カオスマップの作り方”完全解説”〜勝手に出版企画:構成編

 

*本記事は 高橋龍征氏のnote記事をご本人の許諾を得たうえで加筆/転載した記事となります。
高橋龍征氏との共同でセミナー企画・集客のご相談を受け付けています。
是非お気軽にお問い合わせください。

本を出すつもりで、勝手に出版企画を書く試みです。

概要編はこちらより。

はじめに:偶然作ったカオスマップがバズったら・・・

 

・起業をして、市場を理解するために、調べ尽くしてみた
・たまたま教えてもらったカオスマップ
・一瞬で業界の人に広まり、VCから電話が、メディアから取材依頼が
・自己紹介
・全体構成:理解、事例、作り方(企画→作成(調べる・分ける・載せる)→発信・活用)
・皆がより良いマップを作れるように

 

 

第1章「カオスマップとは」

定義、メリット、違いと誤解

1-1.「カオスマップとはどんなもの?」

・定義:業界の商品やサービスをカテゴライズして一覧化したもの
・歴史:Display LUMAscape(2013)が始まり、近年は量産・粗製濫造
・特徴・制約:網羅的に調べ上げる、市場を多角的に分析

 

1-2.「メリット:誰が、何のために作るのか」

・起業家:自社の名前を売る、レッドオーシャンに突っ込むのを防ぐ
・事業開発、マーケティング、営業:機会発見、戦略立案
・人事・人材開発:分析能力向上、自社戦略理解

 

1-3.「残念なマップ」

・スカスカ(調査が甘い、スコープが狭過ぎる)
・密過ぎる(スコープが広過ぎる、用途の勘違い)
・何かが抜けてる(スコープが甘い)
・切れ目が変(カテゴリの定義が素人っぽい=読み手の定義が甘い)
・複雑:余計な情報を盛り込もうとする
・デザインが悪い:色、線、文字、ロゴ、配置

 

1-4.「作り方の基本」

・企画:目的、読み手、差異化→スコープ
・作成:調査→分類→掲載
・発信:地上戦、デジタルマーケ、広報・メディア戦略
・付随するもの:レポート、リスト、記事化、リリース、セミナー

 

1-5.「よくある誤解」

・メッセージを裏付ける分析フレームワークではない
 →全体を「ざっくり見せる」表現手法
・仮説検証のためのものではない
 →仮説を立てるヒントとしての「準備運動」
・1つ1つを厳密には調べない
 →多様な対象を網羅的に調べ、多角的に理解することが価値
・定量分析は含まない
 →基本はビジネスモデルや競争戦略などの定性分析
・構造を直接厳密に示すものではない
 →「全体像」を、実態・目的・読み手に応じて臨機応変に見せる
・よく使われるフレームワークとの比較
 cf. 2軸、バリューチェーン、等

→戦略コンサルやアナリスト等に確認

 

 

第2章「活用事例」

誰が、どのように役立てているかの実例

→作成者にヒアリング

 

 

第3章「企画」

調べる前の企画の深さが、カオスマップの良し悪しを決める

3-1. 「目的」

・マップ作りを通じて何を得たいのかを具体的な言葉にする
・機会発見:狙う市場を多角的に捉え、思いがけない発見を得る
・戦略立案:自社や競合の競争戦略を、他プレイヤーの視点で客観視できる
・人材育成:事業や市場の構造を捉える汎用的な枠組みを体得できる
・PR:拡散すれば、ニュース材料が乏しくても自社を知ってもらえる

 

3-2.「投資対効果」

・マップを作る工数が期待リターンに見合うか判断する
・必要な工数:調査+加工+拡散
・得られる効果をどう算定するか
・「機会費用」も勘案する
・調査はするけど作らない、という選択もありうる

 

3-3.「読み手」

・誰がどんな関心でマップを見るか
・読み手は1者とは限らない
・誰にどんなアクションをとってほしいか
・読み手にとっての「価値」は拡散にも影響
・不正確なマップ、質の悪いマップは読み手の害となり、逆効果

