コミュニティ運営のコツ:ボトムアップでチームを動かすには

*本記事は 高橋龍征氏のnote記事をご本人の許諾を得たうえで加筆/転載した記事となります。共同でセミナー企画・集客のご相談を受け付けています。お困りごとや不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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コミュニティ運営のコツ:コミュニティのメンバーが自走しない

質問
ある新設コミュニティのチームリーダーとなりましたが、メンバーが自発的に動いてはくれません。
また、チームの下にサブのチームに分け、リーダーをアサインしましたが一々「どうすればいいですか」「これでいいですか」と聞いてきます。
コミュニティがボトムアップで自走するには、どうすればいいですか。

コミュニティ運営のコツ:自走する「ボトムアップ」は結果であり、最初は介入が必要

この質問の前提として「ボトムアップ」を具体的にしなければ、議論が噛み合わなくなります。

質問者さんは、おそらく以下のようなイメージを持っていると推察します。

メンバーが自分で考え、判断、行動、自己管理し、結果を出す
リーダーは方向性を示すこと、重要な判断を下すだけ

しかしこのような「リーダーが何もしないボトムアップ」は、出来上がった大企業でしか成り立たないでしょう。

プロセスやプロジェクトを自走させるまでには、リーダーが適切に介入する必要があります。

なお本稿での「リーダー」とは、主催者だけでなく分科会のようなサブ組織でメンバーを統括し、何かしらのアウトプットを出す責を追う立場、くらいを意味しております。

 

コミュニティではリーダーよりメンバーの方が強い

時々、コミュニティを会社と勘違いして、ゴール、ルール、組織、プロセスを決め、役割とタスクを割り当て、進捗を管理しようとする人がいます。

しかし、タスクを割り当てられたメンバー当人の本気度が低く、強制力がなければ、それら全ての仕組みは徒労にしかなりません。メンバーが「やらない」と決めたら終わりだからです。

「自分でやるといったからやるべき」とリーダーが言ったところで、メンバーはそれをやる義務もなければ、やらなくて困ることもありません。

なぜなら、コミュニティは自主的な活動により成り立つもので、雇用契約や業務委託契約のような強制力がないからです。

リーダーは何かの思惑でその活動にコミットしているでしょうが、メンバーは軽い気持ちや軽い打算で参加しているので、その軽いベネフィット以上の負荷を求めても、見合わないと判断され「それならやめとこう」となるのがオチでしょう。

成果を出さなければならないリーダーと、出さなくても良いメンバーのパワーバランスは、両者の間に強制力がないならば、リーダーよりメンバーの方が強くなります。

 

 

コミュニティ運営のコツ:まず負荷を減らす

コミュニティにおけるリーダーとメンバーとの関係は、機能上の役割分担でしかなく、権限の上下関係ではないので、指示というより提案や依頼に近い考えになります。

そんな状況でリーダーが出来ることは以下でしょう。

1)心理的動機付け:共感、人間関係
2)合理的動機付け:長期的・短期的リターン、強制が働く構造
3)精神負荷を下げる:ルール、文化、声がけ、やってみせる、提案、判断
4)工数負荷を下げる:絞る、簡素化/標準化/テンプレ化/自動化、支援

合理的動機付けや共感は結果や実態が見えてこないと相手に腹落ちさせるのは難しいです。コミュニティに必要な関係性は飲み会などではなく、具体的なプロジェクトを一緒にやることで構築されるので、これもすぐに出来るものではありません。

最も確実なのは、気軽に出来るようにする、つまり、負荷を下げることです。

あまりあれこれ手を出さず、本当に必要なことに絞りましょう。特に、リーダーの精神安定を目的とした管理のための管理を強制し始めると、メンバーは一気に冷めます。

案外見逃されがちなのが「精神的負荷」です。人は何かを考える、判断する、人と調整する、管理するといったことに負荷を感じます。

 

メンバーには「頑張る」理由がない

もちろん仕事では当然にやっているものですが、そのような負荷を感じる対象は可能な限り減らしたいと思うものです。

リーダーにとって、コミュニティは思考・判断・調整・管理などを行う対象ですが、大部分のメンバーにとってはそこまでではないので、面倒なことは極力避けたいと思うはずです。

人間関係もできておらず、ベネフィットが確信できない段階では、期待リターンが弱い分、そこに投入しようと思う工数や精神力も少ないでしょう。

「忙しくてそこまで手が回らない」のは、回避できたはずの説明・質疑・手戻り・重複に手を取られているのであり、それらを未然に回避する「前始末」は、リーダーの責務であり、最初に手を回すべきことです。

 

