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【成功者は知っている】心理的安全性とは?マネジメント方法から効果まで解説
2021.03.04
職場環境の考え方として「心理的安全性」が注目されているのをご存知でしょうか?
この記事では、心理的安全性について解説します。
心理的安全性は、安心して仕事に取り組める環境を指し、Googleが調査結果を発表したことで注目されました。
心理学的安全性を重視している企業が未だ少ないですが、これからの時代重要な取り組みとなるでしょう。
そこで、心理学的安全性の意味から効果、マネジメント方法まで解説します。
本記事を参考に、社内環境を整え、パフォーマンスを高めましょう。
心理的安全性の意味
心理的安全性とは、「恐怖や不安を感じずに、発言・行動できる」環境を指します。
企業においては、「反応を気にせず、素直な意見を言える」環境になるでしょう。
心理的安全性は元々心理学用語ですが、近年社内環境の一つとして取りれられています。
心理的安全性に関して、以下のことも知っておきましょう。
- 心理学用語としての心理的安全性
- Googleの調査結果
- 反対の心理的脅威
心理的安全性を高めることで、パフォーマンスが向上する調査結果も出ているため、これからの企業の課題となるでしょう。
心理的安全性は心理学用語
心理的安全性は、心理学用語です。
近年は社内環境に取り入れることから、ビジネスの場でも使われますが、元々はビジネス用語ではありません。
心理学では「サイコロジカルセーフティ(psychological safety)」と呼ばれます。
心理的安全性を最初に提唱したのは、ハーバード大学で組織行動学を研究しているエイミー・エドモンドソン。
エイミー・エドモンドソンは「対人関係においてリスクのある行動をしてもこのチームでは安全であるという、チームメンバーによって共有された考え」と定義しています。
Googleが発表したことで注目
心理的安全性が注目されたのは、Google社が調査結果を発表したことでした。
2015年にGoogle社が「心理的安全性は、成功するチームの構築に最も重要なものである」と発表。
「完璧なチーム作りは、アルゴリズムによるところが大きいと思っていました。グーグルはアルゴリズムが大好きですから。スター社員を適切な数だけ見つけて彼らでチームを組ませればあら不思議、ドリームチームのできあがり!となるとばかり思っていました。
ところが、現実はまったく違うと明らかになりました。調査の結果、成果に真に影響を与えるのは、チームに誰がいるかではなく、チームメンバーがどのように協力し合うかであることがわかりました」
引用:東洋経済オンライン
Google社が発表したことにより、元々心理学として使われてきた「心理的安全性」が社内環境の取り組みとして広がったのです。
反対の心理的脅威
心理的安全性を理解するために、反対の心理的脅威についても知っておきましょう。
極論ですが、心理的安全性は、心理的脅威を排除するものです。
心理的脅威というのは、自身の統合性を脅かす可能性のある要因を指します。
人は、自身の評価やイメージが損なわれる懸念があると、防衛本能を働かせてしまうのです。
そのため、「言いたいことが言えない」「伝えなければいけないことを伝えられない」といった、パフォーマンス低下に繋がります。
心理的脅威を感じる職場では、円滑なコミュニケーションがとれないのです。
心理的安全性不足で起こる4つの不安
心理的亜安全性が不足すると、4つの不安が生じます。
4つの不安を感じると、パフォーマンスが低下してしまうため、注意しなければいけません。
4つの不安は、以下の通りです。
- 無知だと思われることへの不安
- 無能だと思われることへの不安
- 邪魔をしている思われることへの不安
- ネガティブだと思われることへの不安
自身の発言に対して、相手の反応が、4つの不安を引き起こす要因になります。
これらの要因をなくすことは、社内のコミュニケーションを円滑にし、パフォーマンス向上につながるのです。
心理的安全性不足はチームのポテンシャルを下げる
心理的安全性が低いと、チームメンバーのポテンシャルが下がります。
心理的安全性が低いということは、それだけメンバーは常に不安な状態だからです。
思ったことも言えず、気になったことも聞けず、常に不安と恐怖に脅かされている状態になります。
この状態でいると、メンバーは常に自分を偽って働いているのと同じです。
自分を偽った状態で働いてれば、当然本来のポテンシャルを最大限に発揮することはできません。
どんな業務を行う上でも、悪循環に陥ってしまうでしょう。
心理的安全性が企業にもたらす3つの効果
心理的安全性を取り入れることにより、企業にどんな効果があるのか解説します。
心理的安全性を重視すると、コミュニケーションが円滑になり、働きやすい環境になるのが一番のメリットです。
具体的には、以下3つのメリットが挙げられます。
- チームのパフォーマンス功旺
- 社内改善への積極的な取り組み
- エンプロイーエクスペリエンスの向上
それぞれで悩まされている企業は多いのではないでしょうか。