 

3-4.「競合(先行する類似マップ)」

・公開されるマップは激増し、必ず先行マップがあると考えるべし
・違いを作るか、作らないか:目的・効果と照らし合わせて判断
・既存マップに対して意味ある違いをどうつくるか:範囲、切り口、量

 

3-5.「範囲(スコープ)」

・範囲の決め方が、読み手の関心を分析したかが如実に現れる
・目的、読み手、競合比較から、範囲の定義と境界の基準を仮決めする
・入れる/入れないの具体例、その境界を分かつ根拠を想定しておく
・調査を進めると「これは入れる?」が出るので、都度判断する

 

 

第4章「作成:調査、分析」

総工数の8割を締める調査・検索を効率的に行い、学びにまで高める

4-1.「効率的に調べる準備をする」

・手戻りを最小限に抑え、チームで効率的に調査を進めるための基本
(成果物、利用シーン、想定する事態から逆算する)
・調べた情報を管理するリストと記入・管理のルールを定める
・重複して調べないよう、検索ワードを管理しておく
・情報共有用のフォルダやリストと、管理ルールを定める
・コミュニケーションツールを定め、活用ルールを定める
・課題発生時の提起、協議、決定、共有などのルールを定める

 

4-2.「全体をラフに把握する」

・基礎資料を探す:使えるサービスと調べ方
・タテ軸(トレンド)とヨコ軸(構造)
・ラフに分類する「枠組み」を持つ
・範囲やカテゴリ「際」を仮で定義しておく
・メンバーと共有し、スコープの解像度も上げる

 

4-3.「分析・分類しながら検索する」

・一石n鳥の調べ方:分析・分類、キーワード拡張も同時に
・ビジネスモデルを分析し、カテゴリを仮決めしながらリスト化
・調べながら検索に使う専門用語を広げていく
・「引っ掛かり」があったら深掘りしてみる
・スコープの内か外か迷うものが出たら、根拠に基づいて決めて記録

 

4-4.「チームで検討しながら進める」

・迷いが出たら即座に解決しないと、無駄に工数を費やす危険性
・何を協議するか:ルールやプロセス、要件や成果物の解像度
(目的、読み手、スコープ、カテゴリ、成果物など)
・定期、定数、特定事象など、協議のトリガーを決めておく
・「企画」を根拠に決定、内容・理由は記録、修正は即座に反映
・雑談も重要:気づきや違和感を共有する

→戦略コンサルやアナリストなどのヒアリング

 

 

第5章「作成:分類・選別、デザイン」

 

5-1.「読み手にとっての情報価値が大原則」

・素人は当然、玄人の「読み手」にも役立つレベルを目指す
・見てすぐ伝わる情報としての価値:シンプル、直感的、納得感
・用途や適性を再確認し、フレームワークとの混同や過剰期待を避ける
・分かりやすさのために割り切るもの:MECE、Apple to Appleなどの論理性

 

5-2.「基準に基づいて区分・取捨し、聞かれても説明できるようにする」

・スコープの内と外、カテゴリの切れ目は、具体的な基準が必要
・最後に決めるのではなく、調べながら「判例」を積み重ねて明確にする
・切り方は、目的や読み手に合わせて調整する
・カテゴリ内の対象数によって、分割・統合のバランスを取る

 

5-3.「デザインする」

・カオスマップに関わる、デザインの大原則
・カテゴリ名と枠線:色、サイズ、バランス
・ロゴ:集める、加工する
・全体配置、最終調整
→デザイナーにヒアリング

 

5-4.「レビューしてもらう」

・チーム内でツッコミを入れる
・素人が見て分かりやすいか
・業界の人が見ても納得感があるか
・分析やデザインのプロが見ても品質に問題ないか
・フィードバックは即座に検討し、必要なら反映する

