Webマーケティングについて調べていると「ストーリーテリング」という言葉をよく見かけるでしょう。

「ストーリーテリング」とは物語として語ることで相手に深く印象付ける手法のことを言います。

ですが、実際にマーケティングの中に「ストーリーテリング」を落とし込んでいくというのはなかなか難しいものです。

そこで今回は、ストーリーテリングの事例から有効な場面などについて具体的に紹介していきます。

ストーリーテリングを日々のマーケティング施策に活用したいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

ストーリーテリングとは

ストーリーテリングとは、伝えたいことを、物語として語ることで、聞き手の印象に残すことができる手法のことを指します。

具体的なストーリーテリングの特徴については、下記3つが挙げられます。

• 記憶に残りやすい
• 共感度がアップする
• イメージが伝わりやすい

ここではそれぞれの特徴について紹介していきます。

記憶に残りやすい

ただ単に事実を伝えるよりも、ストーリーテリングのように、一連のストーリーの中である事実を伝えたほうがより印象に残りやすく、より記憶に定着します。

また、プレゼンテーションや営業をする際に、ストーリーの中に商品やサービスを売り込みたい場合にも有効に働くことができます。

このように、相手に強い印象を残したい場合には、ストーリーテリングを活用することをおすすめします。

共感度がアップする

商品やサービスを販売する際に、相手の悩みや抱えている課題に対して共感することは非常に効果的です。

「なぜこの商品を開発したのか？」「どのようにしてサービスを開発することができたのか？」など、聞き手が聞きたいと思う情報を取り入れながら物語を作り上げることが重要です。

イメージが伝わりやすい

相手に具体的なイメージを与えることで、受注率の向上や売上アップにも繋がる可能性があります。

たとえば、複雑なシステムを営業する際に、機能や数値を説明するだけでは聞き手が混乱してしまい、結局システム自体の魅力が伝わりにくくなってしまいます。

ストーリーを交えて説明をすることで、聞き手がその商品を使ったときのことをより具体的にイメージをすることができます。

ストーリーテリングのコツ

ストーリーテリングを利用する際にもコツがあります。

いくつかのポイントをふまえてストーリーテリングを利用すれば、得られる効果を最大限に利用することができます。

具体的なストーリーテリングのコツについては、下記が挙げられます。

• 読み手目線
• 具体的であること
• 失敗を語る
• 身近な日常で起こる
• ギャップを組み込む

それぞれのコツについて紹介していきますので、これからストーリーテリングを利用したいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

読み手目線

ストーリーテリングは読み手のことを第一優先として気配りや思いやりを持って話すことが重要です。

商品やサービスを紹介する場合については、機能やスペックの話だけではなく、読み手のメリットとなることを意識して話すことで、より鮮明にイメージしやすくなります。

また、読み手に対する立場をよく考えて距離感を掴むことも重要で、間違った距離感だと読み手に不快感や違和感を与えてしまう可能性があります。

私たちが初対面でも非常に馴れ馴れしい相手とは距離を置きたくなったり、よそよそしい相手とは親しくしようという気が起こらないのと同じように、読み手となる顧客も距離感を間違えると嫌厭されてしまいます。

