プロモーション戦略の考え方を、実際の事例をもとに徹底解説

プロモーション戦略

プロモーション戦略の立て方、フレームワーク作りは広告最適化でもコンテンツマーケティングでも基礎の基礎の基礎。

しかし、意外と明確な基準はなく、「どの媒体に自社のプロモーションをかけるのが適切なのか」迷われるマーケティング担当者も多いのではないでしょうか。

効率良く顧客にアピールするためには、集客施策に大きな影響を与える、目的に合った出稿先を選ばなくてはいけません。

具体的なプロモーション戦略・予算額を決めるにあたって明確化すべきこと、失敗しない戦略の立て方を、実際の事例と併せて詳しい手順とともにまとめました。

実務に使える内容になっておりますので、必見です!

プロモーション・プロモーション戦略とは?

「プロモーション」とは、企業が自らの商品・サービスの認知度や好感度を高めるための活動です。

マーケティングミックス(4P)のひとつPromotionのことですね。

マーケティングミックス(4P)

  • Promotion:プロモーション戦略
  • Product:製品戦略(プロダクト戦略)
  • Price:価格戦略
  • Place:流通戦略

プロモーションの戦略というのは、最適なマーケティング・コミュニケーションを考察・構成し、広義的に販売促進させることですが、
マーケティングにおいてのコミュニケーションとなる為、「マーケティング・コミュニケーション」ということもできます。

この、プロモーションの戦略、マーケティング・コミュニケーション戦略を立てる際、顧客ターゲットを理解したうえで戦略的にプロモーションを実施している企業はまだ少ないようです。

情報過剰時代における消費者の行動モデルを表現したのが、(株)電通とアタラ合同会社が2015年に提唱したDual AISAIモデルです。

参照:https://dentsu-ho.com/articles/3100

 

Dual AISASモデルが発表されるまでは同じく(株)電通が発表したAISASモデルが支持されていました。

 

このAISASモデル以前は商品購買における消費行動モデル(=「買いたい」のAISAS)でした。

しかし、今は商品は購入しないが、商品に関わるプロモーションやSNS上でのコメントに対し消費者が興味を持ち、拡散するというケースが出てきました。

 

これを商品購買への消費行動とは別に「『広めたい』のA+ISAS」として加えられたのがDual AISASモデルです。

 

「広めたい」のA+ISASでは情報を受け取る消費者の受容・共鳴(Accept)がトリガーとなります。

そのためには、ターゲットの精緻な設定が必要なだけでなく、Dual AISASモデルに沿ったコミュニケーションプラン立案(ターゲットに各フェーズで何をどのように伝えるか)を定める必要があります。

 

このような消費行動の変化を考えずにデジタルマーケティングを実行しても、認知(アテンション)を獲得できない、消費行動に移ってもらえないということで悩んでいる企業が多いです。



実際に顧客データ・リサーチをどのように使うと失敗しないプロモーション戦略が引けるのでしょうか?

実際の事例と共に、プロモーションの戦略のステップを徹底ご紹介します。

 

実際のプロモーション戦略策定の流れ

Step1 具体的な数値目標を設定する

広告費の数値目標を設定するメリットは、社内や代理店などステークホルダーとの間で共通の認識が持てることです。
数値目標という具体的な目標を設定することで、それを基準に話をすることができます。

⇒達成していた場合は、引き続き継続
⇒未達成の場合はテコ入れ

と、広告継続の判断基準を明確にすることもできます。

目標を定めると、議論や施策への評価も一致するので課題の特定や成果への結びつきにも繋がりやすいのです。

プロモーション施策の目的・目標や施策の継続基準を設けてさえいれば、だらだらと広告を出すことも防ぐことができますね。

プロモーション施策の判断 追加?改善?打ち止め?KPIの置き方

できれば、顧客・ユーザーの獲得費(CPAなど)と収益(LTVなど)を定期的に算出・比較できるようにしましょう。

追加投資をしていくべきなのか、改善や打ち止めが必要なのか、難しい判断(ときには向き合うのがつらいことも……笑)ですが、この2つのKPI指標を比較すると判別ができます。

 

◆プロモーション戦略策定 Step2 ターゲットの選定・定義の明確化

ターゲットの切り方は性年齢を中心としたでもグラフィックによるものが主流でした。その他の基本属性などの切り口で大雑把にターゲットが切り分けられることが多かったのです。
しかし、その考えはもはや古い!!といわれています。

現在では、各広告主間においてもターゲットが細分化しています。

さらに奥深いターゲット分析が求められており、課題・ニーズがあるターゲットとして性年代や基本属性に限らないペルソナパターンを見つけ出し、必要な情報を明確化するという手順が理想的と考えられています。

では、具体的にはどのような手順やデータでプロモーションのターゲット選定を行えばいいのでしょう?

