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【生産性を上げる理由】心理的安全性の測定方法は?重要なのは7つの質問
2021.03.04
企業の現在心理的安全性がどの位確保されているのかわかっているでしょうか?
この記事では、心理的安全性の測定方法について解説します。
心理的安全性を高める施策をしても、どの位確保できているのかわからなければ、意味がありません。
心理的安全性を高めるためには、都度測定することが大事です。
そこで、心理的安全性の測定方法から確保するためのポイント、注意点まで解説します。
本記事を参考に、心理的安全性を整え、さらに生産性をあげるチームに育てましょう。
心理的安全性とは?
「心理的安全性」とは、他人からの反応に不安を感じたり羞恥心を感じることなく、素の自分をさらけだせる状態を指します。
元々は、心理学用語でしたが、2015年にグーグル社が「心理的安全性は成功するチームの構築に最も重要なものである」と発表したことから、企業に広まりました。
心理的安全性を確保することで、意見の交換が活発になり、生産性が上がります。
同僚同士はもちろん、上司と部下の間に大きな壁がなくなり、社内・チームのコミュニケーションが円滑になるのです。
Googleの定義
「心理的安全性」に関する、グーグルの定義を紹介します。
心理的安全性は、グーグルの調査結果により、大きく広まった言葉です。
グーグルは、心理的安全性を以下のように定義しています。
心理的安全性とは、対人関係においてリスクある行動を取ったときの結果に対する個人の認知の仕方、つまり、「無知、無能、ネガティブ、邪魔だと思われる可能性のある行動をしても、このチームなら大丈夫だ」と信じられるかどうかを意味します。
心理的安全性の高いチームのメンバーは、他のメンバーに対してリスクを取ることに不安を感じていません。自分の過ちを認めたり、質問をしたり、新しいアイデアを披露したりしても、誰も自分を馬鹿にしたり罰したりしないと信じられる余地があります。
つまり、業務において、何事にも不安を感じない状態。
チームメンバーを信用することで、さまざまな意見を積極的に取り交せるようになるのです。
心理的安全性はチームで上げる
心理的安全性は、チームで取り組むものです。
個人の心理的安全性を高めても、チームの生産性は上がりません。
チームの半数が心理的安全性を確保しても、反対の半数が心理的安全性を感じられなければ、心理的安全性を確保できている状態とはいえないでしょう。
当然、一人ひとりの心理的安全性を高めなければいけませんが、最終的にはチーム全体でアプローチするものです。
チームの心理的安全性が高まることにより、生産性があがります。
心理的安全性に関するアンケート調査
心理的安全性に関するアンケート調査を紹介します。
心理的安全性がどれほど認知されているのか?どんな風に取り組まれているのか?『HR総研』のアンケートでわかりました。
認知度に関しては、心理的安全性について知っている方は44%と少ない数字です。
心理的安全性の自分なりの定義として、一例を以下に紹介します。
- 安心して仕事に打ち込める環境が確保されていること
- 自然のまま自分をさらけ出せる環境のこと
- メンバーが自由に発言、質問でき、不利に扱われないことを確信している職場の状態
これらの定義は、どれも正しいです。
また、心理的安全性の重要性に関しては、70%の方が「非常に重要である」と答えています。
今後の企業にとって、心理的安全性は大きな課題となるでしょう。
心理的安全性の効果
心理的安全性は、社内環境を良くし、生産性をあげるものです。
しかし、具体的にどんな効果があるのか、わからない方もいるでしょう。
主な効果は、企業やチームによって異なります。
心理的安全性が高い企業にはどんな効果があり、心理的安全性が高いチームにはどんな効果があるのか、具体例を知っておきましょう。
現在、業務が上手くまわらず、非効率になっていると感じているなら、心理的安全性が確保できていないかもしれません。
それぞれの効果を理解し、実際に自社で取り組んでみてください。
企業への効果
心理的安全性が高いと、職場の雰囲気が良くなり、離職率が下がります。
心理的安全性が高い企業は、簡潔に言えば「居心地の良い会社」です。
メンバー一人ひとりに主体性が生まれ、意見交換も活発になります。
さらに、コミュニケーションが増え、新しいアイディアもどんどん生まれるようになるでしょう。
このように、発言しやすい環境を作ると、自然と「報・連・相」が生まれます。