心理的安全性を重視し取り組むことで、これらの悩みは解決します。
チームのパフォーマンス向上
心理的安全性が高くなると、メンバーは仕事に集中しやすくなります。
心理的脅威がないことで、他のことを気にせずに仕事にとりかかれるからです。
全員が集中して業務を行えば、当然生産性も高くなります。
また、仕事に対しての不安がなくなり、ストレス緩和になるでしょう。
業務外の精神的な面でストレスを感じさせてしまうのは、無駄な負担になります。
心理的安全性を高めれば、無駄な負担を与えずに効率の良い仕事を行えるようになるでしょう。
社内改善への積極的な取り組み
心理的安全性を高めると、社内改善への取り組みが積極的になります。
なぜなら、マネジメント業務以外のメンバーでも、意見を言えるようになるからです。
立場に関わらず、「現状より良くしていこう」という想いを持っている人は多くいます。
しかし、心理的安全性が低いと「聞いてもらえない」「理解してもらえない」という気持ちから、意見を言うことができません。
心理的安全性が高くなると、意見を言いやすくなるためさまざまな意見が飛び交い、企業をプラスの方向へもっていこうという動きが多くなります。
エンプロイークスペリエンスの向上
心理的安全性が高まると、エンプロイー・エクスペリエンスの向上につながります。
エンプロイー・エクスペリエンスとは「エンプロイー→従業員」「エクスペリエンス→経験」で、直訳すると「従業員の経験」です。
ビジネスにおいては、以下の意味で使われます。
- 従業員の満足度
- スキルアップ
- 健康状態
- 組織での経験
心理的安全性が高いと、メンバーがどのような体験によってモチベーションがあがるか、周囲のメンバーが考えるようになります。
経験や満足度が高くなれば、生産性もあがるでしょう。
職場の心理的安全性を高める7つのマネジメント方法
心理的安全性を高めるには、いくつかの方法があります。
今までの現状を変えなければいけないため、行わなければいけないことは多いです。
主にマネジメント方法として使えるのが、以下の7つの方法。
- 1 on 1
- 部下の尊重
- プライベートな会話
- 新人のサポート
- 評価制度の見直し
- 組織の透明性を上げる
- ピアボーナス
それぞれの方法を行えば、心理的安全性を高められるでしょう。
これから心理的安全性を高めたい企業は、それぞれの方法を参考にし、実践してください。
1 on 1
1 on 1とは、上司と部下1対1のミーティングです。
定期的に対話することで、上司と部下の壁がなくなり、コミュニケーションが円滑になります。
人事評価面談のような堅いものとは異なり、人間関係や業務の不安、プライベートな内容まで話してください。
堅い内容だけでは、ただの面談となってしまい、心理的安全性を高めることにはなりません。
また、1 on 1は一回のみではなく、定期的に行うことで効果がでます。
一気に距離を縮めるのではなく、回数を重ねることで心理的安全性を高めていきましょう。
部下の尊重
心理的安全性を高めるためには、上司が部下の意見を尊重しなければいけません。
意見を尊重することで、上司と部下の間で信頼関係が築けます。
たとえば、間違った意見だとしても、一つの意見として尊重したり、価値観の多様性を認めることが主です。
尊重することで「理解してくれている」、「意見を聞いてくれる」と感じるようになるでしょう。
批判や否定だけではなく、承認することが重要になります。
批判だけではなく、まずは認めることを重視してください。
プライベートな会話
プライベートな会話は、心理的安全性を高める上で欠かせないと要素です。
プライベートな会話や雑談は、信頼性を高めるきっかけになります。
単純に考えて、雑談ができる相手とできない相手では、雑談ができる相手の方が信用できるでしょう。
業務中に雑談をすることが良くないとする企業もありますが、雑談を交えることでコミュニケーションが活発になるのです。
雑談で共感しあうことで、仲間意識も強くなります。
心理的安全性を高める上で、雑談は排除するべきものではありません。
新人のサポート
新入社員が入ってきた際は、チームでサポートを行ってください。
新人は、新しい環境や業務に慣れるまで、大きな不安を抱えています。
不安があれば、業務に支障がでる可能性も考えられるでしょう。
そんな新人の心理的安全性を高めるには、チーム全体でサポートすることが重要です。
どんなサポートをするか、役割を分担しながらすすめていくと良いでしょう。
また、チーム全体でサポートすることで、新人だけではなく、既存メンバーの仲も深まります。
評価制度の見直し
心理的安全性を高めるために、評価制度を見直してみましょう。
評価制度によっては、「ミスをしてはいけない」というような、心理的脅威を感じてしまうからです。
とくに、ランク付けのような制度では、メンバーは常に不安や脅威を感じていることになります。
心理的安全性を高めるには、個人評価ではなく、チーム単位で評価するまたはランク付け制度を廃止してみましょう。
1 on 1実施時に評価を行うのも一つの方法です。
