忙しい人は要注意!運動・食事・睡眠でどれだけパフォーマンスが低下するのか

前回の記事では、利便性を高め仕事のパフォーマンスを高めてくれるはずのライフスタイル・ワークスタイルが、逆にパフォーマンスを低下させるリスクを多く孕んでいることを指摘しました。

 

脳と身体を機能させるためには、非常に平凡ではありますが、「運動」「栄養(食事)」「休養(睡眠)」といった生活習慣の改善こそが、このパフォーマンスの低下に対抗する効果的かつ唯一の根本的な「パフォーマンスの改善・向上」に手段であると言えます。

 

今回は運動・食事・睡眠を改善することがいかにパフォーマンスの改善・向上に貢献するかを具体的に解説するとともに、そうはいっても使える時間の限られた多忙なビジネスパーソンが何から始めるべきか?等についてお伝えしていきます。

 

運動・食事・睡眠を蔑ろにするリスク

 

生活と仕事は、切っても切り離せないもの。

 

日々の営みの中に存在する「運動」「食事」「睡眠」の各要素がどのように私たちのパフォーマンスに影響を与えているかを見ていきましょう。

 

運動不足がもたらすパフォーマンスの低下

 

狩猟生活において、獲物を長時間走ったり歩いたりして追いかけ続けることができるように発達してきた我々人間の脳と身体のメカニズムは、運動をすることで正常に機能するように作られています。

 

ここでいう運動というのは、意識的に大きな筋力を発揮したり、心拍数が平常時よりも高くなるようないわゆる「運動」だけでなく、日常生活に紐づく歩行等も含みます。

 

運動がもたらす恩恵については後述しますが、運動不足によってその恩恵に与れないだけでなく、この逆の現象が起きることは想像に難くないはずです。

 

こんなことを感じたことはないでしょうか。

 

体力が落ちて疲れを感じやすくなり、すぐ休憩したくなる。

腰痛や肩こり、手先や足先の冷えが気になって目先の仕事への集中力が低下する。

 

脳への血流は低下し、気分が晴れず、すぐにイライラしたり落ち込んだりすることが増え、ストレスを感じやすくなるとともに、考え方がネガティブになり、新しいことを思いついたりクリエイティブなアイデアが出せなくなる。

 

仕事で疲れているはずなのに、どうも寝つきが悪い。

 

これらは運動不足による影響が大きいパフォーマンス低下や、それにつながる生活の乱れの例です。

 

ビジネスパーソンにとって、運動は単に目先のダイエットのために嫌々取り組むべき手段ではなく、我々の脳を正常に働かせるために欠かせないパフォーマンスを正常化し高めるための欠かせないピースといえるのです。

 

食事が脳の働きを変える

 

食事を摂ることは、単に体を動かすためのエネルギーを体内に入れる作業というだけでなく、脳や身体を健康に保つための「建築材料」を取り込むことでもあります。同時に、食事をすること自体が脳に信号を送り、脳と身体が正常なリズムとバランスで働くためのサインになっていると言えます。

そして運動だけでなく、食事もまた我々の遺伝子が狩猟生活に適応したままであることに大きな影響を受けます。

 

狩猟生活を生き抜いてきた我々の祖先は、食糧が手に入らないようなことがあっても良いように貴重なエネルギー源を体に蓄えること、また肉食動物から逃げるような緊急時には素早く逃げるための燃料に変えられることを最重要として、消化・吸収やエネルギー代謝の仕組みを進化させてきました。

 

狩猟で食物を得ていた時代には、我々が簡単に口にするような糖分や塩分の塊のような料理や加工食品など存在しません。

自然界に存在する程度を大きく超えた強烈な糖分や塩分は、脳や身体のが発揮するパフォーマンスや状態に短期的にも中長期的にも悪影響を及ぼします。

 

