コミュニティ運営のコツ:報酬を払わない業務運営の方法

*本記事は 高橋龍征氏のnote記事をご本人の許諾を得たうえで加筆/転載した記事となります。
高橋龍征氏との共同でセミナー企画・集客のご相談を受け付けています。
是非お気軽にお問い合わせください。

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コミュニティは、自主的な活動により成り立つもので、雇用契約や業務委託契約のような強制力で縛られる訳ではありません。

主催者とメンバーとの関係は機能上の役割分担で、権限の上下関係ではないので、指示というより提案や依頼に近い考えになります。

そのような組織体においてこれまで実践してきた、各人が快く活動できるための考え方や仕組みについて改めて言語化したので、公開してみます。

色々な実践者と意見交換し、より役立つものを作っていければと思います。

コミュニティ運営スタンス

会社とは異なるボランタリーなコミュニティの運営に、過負荷なく貢献できるよう、以下の価値観をベースに運営を進めていきます。

Do
プロセスを進め、形にしよう
まずは形にして、改善を重ねていこう

Systematize

誰でも迷わず間違わず必要十分の成果が出せる「仕組み」を作ろう

Best effort

プライベートや本業を犠牲にしない、無理ない範囲でやる
「やる」と言ったことができなくなったら、気軽にSOSを出してほしい
それは恥ずべきことでも非難されるべきことでもない
他のメンバーもお互い様であり、喜んで互いに助け合おう

Fair & Frank

公平とは、現在の場への貢献に応じて遇すること
「古参(昔からいる)」「エース(活動や発言が多い)」「幹部(機能上、取りまとめの立場にある)」「功労者(昔貢献した)」「有名人」などを、現在の貢献と無関係に優遇してはならない

発言の機会は平等に保証される
新しく入った人でも、経験が少ない人でも、時々活動するだけの人でも、正しいことは、誰が言おうと正しい

Have fun

純粋な好奇心に基づく創造を楽しもう

 

無報酬のコミュニティの負荷を減らす仕組み

ボランタリーかつリモートのプロジェクトにおいては、単なる業務効率化以上に、判断・調整・管理などに要する精神的負荷を減らすことが重要です。

そこで、以下のような基本方針を定め、業務を通じてすり合わせ、プロセス、ツール、文化に落とし込んでいきます。

期限設定を自動化して判断・管理・調整しなくて済むようにする
・簡単に回答できる質問:即レス、遅くとも当日内
・考えたり手を動かすもの:即日・3日・週末
・リマインドのタイミングも自動化
→つつく遠慮をなくす、自分で管理する面倒さをなくす
・日程調整の負荷を減らすため、スケジュールは極力定例化する

無意識の過剰品質の重荷を取り除く
・スピード最優先→完璧でなくても共有し、皆で品質を上げる
・1回1回を完璧にするより、改善を継続して質や効率を上げる

過剰な責任感が重荷になることを防ぐ

・出来なくなった時は気兼ねなくSOSすることを奨励
・お互い様として、その時できる人がバックアップ

実務を回しながら、負荷なく仕組化を進める

・業務ログや質疑は随時記録
・初めからテンプレやマニュアルなどを試作しながら進める
・改善の必要が生じたら即時に議論し、プロセスやツールに反映

全体最適のために仕組みに合わせてもらうものもある
・システムなど、全員が同じ環境でないと意味がない場合は合わせてもらう
・それに必要なトレーニングや支援・配慮も併せて行い、早く効果を出す

参画の方法

気軽に参加して互いの考えを理解し、自分に合うか相互利益が成り立つかを見極められ、無理ないタイミングで参加・お休み・再会できるような仕組みにします。

応募・試行
・個別にお話をし、自分に合うか、得るものがあるかを判断頂きます
・まずは1ヶ月のお試しで参画頂き、実務を通じて本参画するか判断下さい
・いったん参画しないと判断しても、再度の応募も歓迎です

本参画

・少なくとも月に1回のプロジェクトに参加下さい
・メッセンジャーでの意見交換やオンライン会議に参加し、成果物や仕組みをより良いものにすることに貢献下さい

定期的な継続確認

・言い出しやすいよう、半年ごとなど定期的に継続意思を確認

自主休部・退部
・3ヶ月以上プロジェクトに参画しない場合は遠慮無く仰って下さい
・業務多忙、家庭の事情、得るものは得た等、いかなる理由も無問題
・気軽にお休み頂き、必要ならまた戻ってきて下さい
・以下2点はご協力願いたく存じます
1)黙らず気軽にご一報下さい
2)理由は本音を遠慮なく仰って頂きたい

自動退部

・以下の場合は自動的にグループから削除されます
1)1ヶ月間調査に参加せず、グループ内での発言がない
2)3ヶ月間調査に参加しない
・全員アクティブな状態を保つ目的の自動措置で、懲罰的意味はありません
・再び参画可能になった場合、ぜひ再参画下さい

