戦略・事業
新規事業を立ち上げるポイントとは?ビジネスに役立つフレームワークを紹介
2023.07.10
この記事では新規事業を立ち上げる方法やポイントを紹介します。
合わせて、新規事業の立ち上げに役立つビジネス上のフレームワークを紹介するので、参考にしてください。
新規事業の立ち上げでビジネスを成長させましょう!
<この記事で分かること>
・新規事業の立ち上げはなぜ必要?
・新規事業の立ち上げによるメリットとは?
・新記事号の立ち上げに役立つフレームワークを知りたい
新規事業立ち上げはなぜ必要?
新規事業とは企業がこれまで携わっていなかった新たな分野の事業のことです。
新たな事業分野に参入するため、新規事業の立ち上げには大きなリスクが伴います。
しかし、新規事業の立ち上げが上手くいくと新しいビジネスチャンスが生まれるなど、企業にとって大きな成長のきっかけとなるでしょう。
新規事業と既存事業の違い
新規事業と既存事業の違いとしては、これまでに携わっていた事業であるかどうかにあります。
既存事業ではこれまでに培ってきたノウハウを活用した事業の展開ができるため、ある程度事業の進め方が分かっている状態です。
一方、新規事業では新しいことに挑戦するため、ノウハウが分からず行き詰まってしまうこともあるかもしれません。
既存事業との相乗効果(シナジー)
新規事業を立ち上げることによって、既存事業との相乗効果(シナジー)を見込めます。
新規事業が成功することで自社の顧客やファンが増えて、既存事業の売上アップに繋がるのです。
例えば、新規事業に関心を示してくれた顧客が既存の事業にも関心を示してくれる機会が増えます。
また、新規事業で会得したノウハウを既存事業に転用することもできるでしょう。
ゼロから新規事業を立ち上げる
新規事業では何もないところから新規自業を立ち上げる必要があります。
ゼロから何かを作るためには画期的なアイデアが必要です。
企業は組織として新規事業を立ち上げ、管理しながら進めていきます。
新規事業の立ち上げには何が必要?
新規事業の立ち上げにはプロジェクトを編成して組織で管理していく必要があります。
プロジェクトを立ち上げるためには「適切な人員確保」「事業を立ち上げるための資金」など社内リソースが必要です。
場合によっては社外リソースを活用して専門ノウハウを活かして活躍するケースもあります。
新規事業立ち上げのメリット
新規事業を立ち上げることで、以下3点のメリットがあります。
- 収益力を高められる
- リスクヘッジに繋がる
- 人材の価値が高まる
メリット①:収益力を高められる
新規事業を立ち上げることで企業の収益力を高められます。
事業を増やすということは収益を生み出すための柱が増えるということです。
事業が多いほどビジネスのチャンスも増えるため、既存事業の収益力を高めることも期待できます。
ただし、新事業の立ち上げには投資分を回収できなくなるリスクもあります。
新規事業の立ち上げには投資回収ができるかどうか慎重に見極めなければなりません。
メリット②:リスクヘッジに繋がる
企業は日々の外部変化に巻き込まれるため、多くの事業を抱えてリスクを回避する策を取らなければなりません。
新規事業は新たな事業領域となるため、既存事業では環境の変化に対応できなくなるリスクがあります。
新しいことに挑戦することは短期的に考えるとリスクが大きいかもしれませんが、長期的に考えれば将来のリスクを回避できる手段に繋がるのです。
メリット③:人材の価値が高まる
新規事業を立ち上げることで自社の人材価値が高まることを期待できます。
新しい事業を立ち上げることは新しいアイデアを創出する機会であり、経営者の目線からビジネスを捉えられます。
経営者目線で事業を考えられる人材は企業の成長を促す存在となるでしょう。
新規事業立ち上げの方法とポイント
新規事業を立ち上げる際の方法として、以下の手順で進める必要があります。
- 課題を見つける
- 目標を設定する
- 市場調査を行う
- 環境を整える
課題を見つける
新規事業を立ち上げる際は、事業における課題を明確にする必要があります。
市場や顧客がどんな課題を抱えているのか、自社はどのようなソリューションを提案できるのかを新規事業によって解決します。
目標を設定する
ビジネスの目標を設定することが必要です。
目標が定まっていない状態でプロジェクトを進めてしまうと何のために事業を進めていくのか分からなくなってしまいます。
新規事業の立ち上げには課題を発見して適切な目標を設定し、プロジェクト内で共有するようにしましょう。
市場調査を行う
ビジネスを進めていくうえでは企業を取り巻く市場を調査する必要があります。
市場調査では顧客のニーズや競合の存在を確認し、自社が市場でどのような立ち位置にいるのか、他社と比べてどのような強みがあるのかを確認しましょう。
環境を整える
プロジェクトを進めていくには、以下のように適切な人員配置やモノなどの資源が必要です。
また、資金調達を実施して適切に予算管理をしなければなりません。
- プロジェクトチームの編成
- 資金調達
- 外注先の選定
- プロジェクトを評価する
プロジェクトチームの編成
事業を進めていくうえでは、ビジネスを動かすプロジェクトおよび人員を確保する必要があります。
新規事業を立ち上げるための人員を確保するためには社内で担当者を決定します。
適切な担当者を決めるためにはコンテスト形式をとることが一般的です。
新規事業に関してアイデアを持った有志によって新規事業のアイデアを立ち上げられます。
外注先の選定
新規事業を立ち上げる際は自社のリソースだけでなく、外部のリソースを活用する場合も多いです。
専門のビジネスノウハウを有したコンサルタントや調査会社を活用することで自社のリソースで賄えない仕事ができるようになります。
資金調達
事業の立ち上げには資金が必要です。
社内のリソースをプロジェクトに充てられるのか、あるいは必要があれば金融機関から資金調達する選択をする必要があります。
プロジェクトを評価する
プロジェクトは遂行するだけでなく、評価する体制が必要です。