まず初めに 課題/ニーズによる 潜在・顕在の定義づけ

ユーザーが対象サービスの価値に対するニーズを自覚しているか、していないかで、潜在か顕在ニーズかを分け、ターゲットわけをすることが多いです。

しかし、実際に事業を進めていくにあたって、それだけでは、本当に顕在化しているのかが明らかにならないケースが多いです。

ユーザーが

自ら情報を取りに行く事があるか
その事態に陥った際に解決する行動をとっているか” 何か対策をしていたか

を聴取することで、ニーズが顕在化したユーザーをあぶりだすことができます!

この顕在ユーザーの課題を解決することができるかどうかを確認できる項目をアンケート上で聴取しサービスの価値、リーチの可能性を図ることができると素晴らしいです。

なぜ、そんな面倒なことをする必要があるのでしょうか?

潜在・顕在ユーザーで実態も違えば、必要な施策も勿論変わってくる場合があるからです。

下図でシニア向けサービスの実例で、それと共に実際のプロモーション戦略策定方法をご紹介します。

下記はニーズ度合いごとに潜在・顕在ユーザーを分けていますが、情報収集しているチャネルの傾向に有意な差が見られています。

プロモーション戦略 
※層ごとのユーザー課題や必要施策が異なる場合と対策についてはこちらにも詳細記載しています。

関連記事:その施策、本当に効果ある? 解くべき課題(離脱要因)を検証するには(2/3)

 

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プロモーション戦略策定 Step3 顧客を理解する(情報精度を上げる)

Step2で明確にしたターゲットユーザー(もしくはターゲットユーザーの候補)はどんな特徴があるのか?それはなぜか?を明確にしておけると良いです。

下図で、シニア向けサービスの実例で実際のプロモーション戦略策定方法をご紹介します。

今回は潜在・顕在のリサーチから、居住地や年収に特徴が見られたため、いったいどんなユーザー層を最も狙うべきかリサーチしています。

□世帯年収(23区内外切り分け)×興味喚起


“元々よく知らなかったが、興味がわいた(詳細まで知りたい)”、”元々よく知っていたが、より興味が増した(今は必要ないが、今後のために詳細を知りたい)” が高かったのが都内の23区外居住者です。

今回のアンケートなど、当サービスの理解によってよりニーズを顕在化できたといえる、この「都内23区外に居住する中流~やや高所得層」が、最注力ターゲットといえそうです。


”元々よく知らなかったが、興味がわいた(今は必要ないが、今後のために詳細を知りたい)”に限っては 都内23区内400万円~1000万円ユーザーが高く、広くニーズ喚起を狙うにはこの層も有力ではあると思われます。

では、そのようなユーザー層にはどのようなプロモーションが効果的か、それをどのように明確にしていけばよいのでしょうか。

 



自社のユーザー層の中でのボトルネック層を明確にし、その層の最適リーチなど、定性面も含め必要なリサーチを行なわなければいけないのはデジタルマーケティングも同じなのです。(しかし、おざなりにされがちで、それがデジタルマーケティングの失敗を呼んでいることも)

※プロモーションにおける効果測定・トラッキングの注意点

トラッキング規制の強化もありますし、行動データが欠如したり、理由や解決施策のアイディアなど、そもそも行動データではわからないことも沢山あります。

※そもそもリサーチやトラッキングが必要な検証とは?

ビジネスインパクト(影響)があって、実行負担が軽いこともデータを集めて検証しがちですが、
ある程度明らかであれば素早い意思決定を優先しましょう。

わざわざ検証すべきは、ビジネスインパクト(影響)が大きそうだけど、実行負荷も高い施策です。
そもそも、ビジネスインパクト大の施策が挙げられているか?各象限の整理ができているか?要注意です。

◆プロモーション戦略策定 Step4 提供価値を明確にする

ターゲットユーザーにとっての提供価値や提示価格を明確化します。

□世帯年収(23区内外切り分け)×重視点

プロモーション戦略全体、対象ユーザー層ともに、「アクセスのしやすさ」が最も高く、次いで「費用」の順であり、その他の観点も選択されています。



ただし、決め手となる「再重視点」に関しては、全体、対象ユーザー層ともに、「アクセスのしやすさ」が最も高く、次いで「費用」が高く上位2位の割合が半数近くとなる為、ほぼこの観点で比較されているのではないかといえます。
(他の項目はあくまでも参考程度)

当初の私達の仮説とは異なり、世帯年収が高い層も、費用については最重視し、決め手となっていることがわかりました。

このように、単に比較軸となる項目と、決め手となる重視軸をきりわけて明確化することは プロモーションやコンテンツの内容を決める上でとても重要です。

□世帯年収(23区内外切り分け)×サイト掲載の価格評価 (競合サイト比較)

注力優先の対象ユーザー(※世帯年収600万円以上)に絞っても、70%以上が「予算内に収まりそう」にわからない~あてはまらないと回答しているため、費用の見せ方は要改善といえそうです。

※ただし、自社サービス以外の提示競合サービスも同傾向だったため、単純な費用感の問題ではないと思われます。
改善する場合、自由記述の内容も踏まえると、費用体系詳細や上限のわかりやすい表示など、抜本的な改善が必要そうです。

 

◆プロモーション戦略策定 Step5 訴求メッセージを明確にする

「使いたい」「買いたい」と思わせるコンテンツ制作の戦略と広告・テクニックの作成術…もといコンテンツ作成の掟については下記記事にて詳細を記載しています。

関連記事:【40事例】コンテンツマーケティング・記事広告 戦略と手順

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◆プロモーション戦略策定 Step6 顧客にリーチするチャネル・媒体選定

ターゲットの種類と幅による選定(例:成人男女全般なのか?20代OL限定なのか?)