コミュニティ運営のコツ:目標を定め、結果を出し、自走するまでお膳立て

期限を切って「目に見える結果」を出すことは様々な問題を解決します。

関係も構築され、得られるものも実感でき、判断に迷う事も減り、プロセスの原型もできるので、様々な負荷が減ります。

「新兵しかいないゲリラ戦の初戦」を率いるイメージです。

攻略目標と期限を決め、武器を与え、戦術を教えた上で、切り込み隊長を選びます。うまくいかない場合は先頭を変え、時には自分が先頭に立ち、いずれにせよ目標とした相手陣地を攻略します。

実戦を経ると、チームを率いるのに相応しい人は自他ともに明らかになります。お互いの人となり、価値観やスタンス、強みなどの特徴も見えてきます。

「何をするか・どうやるか」会議やオンライン飲み会を重ねるよりよほど有意義です。

 

チームを自走化させた事例

例えば私が立ち上げたオンラインコミュニティで週次レポートを出すチームを立ち上げた時はそんな進め方をしました。

最初に「こういった目的で、こういったことをしたい」を掲げて志願者を集め、手順を試作してみました。

リーダーを定め、実際に週次レポート発行まで回し、発行後に改善点を洗い出して即座に反映していきます。

とにかくプロセスを確実に進捗させることを重視しました。誰かの手が止まればリマインドも兼ねて状況を聞きます。手順が過負荷なら割り切って簡素化し、忙しくて手が回らないなら代替の人を募ります。

この時、メンバーにやってもらいたいことを単純にリーダーがやってしまうと、マイクロマネジメントをするリーダーと、支持待ちのメンバーの構造に陥ります。

あくまで担当を決めてその支援をする、人に依存しない仕組みに落とし込む、という前提を常に意識付けた上で、プロセスを進めます。

何か協議して決める必要があれば即座にオンライン会議を招集し、課題を解決しつつ皆の要望や考え方を把握します。プロセスが確実に進んでいることを感じさせ、成果物が目に見える形になれば、士気は上がります。

そうしてアウトプットを数回重ねたところで、オンライン会議すら不要なレベルで自走するようになりました。

私が何もしなくても、毎週レポートが出ているので、あとは任せています。

ちなみにこのメンバーは私も含め、互いに対面であったことのない面々が大半です。それでもきちんと関係が構築され、自走出来るまでになります。

リーダーの野見山さんがその経緯をレポートにまとめてくれているので紹介します。

 

実行を通じて、人を見極め役割を固める

個人的には誰が何をどれくらい出来るのか、どれくらい本気なのかを見極める前にチームや役割を固めてしまうのはあまり得策ではありません。やってみて初めて分かる面もあるからです。

一方、役割が明確に定義されないと本気が引き出されないのもまた真理で、いつまでも緩やかな形にするのではなく、1~2度の試行の後に、全員が納得する形でメンバーや役割を決めればいいのです。

今回の質問者さんのケースでは先に人がアサインされてしまっていますが、その人がうまくチームを回せない場合は、傷が深くならない内に、本人も深傷を追わない内に交代させてあげるのが良いと思います。

 

コミュニティマネジメント ご参考:オンラインの場づくりについて

主にイベント企画について詳説しています。

オンラインセミナー

 

◆執筆者 高橋龍征 / Takahashi Tatsuyuki

conecuri合同会社 代表 WASEDA NEOプロデューサー 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授

大手システムインテグレーターの営業、経営企画を経験後、MBAを経て、ソニー、Samsungで事業開発を中心としたキャリアを歩み、事業創造支援家として独立。インキュベーター立ち上げや欧州企業の日本進出を支援後、スタートアップ共同創業(取締役COO)を行う。
早稲田大学の社会人教育事業「WASEDA NEO」プロデューサー就任を機に、事業開発や人材育成のためのセミナーづくりを本業とし、大学、企業、メディアからの受託や自身主催で、年間200件の企画を実現するようになる。
2020年、conecuri合同会社を設立。マーケティングセミナーの企画、社会人向け講座や企業研修の開発、それらを通じた事業創造を支援している。
新型コロナを機に、セミナーを一気にオンラインにシフトさせ、その知見を『オンライン・セミナーのうまいやりかた』として出版した。
また、13年以上複数のコミュニティ運営に携わる実践家として、大手企業や学校のコミュニティづくりも支援している。
早稲田大学 第一文学部 哲学科 東洋哲学専修 卒業 早稲田大学大学院 ファイナンス研究科 修了 青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム 修了 JVCA ベンチャーキャピタリスト研修 修了
 

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◆代表プロフィール

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株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温

マーケティングリサーチのプラットフォームの企業で、 最年少で事業部を立ち上げ、広告予算ほぼゼロで、国内トップの実績を達成。

中小・スタートアップ企業のマーケティングに関する構造的課題を痛感し、それを解決するため、株式会社まーけっちを創業。大手企業・国家機関・スタートアップなど100社以上の戦略支援を行い、コミットと売り上げ貢献成果に定評がある。上智大学外国語学部卒。


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