投資を回収できる価値のあるプロジェクトなのか、プロジェクトの進行状況は遅れていないかなどを評価します。
新規事業の立ち上げに役立つフレームワーク
新規事業を立ち上げる際にはフレームワークの活用が効果的です。
ビジネスにおけるフレームワークとはビジネスを進めるうえで共通するビジネスの進め方や意思決定の方法、ビジネス戦略などを定型化したものです。
新規事業の立ち上げにおいてはフレームワークを活用することで、ある程度決められた枠組みに沿って戦略を立てることが可能です。
新規事業に立ち上げるフレームワークとしておすすめしたいのが、以下の手法です。
- KPI
- ビジネスロードマップ
- ペルソナ分析
- 3C分析
- SWOT分析
- PDCAサイクル
KPI
KPI(重要業績評価指標)は業績を管理するために役立つフレームワークです。
KPIはプロジェクトの途中にあるプロセスを評価します。
プロジェクトの途中で定点観測することで、プロジェクトの進捗度合い及び目標の達成度合いをチェックします。
KPIとKGIの違い
KPIと似た指標にKGIというフレームワークがあります。
KGIとはプロジェクトの最終目標を達成したかどうかの指標です。
例えば、売上高や成約数などはKGIの代表例です。
一方、KPIはプロジェクトの途中にあるプロセスでの達成度合いを評価します。
プロジェクトを管理するうえではKPIのようにプロセスごとに細かく区切って評価をしなければなりません。
- KPI:目標を達成するプロセスでの達成度合いを評価する。Key Performance Indicator
- KGI:最終目標を達成したかどうかを評価する。Key Goal Indicator
ビジネスロードマップ
ビジネスロードマップとは目標達成に必要なことを時系列で図表でまとめたものです。
ビジネスロードマップでは以下のように目標を可視化し、目標を達成することに必要なプロセスを明確にします。
- 達成するべき目標
- 時間軸の設定
- 現在の状況を整理する
- 中間目標を設定する
- 問題の解決状況を書く
以上がビジネスロードマップを作成する際にまとめておくべき情報です。
ビジネスロードマップを用意しておくことで、プロジェクトメンバーに分かりやすく現状や目標を共有できるメリットもあります。
ペルソナ分析
新規事業の立ち上げにはペルソナ分析が有効です。
ペルソナ分析では商品やサービスを提供する際に、どんなターゲットに向けられたものであるのか属性やターゲットを細かく設定します。
例えば、「20代で就労中の女性顧客」といったように職業や年齢、性別などを細かく具体的に定義します。
ペルソナ分析をすることで、新規事業の立ち上げをする際に具体的なターゲットを設定できるようになります。
また、ペルソナを設定しておくことでプロジェクト内に共有の認識を持つことが可能です。
カスタマージャーニー
ペルソナ分析をする際に役立つのが「カスタマージャーニー」というフレームワークです。
カスタマージャーニーは「顧客の旅」という意味で、特定の顧客が自社の商品やサービスを認知してから購入に至るまでの活動を段階的に記した図表です。
カスタマージャーニーでは顧客の要望や購入に至るまでの行動を細かく想像し、マップ上に書き起こします。
新規事業を立ち上げる際には、顧客の細かい動きを調整するためにカスタマージャーニーが有効です。
3C分析
3C分析はマーケティング環境を分析するためのフレームワークです。
3C分析では以下3つの要因を分析することで、業界の環境やニーズなどを調査します。
- Customer(市場・顧客)
- Competitor(競合)
- Company(企業)
新規事業を立ち上げるためには市場および顧客(Customer)からの反応が必須です。
自社の製品やサービスにお金を払ってくれる顧客からの評価を意識することが新規事業の成功に繋がるでしょう。
新規事業を成功させるためには競合(Competitor)の存在を認識し、彼らに打ち勝つための戦略を立てなければなりません。
また、自社(Company)が市場においてどのような立ち位置であり、競合に比べた時の強みがどこにあるかを認識しておくことも重要です。
SWOT分析
SWOT分析とは企業の内部環境と外部環境を以下4つの要因から分析するフレームワークです。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
企業の外部環境とは経済や政策、法律など自社が関与できない要因です。
例えば、法律改正が自社にとってプラスになる場合、新たな機会が生まれるため企業にとってはプラスの要因となります。
SWOT分析ではこれらの要因を分析し、自社を取り巻く環境あるいは自社内の環境を効率的に活用することを目指します。
PDCAサイクル
PDCAサイクルとは以下4つのプロセスを繰り返す(サイクル)ことでプロジェクトを効率的に運用することです。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(測定)
- Action(改善)
新規事業の立ち上げにはPDCAサイクルが不可欠です。
PDCAサイクルを実行することによって、新規事業におけるプロジェクト管理を効率的に進められます。
新規事業の立ち上げでビジネスを成長させよう!
新規事業は企業にとって大きな挑戦であるとともに、収益を伸ばせるチャンスにも繋がります。
新しいビジネスに挑戦することは将来的なビジネス機会の獲得や人材成長も見込めるでしょう。
新規事業を立ち上げるには目標設定や入念な市場調査のほか、人員確保や資金調達が必要です。
また、新規事業の立ち上げる際はプロジェクトを編成し、組織で計画的にプロジェクトを管理する必要があります。
プロジェクトを管理するためには適切な人員確保や資金調達をしましょう。
新規事業の立ち上げは手探りで進めていく必要がありますが、フレームワークを活用することでプロジェクトの進め方を計画しやすくなります。
新規事業の立ち上げでビジネスを成長させる一歩を進めましょう。