 

5-5.「応用編:レポートやリストも同時公開する」

・分析レポートを書いて、情報を補完できる
・信用ある第三者にレポートを書いてもらい、ニュース価値や信用をUP
・実務にはリストの方が必要とされる。買い手がいれば売ることもできる
・全ては目的と照らし合わせた費用対効果で判断
・作り方の基本、効率的な進め方

 

 

第6章「マップを公開し、活用する」

6-1.「”成果”につなげる導線を作っておくことが最も大事」

・目的なくバズっても意味がない
・何のために、誰に、どう伝え、どういう機序で成果につなげるか

 

6-2.「公開する」

・公開・拡散のツールと使い方:無料のもの、有料のもの
・作ってから拡散を考えるのではなく、企画段階から仕込んでおく

 

6-3.「拡散させるための、デジタルマーケティング基礎知識」

・基本的な考え方とフレームワーク
・目的、成果を定め、ブラさない
・効果を促進する自分ならではの「アセット」がないか
・ツールの選び方、使い方、運用・評価・改善
→デジマやコンテンツマーケに詳しい人にもヒアリング

 

6-4.「事業成果につなげるための広報の基礎知識」

・基本的な考え方とフレームワーク
・目的、成果を定め、ブラさない
・成果につなげるための流れを設計し、合意形成をしておく
→広報のプロにヒアリング、メディアの人にヒアリング

 

6-5.「起業や事業創造に活用する」

・どんなフェーズと用途の役に立つか
・どんな施策や分析とどう組み合わせるか

→連続起業家、起業支援者、VC、起業の事業開発担当にヒアリング

 

6-6.「カオスマップの法的観点」

・ロゴを許諾なく使って問題ない?(商標権)
・同じ分野のカオスマップを出してもいい?(著作権)

→弁護士のコメントに基づき記載

 

 

おわりに

・作れば見えてくる
・カオスマップの未来
・動機+仲間で踏ん張れる
・コミュニティ等の案内

なお、企画の概要自体はこちらより。

 

 

◆執筆者 高橋龍征 / Takahashi Tatsuyuki

conecuri合同会社 代表 WASEDA NEOプロデューサー 情報経営イノベーション専門職大学 客員教授

大手システムインテグレーターの営業、経営企画を経験後、MBAを経て、ソニー、Samsungで事業開発を中心としたキャリアを歩み、事業創造支援家として独立。インキュベーター立ち上げや欧州企業の日本進出を支援後、スタートアップ共同創業(取締役COO)を行う。

早稲田大学の社会人教育事業「WASEDA NEO」プロデューサー就任を機に、事業開発や人材育成のためのセミナーづくりを本業とし、大学、企業、メディアからの受託や自身主催で、年間200件の企画を実現するようになる。

2020年、conecuri合同会社を設立。マーケティングセミナーの企画、社会人向け講座や企業研修の開発、それらを通じた事業創造を支援している。

新型コロナを機に、セミナーを一気にオンラインにシフトさせ、その知見を『オンライン・セミナーのうまいやりかた』として出版した。

また、13年以上複数のコミュニティ運営に携わる実践家として、大手企業や学校のコミュニティづくりも支援している。

早稲田大学 第一文学部 哲学科 東洋哲学専修 卒業 早稲田大学大学院 ファイナンス研究科 修了 青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム 修了 JVCA ベンチャーキャピタリスト研修 修了

 

 

◆著者プロフィール

株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温

マーケティングリサーチのシステムとデータの提案営業を経験後、 最年少で事業部を立ち上げ、若年層国内ナンバーワンのユーザー数を達成。
リサーチの重要性と併せて、コストや施策への活用の課題を痛感し、中小・スタートアップでもリサーチやマーケティング施策の最適化をより手軽に利用できるようにする為、リサーチ×マーケティング支援事業の”株式会社まーけっち”を創業。

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