近年では、「ノーレイティング」というランク付けしない評価制度を導入している企業も多くなっています。
組織の透明性を上げる
意見を尊重する、承認することも大事ですが、それだけで心理的安全性が高まるかというと、効果は低いです。
重要なのは、「意見がどのように扱われているか」。
そのために、組織の透明性を上げなければいけません。
仕事内容は評価基準の透明性を上げることはもちろん、メンバーが出した意見がしっかり取り入れられてるか、議論されているかわかるようにすることも大事です。
組織を透明化することで、「どうすれば評価があがるのか?」が明確になるため、モチベーションアップにも繋がります。
ピアボーナス
心理的安全性を高める方法として、ピアボーナスを取り入れてみましょう。
ピアボーナスとは、仲間や同僚を意味する「Peer」と特別手当などを意味する「Bonus」を組み合わせたものになります。
ピアボーナスは、メンバー同士が日々の成果を認め合い、貢献などに対して称賛し、ボーナスを送るという仕組みです。
Google社では、社員一人につき、ピアボーナスとして約1万5000円の決裁権が与えられています。
実際にボーナスを送ることで、心理的安全性が高まりやすくなるでしょう。
心理的安全性の測定方法
心理的安全性は、都度測定することをおすすめします。
心理的安全性があると感じても、実際にメンバーがどのように感じているかわかりません。
マネジメントを行ったからといって、どれほどの効果があるかは、測定しないとわからないでしょう。
心理的安全性を測定する方法としては、2つの方法があります。
- 7つの質問
- 3つのサイン
これらの方法は、エイミー・エドモンドソンが測定する方法として挙げています。
心理的安全性を取り入れる際は、測定方法まで理解しておきましょう。
7つの質問
心理的安全性は、7つの質問で測定可能です。
7つの質問に答えてもらうだけで、現在どのような状態かわかります。
7つの質問は、以下の通りです。
- チームの中でミスをすると、たいてい非難される。
- チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える。
- チームのメンバーは、自分と異なるということを理由に他者を拒絶することがある。
- チームに対してリスクのある行動をしても安全である。
- チームの他のメンバーに助けを求めることは難しい。
- チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない。
- チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる。
それぞれの質問に、「強くそう思う/そう思う/どちらとも言えない/あまりそう思わない/そう思わない」で答えてもらいましょう。
1・3・5の度合いが低く、2・4・6・7の度合いが高いほど、心理的安全性が高いといえます。
3つのサイン
心理的安全性が高い状態を知るために、「3つのサイン」という方法があります。
7つの質問同様、エイミー・エドモンドソンが挙げた方法です。
3つのサインは、以下の通り。
- ポジティブな発言が多い
- 成功だけでなく、失敗についても話をする
- 職場に笑いとユーモアがある
この3つのサインを満たしていると、心理的安全性が高い状態です。
簡潔にすると「なんでも言い合える明るい雰囲気になっているかどうか」になります。
3つのサインを感じられるか、日ごろから注意して聞いてみましょう。
柔軟な姿勢が心理的安全性を高める
心理的安全性は、企業の柔軟さが肝です。
「雑談はダメ」「上司が絶対」という企業では、まず心理的安全性は上がらないでしょう。
部下の意見や企業の改善点など、柔軟に考えることで、心理的安全性は高まっていきます。
働き方に関する考えが大きく変わっている現代、心理的安全性を取り入れることは今後の企業の将来を左右するでしょう。
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私たち、まーけっちは、
- 初期設計から分析に至るまでの一貫した理論
- 各アクションごとの専門知識とノウハウ
を持ち、人材管理支援を中心とした業務をサポートできる日本でも有数の企業です。
「心理的安全性を高めて離職率を下げる方法」や、「自分の会社に合う人材はどんな人だろう」など、
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株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温
マーケティングリサーチのプラットフォームの企業で、 最年少で事業部を立ち上げ、広告予算ほぼゼロで、国内トップの実績を達成。
中小・スタートアップ企業のマーケティングに関する構造的課題を痛感し、それを解決するため、株式会社まーけっちを創業。大手企業・国家機関・スタートアップなど100社以上の戦略支援を行い、コミットと売り上げ貢献成果に定評がある。上智大学外国語学部卒。
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