マーケティングで圧倒的成果を出すには?(前編) ないがしろにされがちな3C理解が成果を引き上げる!

「思うように成果が出せない・・・会社や上司が評価してくれない!」
そんな、マーケターのボヤキをよくききます。
マーケターが成果を出して、評価されるにはどうすればいいのか?今回は株式会社MOTTO代表の佐藤様にお話を伺いました!

株式会社MOTTO代表の佐藤様のご紹介

株式会社MOTTO 代表取締役 佐藤 基様

株式会社ドリコム、エキサイト株式会社を経て、2011年株式会社ディー・エヌ・エーに入社。入社後は一貫してモバイルビジネスのマーケティングを担当し、特にスマートフォンゲームのマーケティングは黎明期から現在まで約7年間経験。マーケティング部門の責任者を経て、2018年に独立し、株式会社MOTTOを設立。主にモバイルゲームやアプリのマーケティング戦略の立案と実行を支援。

YouTuberを活用したマーケティングは2014年から取り組み、
「逆転オセロニア」を中心にYouTuberタイアップ国内最多の実施本数の経験を保有。

■セミナー登壇事例
・Tokyo Game Show 2016
・Next Marketing Summit 2017 など

「目的と戦術」だけの、大きな成果が上がらない「HOW思考」に陥っているマーケターが驚くほど多い

株式会社まーけっち代表 山中思温(以下山中) :
まず、マーケティングで成果を出すには「最低限、何を知らないといけないか」ということを教えてください。

佐藤様 : マーケティングはとても奥深いものなので、「最低限」を定義することは難しいのですが、良く一番に言われるのは、「ユーザー理解」だと思います。ユーザーのことを深く知るのは大変に重要ではあるのですが、ユーザー理解”だけ”では不十分だと考えています。マーケティングで成果を出すには、「3C」の視点が重要だと思います。

山中 : かの有名な「3C」ですか?

佐藤様 : はい(笑)マーケティングの基本の「3C分析」です。ただ、基本の「3C」が意外と明確化できていないことが多いのです。

 

※3Cとは
Company:「自社」の状況、プロダクト
Competitor:「市場・競合」
Customer:「ユーザー・顧客」

 

 

 

マーケティング=事業 マーケティングを抑える上で必須な戦略思考のフレームワーク

マーケティングを考える上で、いつも使っている戦略思考のフレームワークがあるのですが、
きちんと思考をするために3Cの深い理解が役に立つと考えています。まずは戦略思考フレームワークを紹介します。

マーケティング戦略思考のフレームワーク

①目的
1つ目は「目的」です。
目的と目標を混同しやすいのですが、目的は「何をしたいのか、成したいのか」と定義しています。
例えば山中さんの事業、 株式会社まーけっちのサービスなら「事業推進する人を応援したい」になります。
3Cでは、「自社」のことですね。目的は「自社」のことを深く理解しないと設定することができません。

②目標
2つ目は「目標」です。
目標は、「目的を達成するために、何を、いつまでに、どれくらいにするか」、と定義しています。
3Cでは、「自社」、「競合・市場」、「ユーザー」の全てを理解しなければ、適切な目標を設定することができません。
そのため、適切に目標を設定することはとても難しいことなんです。

③課題
3つ目は、「課題」です。
課題は、目標を達成するための「現状とのギャップ、及び、乗り越えなければいけないこと」です。
こちらも3Cでは、「自社」、「競合・市場」、「ユーザー」の全てに関連してきます。
課題設定は、戦略の中心となる最も重要といえる項目なのですが、目標と同様にとても難しいことです。
課題設定がズレてしまっている、曖昧にしてしまっている、ということは「現場あるある」です。

④戦略
4つ目は、「戦略」です。
戦略は、「課題を乗り越える、解決するための方針。向かうべき方向」です。
3Cを分析した集大成として、導き出されるものと言えます。

⑤戦術
最後となる5つ目は、「戦術」です。
戦術 は、「戦略を実行するためのアクションプラン」です。具体的に、どんなことを、いつまでに、誰が、どれくらいのリソースや予算を使って実行するか?ということになります。

佐藤様 :上記の5点がマーケティングを考える上での思考のフレームワークになります。

山中 : 例えばまーけっちなら、目的は「事業を推進したい人を支援したい」→達成のために「成果報酬の広告やリサーチで成果を出す」→目標「いつまでに何をするか」→ その課題が、「商材自体の認知や、商材の強みがまだ伝わっていません」、などそういうことですか?

佐藤様 : はい、そんな感じです(笑)。まーけっちとしてまだ目標を達成できていない場合、その要因は何なのか?プロダクトの強みがターゲットに伝わっていないとすると、それはなぜなのか?そもそもプロダクトの魅力は十分なのか?価格なのか?それとも伝えている手法が悪いのか?
課題は、全て3Cの視点での分析から導きだされるといえると思います。

 

マーケテイング戦略思考 まーけっちの場合の例(概要)

 

佐藤様 : このように3Cの視点は、適切にマーケティングを考える上でとても重要だと思っていて、
まさに「成果を出すために最低限必要な視点」なのではないかと。

ただし、3Cを正しく理解することは簡単ではありません。
実際にマーケティングの現場でも3C分析が曖昧な場合もとても多いと思っています。
日々、忙しいマーケターにとって、あまりにも基本的で、ないがしろにしてしまっているケースが多いのかなと感じています。