再参画

・本参画辞退者・休退部者の再参画も歓迎します

コミュニティ運営のコツ 健全性を保つ仕組み

コミュニティが人の集まりである以上、必ず問題は発生します。
1人1人が場を健全に保つことを意識して行動する必要があります。
認識の相違や感情的対立を回避するために判断の拠り所として以下のようなガイドラインを言語化してみました。

強制退部
・コミュニティの健全性を損なう行動を継続的に行う者は強制退部とします
1)場の趣旨と無関係の、自己利益追求行動(主に宣伝・勧誘)
2)相手が不快に思う言動(公開でも、個別でも)

健全性を保つための行動指針

(疑問があれば声を上げてください)
・疑問に思う行動を見た・受けた場合、速やかに声を上げてください
・素朴な疑問も遠慮なく言い、忌憚なく議論する文化を醸成しましょう
・心配なら運営メンバーに個別連絡下さい
・不当なことへの我慢や沈黙は、場を健全に戻す機会を失わせます
・声を上げることが他の人のためになるとお考え下さい

(公平であろう)
・入りたての人でも活動が少ない人でも、正しい指摘は正当に扱いましょう
・在籍期間や過去の貢献に関わらず、不当に対しては公正に対処しましょう

(自分を絶対正義と思わず、まずは理性的に対話しよう)
・認識・価値観・スタンス・加減の違いなどは一方が悪い訳ではありません
・話せばわかることも多く、早期に対処する方が互いに気が楽でしょう
・事実関係に裏付けられた見解を「簡潔に」述べるようにして下さい
・いかなる場合でも、相手を尊重した発言を心がけましょう

意図せぬ搾取に気をつける

主催者は思いが強い人が多く、つい色々なことに人を巻き込みがちです。

しかし、ボランタリーな場と知って参加しているからといって、メンバーの専門性やリソースを当然に無料でいくらでも使えると考えるのは適切ではありません。

デザイナーやライターなど、自身の専門性で生計を立てているようなプロフェッショナルには特に配慮が必要です。プロである以上「ここからは仕事」との線引きを持っているはずで、そこを超えないよう、もし超えることをお願いするなら、然るべき対価や配慮をするべきでしょう。

この範囲は、当然人によって異なり、なかなか言いにくい人もいるので、常に慎重に確認しないと、不満を溜めることになります。

また、学生や若手社会人の工数を過度に使うことも良くないでしょう。固定収入があり得るものが明確な若手社会人はまだしも、収入に乏しい学生には工数分の対価を、予算の許す範囲で払うべきでしょう。

また、そもそも誰であろうと、何かしら専門性や工数の提供を、無償または相場より大幅に安価に受ける場合、相手に対する非金銭的なベネフィットの仮説を、主催者は準備しておかなければなりません。

とはいえ、この辺に思い至らない主催者も多いので(意図的に搾取しようとするのは論外)、メンバーもこの辺の線引きは明確にしておき、相手と認識の相違がある場合はきちんと意見を述べる方が、双方にとって健全な関係が築けると考えます。

ご参考:オンラインの場づくりについて書きました

主にイベント企画について詳説しています。

オンラインセミナー

 

◆執筆者 高橋龍征 / Takahashi Tatsuyuki

conecuri合同会社 代表 WASEDA NEOプロデューサー 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授

大手システムインテグレーターの営業、経営企画を経験後、MBAを経て、ソニー、Samsungで事業開発を中心としたキャリアを歩み、事業創造支援家として独立。インキュベーター立ち上げや欧州企業の日本進出を支援後、スタートアップ共同創業(取締役COO)を行う。
早稲田大学の社会人教育事業「WASEDA NEO」プロデューサー就任を機に、事業開発や人材育成のためのセミナーづくりを本業とし、大学、企業、メディアからの受託や自身主催で、年間200件の企画を実現するようになる。
2020年、conecuri合同会社を設立。マーケティングセミナーの企画、社会人向け講座や企業研修の開発、それらを通じた事業創造を支援している。
新型コロナを機に、セミナーを一気にオンラインにシフトさせ、その知見を『オンライン・セミナーのうまいやりかた』として出版した。
また、13年以上複数のコミュニティ運営に携わる実践家として、大手企業や学校のコミュニティづくりも支援している。
早稲田大学 第一文学部 哲学科 東洋哲学専修 卒業 早稲田大学大学院 ファイナンス研究科 修了 青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム 修了 JVCA ベンチャーキャピタリスト研修 修了
 

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◆代表プロフィール

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株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温

マーケティングリサーチのプラットフォームの企業で、 最年少で事業部を立ち上げ、広告予算ほぼゼロで、国内トップの実績を達成。

中小・スタートアップ企業のマーケティングに関する構造的課題を痛感し、それを解決するため、株式会社まーけっちを創業。大手企業・国家機関・スタートアップなど100社以上の戦略支援を行い、コミットと売り上げ貢献成果に定評がある。上智大学外国語学部卒。


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