社内での「報・連・相」が円滑になり、自分の意見を言いやすい環境になるので、メンバーそれぞれのレベルが上がるでしょう。
チームへの効果
チームへの主な効果は、パフォーマンスの向上です。
コミュニケーションが円滑になることで、パフォーマンスが上がります。
業務の弊害となる大きな原因のひとつとして、コミュニケーション不足がありますが、心理的安全性を確保することで、素早く情報共有できるようになるのです。
また、メンバーそれぞれの負担やストレスの軽減になります。
精神的に余裕が生まれることで、メンバーと協力しやすくなるため、パフォーマンス向上に繋がるのです。
心理的安全性が低いことのデメリット
心理的安全性が低いと、社内環境に悪い影響を与えます。
チームメンバーが常に不安を感じている状態では、最高のパフォーマンスができないのは、当然といえば当然です。
心理的安全性が低いことでの、主なデメリットは以下の2つ。
- 4つの不安を感じてしまう
- 生産性が悪くなる
心理的安全性が低いことは、チームに対して良い影響はまったくありません。
現在の自社・チームの状態と照らし合わせながら、デメリットを確認してください。
デメリットを理解することで、心理的安全性の重要さがわかるでしょう。
4つの不安を感じてしまう
心理的安全性が低いと、メンバーに4つの不安を感じさせてしまいます。
4つの不安とは、心理的安全性の提唱者『エイミー・エドモンソン』が発表しているものです。
4つの不安は以下の通り。
- 無知だと思われる不安……「こんなこともわからないの?」と言われるかもしれない不安から、気軽に質問ができない状態
- 無能だと思われる不安……失敗しても報告できなくなる状態
- 邪魔になる不安……自分の行動が邪魔になると感じ、積極的な言動が行えない状態
- ネガティブだと思われる不安……批判だととらえられる不安から、意見ができなくなる状態
これらの不安を感じる状態だと、生産性は上がらず、企業として先へ進めません。
生産性が悪くなる
心理的安全性が低いと、組織の生産性は下がります。
集中して業務に取り組める環境と、不安がありながら業務に取り組む環境では、当然集中した方が効率は上がるでしょう。
心理的安全性が低い状態は、後者の不安がありながら業務に取り組んでいる状態です。
また、大きなミスをした場合、心理的安全性が低いと報告することができず、隠してしまう可能性があります。
心理的安全性が高い状態ならば、即座に報告してフォローすることが可能です。
このように、心理的安全性が低い状態では、生産性が悪くなる悪循環が生まれてしまいます。
心理的安全性を測定するテスト
心理的安全性を測定する方法を解説します。
心理的安全性を高める施策を行っても、実際に確保できているかはわかりません。
「施策を行ったから大丈夫だろう」という考えでは、失敗してしまいます。
そのために、以下の方法で心理的安全性が高まっているか確認しましょう。
- 7つの質問
- 心理的安全性が高いとわかるサイン
2つを意識することで、現在の自社の心理的安全性がどの状態にあるかわかります。
とくに、マネジャーや上司は、自社の状態を確認しておいてください。
7つの質問
7つの質問を行うことにより、心理的安全性の高さがわかります。
7つの項目に対して、メンバーに確認してみましょう。
項目は、以下の通りです。
- チームの中でミスをすると、たいてい非難される。
- チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える。
- チームのメンバーは、自分と異なるということを理由に他者を拒絶することがある。
- チームに対してリスクのある行動をしても安全である。
- チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい。
- チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない。
- チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる。
1・3・5の度合いが低く、2・4・6・7の度合いが高いメンバーが多いほど、心理的安全性の高いチームです。
反対の意見になっていれば、心理的安全性は確保できていない状態です。
心理的安全性が高いとわかるサイン
心理的安全性が高いとわかる、サインがあります。
それぞれにアンケートを実施することができない場合、サインを重視してみましょう。
サインは、以下の通りです。
- ポジティブな発言が多い
- メンバーが、成功だけではなく失敗の話もしている