そのくらい、目標が曖昧、課題感がないという、「マーケティング思考」が明確化できていないまま進んでしまうことのよくあること。

特に、デジタルマーケターとかになっちゃうと、「CPAが高いこと」が課題と言ったりするんだけど、それは事象なだけであって課題じゃないんですよ。
「獲得がなくなりました」みたいな話。なんでそうなるかっていうと、目標と戦術だけあるからなんです。しかも、目標も忘れかけちゃってるみたいなケースも凄く多いんですよね。特に、戦術だけある場合が多い。例: 「リスティング広告に1000万使う」みたいな。how思考と呼んでいるものが起こってしまっています。

戦術も案外ちゃんと決まってないことが多いんですよ。なぜかっていうと、他が浅いからなんですよ。

なんと、5割が基本のマーケティング・3Cの明確化ができていない!?

 

山中 : 緊急度・重要度が高い場合は、忙しくても取り組みますよね。3Cがないがしろになるのは、重要だという認識が低いからでしょうか?

佐藤様 : どちらかというと緊急度低いのだと思います。3Cが重要だよねなんて、聞いたらみんなそう思うはずなんです。

山中 : 3Cをわかっていなくても、なんとなく戦術は決められてしまうから、緊急度が低く感じるんですかね?

佐藤様 : はい。ただ、勿論実際は緊急度が低くは無いんですよ。ユーザー・市場・競合のことがわかってないと良い戦術が作れるわけもありません。

山中 : だから、3Cを踏まえた戦略・戦術の取り組みができていなくて、非常にもったいないケースが多いんですね・・・・
今まで色々な組織を見てきて、3Cが上手く考えられているところは何割くらいでしょうか?

佐藤様 : うーん、僕の経験では半分くらいでしょうか。しっかりしている会社とそうでない会社が分かれる印象があります。

山中 : なんと・・! 5割は、できてない。

インターネットサービスが、基本の3Cができていないケースが多い理由とは?

山中 : 希少な、3C理解とそれを踏まえたマーケテイングができている組織は何がそうさせるのでしょうか。
ここでいうところの「マーケティング思考」と3Cの理解と対応が重要という文化の醸成がちゃんと出来ているということでしょうか。

佐藤様 : はい、文化も大きいと思います。

もう一つあるのは、部門横断でマーケティングに取り組めているかどうかも大きいと感じています。宣伝とプロダクトの組織が分断されすぎていると、役割に応じて3Cの理解が曖昧になりがちなんですよ。
よくあるのは、宣伝部署がプロダクトのことが理解できていない、もしくは、プロダクトの部署が市場やユーザーのことを理解できていない、というケースです。
結果として、良いプロダクト作りやマーケティングができていない、ということになってしまいます。

山中:  なるほど〜。部署ごとに個別に強かったとしても、事業一貫して見ると、3C理解ができていなくて、「マーケティングが弱い」となってしまうんですね。つらい。というか、もったいない。

佐藤様 : だからマーケティングは事業全体として取り組む必要があるなと思います。

必要なのが、事業に携われるメンバーが役割に関係なく、事業の「目標と課題」を一致することかなと。
消費財メーカーが採用しているブランドマネージャー制は、その点優れていると感じていて、マーケティングをもとにプロダクトも宣伝も作っていくので、一気通貫しやすいのです。
しかし、インターネットビジネスは、プロダクトと宣伝が分かれているケースがまだ多いと思っています。理由の一つが最初は少数のメンバーが小さく立ち上がり、ビジネスが成長するにつれて、マーケティングの担当者が専任でアサインされる、ようにビジネスに合わせて組織が大きくなっていくことが多いからではないかと。プロダクトを立ち上げた人もマーケティングの経験がない方も多いなと思っています。山中さんもそうだったんですよね?

山中 : (どきっ!?)※山中はマーケティングほぼ未経験からアプリの立ち上げ・グロース・運用組織作りなどを行いました。

だから、メーカーとかオフラインの商材はリサーチに費用や人的リソースを割くけど、インターネット系はあまり割かないのですね。

マーケティングに不可欠なデータは意外と取得できていない問題

佐藤様 : そういう傾向はありますよね。モノ作りのプロセスが違うということと、インターネット系だと取得できる数値も多いので、リサーチが不要な気がしてしまうんですよね。ただし、取得できている数値は、3Cとしては一部だなと思います。

山中 : 取れているデータだけでわかることはほんの一部で、3Cの明確化に必要なデータとしては不足しますよね。

佐藤様 : サイトアナリティクスのデータも取れているのは、あくまでもサイトに訪問してくれたユーザーや利用者のデータのみです。実際にマーケティングでは、サイトに訪問してくれていないユーザー、まだ未利用ユーザーのことを理解することもとても重要です。

山中 : 確かに、離脱ユーザーのほうが課題としての重要度合いと改善効果高いから離脱ユーザーに絞って見るのが重要な場合も、「ユーザー」とひとくくりに扱ってアンケートやインタビューなどのリサーチをしていて、ふたを開けたらほとんどが定着ユーザーということは非常に多いです。

佐藤様 : マーケティングに必要なデータや情報をきちんと理解するためにも、「3C」の視点を常に持つっておくことが重要だと思います。

次回の、マーケティングで成果を出すには (中編)は「 まずはこれだけ!リサーチで明らかにすべきこととは?」です。お楽しみに!

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