また、何を食べるかだけでなく、それをいつ食べるのか、どの食材から摂るのかなど様々な要素によって、我々の健康状態や脳のパフォーマンスは大きな影響を受けます。

勿論、体の健康状態によって栄養素への反応やその度合いも変わってきます。

 

朝食を抜くことで脳が起きず、午前中いっぱい頭がさえない。

頭がさえない、やる気がわかない…

 

これらは動く機会が少ないけど瘦せたいから食事を抜いたり適当に済ませる、仕事が終わらないからと食事が不規則になるなど「食事の乱れ」が招く脳の働きの低下のほんの一部です。

 

その他にも腸内環境からくる免疫力の低下、基礎代謝の低下からくる冷え性、お酒の飲み方の影響で睡眠の質が低下するなど、知らなければ一見些細に思える食事の乱れが及ぼす影響は、想像を超えて広範囲にわたるといえます。

 

仕事のパフォーマンスに及ぼす睡眠不足の影響

 

睡眠不足が仕事にとってマイナスなのは、今更言われるまでもなく多くの方が体験したことがあることでしょう。

 

ミーティング中の会話が音として聞こえてはいるものの頭に入ってこず、〆切の近いプレゼン資料を進めようとPCを目の前にしても作業が進まず、ウトウトしてしまう。

睡魔と格闘することに時間とエネルギーを奪われ、ようやく頭が働くようになったと思えば既に午後のいい時間。

 

睡眠の質は、睡眠に入ってしまうと自分ではコントロールできないため、起きている時間中の行動や睡眠環境作りが左右します。

 

しかし、PCからスマホから手段を問わずひっきりなしに通知を送ってくるコミュニケーションツールや電話、ついオススメされるままに視聴してしまうYoutubeや眺め続けてしまうSNS…

 

これらによって睡眠時間が削られているだけでなく、現代的なワークスタイルによって睡眠の質自体が低下しているのが事実です。

 

何から手を付けるのが効果的か?

 

仕事のパフォ―マンスを改善したければ、運動も食事も睡眠も、何かしらの改善をした方がよさそうだということはお分かりいただけたかと思います。

 

しかし、「じゃあ、具体的に何をどうすればよいのか?」という疑問が当然頭に浮かぶでしょう。

全ての要素をすぐに改善できれば、当然それに越したことはありません。

しかし、一度に生活習慣をガラッと変えることは大きな負担になります。

 

それなら、何から手を付ければよいか?

 

生活改善やパフォーマンス改善の指導者としての私の経験上、特に制約がない場合は運動から着手することを推奨しています。

 

その理由はリスクやコストがほぼゼロで始めやすいこと、そして運動をすること自体が食事や睡眠の質の改善に繋がることです。

 

運動によって起こるポジティブな効果

 

取り組みやすさ、波及効果の高さを考えると、小難しい理屈はさておき、今すぐ運動を始めない理由はありません。

ですが、ここでは敢えて「小難しい理屈」を少しだけご紹介しましょう。

 

シンプルな例で言えば、ウォーキングのような軽い運動でも体内での血流が高まり、脳へ酸素が供給される量が多くなります。

このことによって脳細胞の働きは良くなるため、思考がクリアになり考えがまとまったり、新しいアイデアが浮かぶ、すっきりした気分になる、ネガティブな感情が解消されて物事のとらえ方がポジティブになるなどを感じたことがある人は少なくないと思います。

運動がパフォーマンスを改善してくれる、効果のほんの一例です。

 

このように、心拍数の変化による血流量の変化や酸素を取り込む量の変化自体が脳に影響を与えることもありますが、それらの変化を脳が感じ取ることによって、ホルモンをはじめとした体内での化学変化をコントロールする物質の分泌量が変化し、脳の機能を上手く働かせたり、高めることがことができるのです。

 

軽いウォーキングから始めるなら、普段着で行うことができ、場所を借りたり特定の場所に行かなくても始められ、金銭的なコストはほぼゼロです。サンダルでも全く問題なし。

 