- 職場に笑いとユーモアがある
これらのサインは、心理的安全性をはかる指標となります。
時間がある場合は、メンバーそれぞれと会話してみるのも一つのやり方です。
メンバーそれぞれの会話からわかることなので、簡単に測定できるでしょう。
心理的安全性をマネジメントする際の3つのポイント
心理的安全性をマネジメントする際の方法を解説します。
心理的安全性を高めるには、マネジメントが鍵を握るので、ポイントを意識して改善に取り組んでいきましょう。
主なポイントは3つです。
- 自己肯定感を得られる職場にする
- 4つの不安を排除
- ポジティブを意識
基本的な考え方としては、ネガティブを排除し、ポジティブを取り入れることです。
心理的安全性を高めることは、簡潔にいえば「ネガティブを感じさせない施策」ともいえます。
思いつくネガティブを排除し、心理的安全性の確保できるチームを目指しましょう。
自己肯定感を得られる職場にする
心理的安全性の高い職場にするためには、自己肯定感を得られる環境にしなければいけません。
自己肯定感が得られない職場では、ストレスを大きく感じさせてしまい、離職率を上げてしまう可能性もあります。
メンバーの意見を尊重したり、認めたりすることで自己肯定感をあげれば、メンバーは自己肯定感が高まるでしょう。
自己肯定感が高まれば、自分に自信がつき、積極性が増してコミュニケーションも増えていきます。
どんな意見でも、”まず認めること”を意識すると良いでしょう。
4つの不安を排除
心理的安全性を確保するためには、4つの不安を排除しましょう。
4つの不安は、心理的安全性が低いことで起こる不安です。
それぞれを排除するための主な方法は、以下の通り。
- 無知だと思われる不安……コミュニケーションを円滑にする
- 無能だと思われる不安……メンバー同士で失敗の話をする
- 邪魔になる不安……自己肯定感を与える
- ネガティブだと思われる不安……どんな意見も取り入れる
心理的安全性を高めるために何をしたら良いかわからない場合は、まず4つの不安を一つずつ排除していきましょう。
ポジティブを意識
心理的安全性を高めるには、チームの意識をポジティブにすることが重要です。
ネガティブなマインドでは、不安や恐れから、業務に支障が出る可能性があり、生産性が下がってしまうでしょう。
主な施策としては、サンクスカードやピアボーナスがあります。
メンバーの成果や貢献に対して、サンクスカードを送ったり、ピアボーナスを送るなどして、成果を称えてあげましょう。
また、社内にユーモアを取り入れるのも一つです。
たとえば、会議の際に雑談を交えると良いでしょう。
「こんなことを言ってはいけない」というネガティブな不安がなくなり、さまざまな意見が積極的に取り交されるようになります。
「ポジティブ」を意識すると、さまざまな方法がありますが、まずは「笑い」「ユーモア」を意識してみましょう。
心理的安全性は都度測定をしておくべき
心理的安全性は、都度測定することをおすすめします。
「心理的安全性を高める施策を行ったから大丈夫」ではありません。
そもそも、心理的安全性を高める施策は、一度だけではなく、何度も行うものです。
その都度測定を行い、どれだけ心理的安全性が高まったか、意識しながら確認してください。
測定結果をもとに何度も繰り返すことで、確実に心理的安全性は高まっていくでしょう。
生産性向上のためにも、測定を怠らずにこまめに実施してください。
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私たち、まーけっちは、
- 初期設計から分析に至るまでの一貫した理論
- 各アクションごとの専門知識とノウハウ
を持ち、人材管理支援を中心とした業務をサポートできる日本でも有数の企業です。
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株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温
マーケティングリサーチのプラットフォームの企業で、 最年少で事業部を立ち上げ、広告予算ほぼゼロで、国内トップの実績を達成。
中小・スタートアップ企業のマーケティングに関する構造的課題を痛感し、それを解決するため、株式会社まーけっちを創業。大手企業・国家機関・スタートアップなど100社以上の戦略支援を行い、コミットと売り上げ貢献成果に定評がある。上智大学外国語学部卒。
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