自身でWebマーケティング活動を行うにあたり、ペルソナを立て、対象となる明確なターゲットが存在すると思います。
下記はターゲットとなる顧客次第で変わってきます。
きちんとリサーチしましょう。

○ユーザー接点と可処分時間の明確化

顧客はどのような人で、朝起きてから寝るまで、1日を通して何の媒体にどれだけ触れるのか?
デバイスはスマホかPCなのかアナログなのか?

先ほどのシニア向けサービスでの、実際のリサーチ例です。

□世帯年収(23区内外切り分け)×チャネル・媒体

都内23区外 400万円~1000万円ユーザーは 80%近くが、”インターネット検索(比較や解説の記事)”を情報取得元としている。

TV/新聞広告などと併せ、注力していくべきと思われます。

○地域

見込み客が全国にいる場合と特定の地域にしかいないのとでは、選ぶべき手法は大きく変わります。

それらのことを考慮しながら、自社にとって最も費用対効果の高い手法を選んでいくと良いでしょう。
広告に対する投資対効果を明確化し、最も効果的な、ユーザーの行動に結びつきやすい媒体を考える必要があります。

※プロモーション媒体選定の注意点

世の中には色々な広告があります。
大きく分けるとインターネット広告、マス広告、SP広告(セールスプロモーション広告)の3つです。

セグメントのターゲティング精度・絞り込みの細かさ

フェイスブックやGoogleの配信方法には、興味関心にターゲティングするようなメニューもあります。アフィニティーカテゴリーなど。
ここに、自身のサービスに見合うセグメントを選定し、性別、年齢、年収などを掛け合わせて配信を行う方法も可能です。

運用のコスト・わかりやすさ

管理工数の多いことが予測されるInstagramよりも、Web面に配信できるGoogleのディスプレイ広告の方が、スモールスタートの場合は成果としては残しやすいのではないかと考えます。

上記の様なターゲティングで集めてきたユーザーだけInstagramのリターゲティング広告を配信すれば、よりパフォーマンスは上がります。

市場位置による選定(導入期/成長期/成熟期)

導入期や成長期といったライフサイクルの前半は、製品の市場認知度の上昇や市場シェア獲得のために多額の費用を充てます。

通常、新しい メッセージが出来上がっても、実際に効果があるのかテストする必要があります。

広告目的による選定(知名向上/内容理解/ブランディング/販売促進)等

広告媒体の選び方

例えば、ブランディング広告とは、企業やサービスのブランド向上を目的とする広告のことで、レスポンス広告と対になる用語です。
従来からTVCM、新聞、雑誌などのマスメディアが多く使われており、ブランドに関する情報をユーザーに伝え、認知や好意的なイメージを獲得することを目的としています。
ブランドが確立されていない企業では、具体的な商品の内容や他サービスとの優位性などを、まず説明する必要があるので、特にWebのバナー枠などで、ブランディング広告を展開するにはスペースの関係もあり、かなり難しくなります。

プロモーション戦略策定 Step7 媒体に”どれだけ”出すのか 出稿量・金額の選定

さあ、ここまで来たら、媒体ごとの予算配分を決めるだけ。
とはいえこれはとても重要です。どのように決めるのが最適でしょうか。

予算配分:どの広告に予算をかけるか。

・CPAを基準とする決め方
・売上高から算出する方法
・競合と同程度の予算にする方法

費用・過去のレスポンス実績

シミュレーションが出来ない場合は、過去にレスポンスの良かった媒体を選ぶことで、成功の確率を高めることができます。

◆顧客リサーチにはリソースが割けない!戦略は大丈夫?

戦略の意思決定を誤らないために、最低限重要なことだけを明確にできれば、
費用や時間がかからない簡単なリサーチでも十分です。

また、アンケートプロモーションでは、プロモーションと併せてリサーチをおこなうなど、リサーチとしてのコストをかけずに広告効果の補助として適切なリサーチ・マーケティングを行うことも可能です。

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私達、株式会社まーけっちは、事業の成功に根差した、リサーチ・マーケティング支援を追及しています。
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◆代表プロフィール

株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温

マーケティングリサーチのシステムとデータの提案営業を経験後、 最年少で事業部を立ち上げ、若年層国内ナンバーワンのユーザー数を達成。
リサーチの重要性と併せて、コストや施策への活用の課題を痛感し、中小・スタートアップでもリサーチやマーケティング施策の最適化をより手軽に利用できるようにする為、リサーチ×マーケティング支援事業の”株式会社まーけっち”を創業。

 

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