上記のような効果を感じてみたければ、今すぐ靴やサンダルを履いて外出すればよいし、方法によっては外出せず室内で始めることだって可能です。

(ただし気温や湿度などの環境の変化、景色が変わることなど互換への刺激を考慮すると屋外に出る方が効果的な面はあります)

 

運動が食事や睡眠の改善にもたらすプラスの波及効果

 

ストレスを感じていたり疲れていると、甘いものや塩辛いものなど「味の濃いもの」を脳が求めるようになり、また消費した以上のカロリーを摂取させようとします。。

運動によってストレスを解消するとともに、ストレス耐性を高めることができ、こうした「食欲の乱れ」を防止することができます。

 

また、食後に軽く体を動かすことで、血糖値の急上昇を防ぐことができ、眠気ややる気の起きない状態を防ぎます。

 

さらに、一定以上の負荷をかけた運動を行うことで、ホルモン分泌の変化によって食欲を抑制して食べすぎに歯止めをかけてくれます。

 

このように、運動することが食事行動や食事から栄養を取り込む身体自体の機能を改善してくれるのです。

 

次に睡眠に及ぼす影響を見てみましょう。

 

一日仕事で疲れているのに、目がさえてしまって寝ようと思っても眠れない…これは長時間ストレスに晒されて交感神経優位になってしまっていることが原因です。

運動がストレスを緩和してくれるとともに眠りを深くし、睡眠の質を高めることができるということです。

 

また興味深いデータとして、最近の研究では睡眠不足の悪影響を運動が緩和してくれることが分かりました。

睡眠を十分にとることが基本ではある者の、ある程度までは寝不足でも運動したが脳の健康にもパフォーマンスを高めるという意味でも良い結果につながるということです。

 

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今回の記事を読んでくださったあなたが、少しでも「ちょっと運動してみようかな」という気になって頂けていたら幸いです。

 

次回以降は、具体的にどんな運動が、どんなパフォーマンス課題に対して有効なソリューションとなるのかを見ていきましょう。

 

【筆者プロフィール】

 

藤田 英継(ふじた ひでつぐ)

パーソナルトレーニングジムevergreen代表

 

2006年東京大学大学院 身体運動科学研究室 修士課程修了

コンサルティングファーム勤務などを経て2008年にパーソナルトレーナーとして独立。

2016年表参道にパーソナルトレーニングジムevergreenをオープン。

 

大学院で専攻した運動生理学の知識と情報を活用し、ダイエットやボディメイクといった外見を変えるためだけでなく、運動や食事などライフスタイルの改善を通してクライアントの記憶力や集中力、認知機能の改善を指導し、ビジネス上の「パフォーマンスアップ」をサポートする。

完全マンツーマンのプライベートジムとして、人間国宝や外交官・美容関連企業の取締役まで、自らの心身の状態が仕事の成否に繋がるエグゼクティブクラスのビジネスパーソンに口コミで広がる。トレーナー養成スクール講師、通信教育講座や各種資格講座の全体監修、教材の執筆等も務め、健康についての情報を正しく活かせるようになる「健康リテラシー」向上の活動も行っている。

自著「そのヘルシーがあなたをデブにする」「油を制する者がダイエットを制す~体脂肪を最速で減らすための「油」との付き合い方3つのルール」は、いずれもamazonでカテゴリー別ベストセラー。

 

 

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◆代表プロフィール

株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温

マーケティングリサーチのシステムとデータの提案営業を経験後、 最年少で事業部を立ち上げ、若年層国内ナンバーワンのユーザー数を達成。
リサーチの重要性と併せて、コストや施策への活用の課題を痛感し、中小・スタートアップでもリサーチやマーケティング施策の最適化をより手軽に利用できるようにする為、リサーチ×マーケティング支援事業の”株式会社まーけっち”を創業。

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