信するのか明確にし、価値観を統一していく必要があります。

 

しっかりと言語化して共有できることが良いと言えます。

求職者の人物像を決める

上記のように、自社の理念や魅力などの価値観を明確にした上で次に進むのが求職者の人物像の決定です。

 

どんな求職者を採用したいのかを明確化することで、メッセージ内容やアプローチ方法が媒体によって変わるので、採用の戦略を考えなければいけません。

求職者に伝わるメッセージを作成する

求職者の人物像を決めたら、自社のファンになってもらえるようなメッセージを作成します。求職者の人物像に対して、考えていた自社の強みや魅力が伝わるように考案していきます。

 

ただし、個々で気をつけたいのは、他社にはないオリジナルで伝わることを意識することです。

メッセージを発信する

自社のファンになってもらえそうな文章が作成できたら、きちんと求職者に届けなければ意味がありません。作成したメッセージが、自社の求める求職者に届くように発信することがゴールになります。

 

現代の情報発信には様々な種類があり、広報が大事になってきます。

 

様々な広報チャネルの種類がある中で、複数のチャネルで発信をする場合は統一感のある発信をすることが求められます。

 

情報発信チャネルにはもちろんチャネル自体の種類やコンテンツの種類、情報発信の期間などを決めていかなければなりません。

 

以下では、チャネルの種類を主に細かく紹介していきます。

チャネルの種類

<自社のホームページ、採用ページ>

採用ブランディングにおいて、自社の採用サイトは一番自由にメッセージを表現できる場です。求人広告にのせてないような内容や、求人広告にのせているよりも深い対談インタビューなど乗っけることで現場のリアルがより求職者に刺さると考えられます。

 

また、自社ホームページでは、採用特化のホームページに加え、本来の事業内容などが求職者の目に止まることで興味を引く可能性が出てきます。

<SNS>

近年、採用ブランディングでよく取り入れられており人気なのがSNSを利用した発信です。
有名な媒体としてInstagram、Twitter、Tik Tok、YouTubeなどがあり、気軽に投稿することで注目されております。

 

企業の日常の情報発信や、求職者とのコミュニケーションも取りやすいことがメリットであり、企業の公式アカウントも増えてきており、中には社長が自分から発信するような企業様もでてきています。

 

2020年からコロナウィルスが蔓延している中で、オンラインが増えてきており労働者問わず、多くの方がSNSに触れやすい時代になっています。そのため、非常に上手く戦略を練ることができれば、認知度が上がると考えられます。

 

<求人媒体や求人広告>

採用ブランディングを実施する上で求職者が自ら目を通しやすいと言われているのが求人広告になります。主にマイナビ、リクナビ、Indeedが取り扱われていますが、最近ではWantedlyなども注目されております。

 

求人広告は自社の強みや魅力などを直接伝えやすいです。また、自社の社員同士の対談や役員間の対談を収録し、掲載していることで以前よりも明確に、求職者にとってイメージしやすい様になっております。

 

そのため、どの媒体に情報を発信していくかを考える必要があります。

 

<紹介やイベント>

自社イベントを開くことで、メディアなどのオンラインとは違った魅力を伝えることが可能となります。社長が直接登壇することで、より一層会社に対しての雰囲気などがイメージしやすく、「この会社で一緒に働いてみたい」と思える求職者も出てくるかもしれません。

 

イベントで登壇した内容などは、録画などをすることでSNSの情報発信に繋げられることもでき、より濃く求職者に広がるかもしれません。また、採用ブランディングを通じて求職者の周りにいる方々に「○○の企業は良かった」などと話がいく可能性もあり、思わぬ紹介につながるかもしれません。

まとめると

【チャネルの種類】

自社のホームページ(採用含む)、SNS、求人広告、紹介、イベントなど

【チャネルの種類】

テキスト、動画、画像、漫画、音声、会話など

【情報発信の期間】

短期間、中期間、長期間、単発など

 

大事なのは、求職者が利用しているチャネルの理解や、欲しい情報をしっかりと理解して正しく発信することです。またどのような発信コンテンツが求職者に対して最も伝わるのかを考えつつも戦略を練ることが大切になっていきます。

 

そのためにも、メッセージの各チャネルを通して、何度も発信したら、SNSなどのチャネルからリアクション率や、アンケート回答などの求職者の口コミを集計し分析することで、次回以降の情報発信をより効率用実施できるようにつなげていくことが重要となっていきます。

採用ブランディングを構築し自社の求める人材を採用

今回の記事では、主に採用ブランディングの目的やメリット・デメリット、運用方法をご紹介いたしました。コロナ渦に加え、今後の労働人口の減少を考えていく中でも、採用ブランディングは今後の企業の人材確保および事業の成長の上では非常に欠かせないものになります。

 

また、採用ブランディングは、採用において同業他社との競合に悩む企業にとってデメリットが存在するとはいえ、メリットも多く存在し、非常に効果的といえます。従来の採用活動と違い、会社全体としての長期的な取り組みにはなりますが、企業様の大きな課題の1つの採用を解決できる重要な施策になります。

 

求職者にとって「この企業で働きたい」、「入社したい」と思えるような、採用ブランディングを上手く構築していきましょう。

 

ただし、採用ブランディングを実施する企業は近年増えてきており、実際に行動に移し、実施するのも難しい現状ではあります。

 

そのためまーけっちでは、採用ブランディングのご相談をうけ各企業様にあった採用ブランディングを構築することができます。

マーケ屋必見!!最強リサーチテンプレート&ノウハウを無料プレゼント!