ストーリーテリングの第一条件として、読み手目線、聞き手目線で物語を組み立てることが大事です。

具体的であること

具体的な話をすることで、内容が明確になり、読み手の関心や興味を惹きつけることができます。

具体的に話すコツとしては、下記5つが挙げられます。

• 詳細な数字
• 登場人物の立場
• 具体的な感情
• 鮮明な景色
• ストーリーの方向性

上記のように、外面的な話だけではなくて、感情的なことを表している内面的なことも含めて話をすることで読み手に対してより具体的なイメージを想起させることができます。

さらに、あらかじめストーリー構築をすることで、より具体性がある話をすることが可能です。

失敗を語る

自分自身の失敗を読み手にさらけ出すことも、より共感を得ることができるので効果的に働きます。

人間は基本的には、失敗談が好きな生き物なので機械的に事実を並べるよりも、どのような失敗談や苦労があるのかなどを交えることも有効に働きます。

さらに、失敗や苦労をした際の気持ちなどを追加することでさらに効果的に共感を得ることが可能です。

身近な日常で起こる

ストーリーは話す際には、読み手により身近な日常で起こることを踏まえて話すことで印象をよく残すことができます。

そのため、自身の経験を踏まえてストーリーを組み込むことをおすすめします。

身近に感じるような「あるある」を盛り込むと相手の共感を引き出すことができます。

ギャップを組み込む

ギャップを組み込むことで、読み手に興味を惹きつけることができます。

ギャップが大きければ大きいほど強く記憶に残すことができ、より効果的に相手にストーリーを伝えることが可能です。

具体的なギャップについては、下記2つが挙げられます。

• 理想と現実のギャップ
• 時間軸のギャップ

それぞれのギャップについて特徴を交えながら紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

理想と現実のギャップ

理想と現実のギャップについては、自分が理想としていることと実際に起こっていることの差が大きいことを指します。

例として、「国立の大学に入学したかったけど、試験に落ちてしまって私立大学に入学をした」などのように、理想と現実にギャップが生まれること指します。

通常であれば理想と現実のギャップが大きければ、ネガティブな印象を持っている方は多くいるかと思いますが、相手に強い印象を残すことができる特徴があります。

時間軸のギャップ

時間軸とギャップとは、過去から現在における基準との差のことを指します。

将来有るべき姿と現状のギャップが広がることで、より聞き手の印象が強まり記憶に残りやすい傾向があります。

また、時間軸でも短期的と長期的の2種類があるため、クライアントや顧客によって使い分けることによって、より効果的にストーリーテリングを活用することが可能です。

ストーリーテリングの事例

「ストーリーテリングを利用している事例を知りたい」と思っている方も多くいるでしょう。

実際にストーリーテリングの事例を理解しておくことで、これから新たな事業を行う際に参考にすることが可能です。

ストーリーテリングを上手に活用している

• Web
• ピクサー

それぞれのストーリーテリングを上手に活用したポイントも紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

Amazon

Amazonがストーリーテリングを利用してCMを作成し、話題になったことは記憶に新しいのではないでしょうか。

CMのコンセプトとしては、「合理的な訴えをしない」ことで、一般的なCMに比べて「便利」「安さ」「インパクト」などをあえてアピールせずに「日常の風景」だけを訴求したため、注目を集めました。

CMの内容については、短編的なストーリーとして描かれており、より印象が残りやすいCMとなっています。

Apple

Appleでもストーリーテリングを利用しており、代表的な商品として挙げられるiPodについては、具体的な機能については一切触れずに、「iPodを利用することによってあなたの生活はより快適になる」というコンセプトにしました。

その結果、より多くの方の印象に残ることができ、大ヒット商品として成功を収めました。

ピクサー

ピクサーについては、代表的な作品として「トイ・ストーリー」「ファインディング・ニモ」などが挙げられます。

具体的にピクサーがストーリーテリングで意識していることについては、下記が挙げられます。

• 読者が求めているものを書く
• キャラクター魅力を伝える
• 試練を与える
• エンディンをあらかじめ決めておく
• 常識を破壊する
• リアルな感情描写をする
• キャラクターの背景を作り込む
• 人間のリアルな心理を知る
• ストーリーをより簡潔にする

上記のようにピクサーはよく多くの人に共感を得るために、常に試行錯誤をしながら作品を制作をしています。

また、映画はもちろんですが、ピクサーがストーリーテリングで意識していることは文章でも人を魅了するためのテクニックとしても利活用することが可能です。

ストーリーテリングが有効な場面

具体的にストーリーテリングが有効な場面については、下記4つが挙げられます。

• 情報量が多いとき
• 深く印象つけたいとき
• 聞き手のモチベーションを上げたいとき
• 企業の販売戦略

それぞれのストーリーテリングが有効な場面について紹介していきますので、これからストーリーテリングを利用しようか検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

情報量が多いとき

情報量が多いと内容が複雑になりがちですが、ストーリーテリングを利用することで分かりやすく伝えることができます。

長期的な視点でビジネスをすることを説明する際には、具体的な数字やビジネス内容を詳細に伝えることも重要ですが、聞き手がわかりやすいように「ウサギとカメの競争」なとどわかりやすいように例えることが挙げられます。

実際に、ストーリーテリングはプレゼンなどでさまざまな数字などの情報を伝えるよりも、今後のイメージがしやすい傾向です。

しかし、聞き手のことを意識しすぎて簡潔にまとめてしまうと、逆効果になってしまう可能性があるので、あらかじめ注意が必要です。

深く印象づけたいとき

聞き手に印象をつけたいときにもストーリーテリングは有効に働くことができます。

たとえば「自社の売上が前年の20％から40％まで増加した」というプレゼンをした場合に、ただ数字だけを説明するだけよりも、ストーリーを交えてプレゼンをすることでより印象に残すことができます。

具体的には、自社の売上が20％だった頃の問題点などを踏まえて、40％まで増加したプロセスや対応策を丁寧に話すことで、聞き手の興味を引くことにも繋がることができます。

また、ストーリーを話す際には、ハッピーエンドであれば聞き手の印象を良くすることができます。

モチベーションを上げたいとき

ストーリーテリングは従業員やチームなどのモチベーションを上げたいときにも活用することが可能です。

従業員のモチベーションを上げるためにインセンティブを与える会社も多いですが、時間の経過とともに効果が薄れていくため、得られる効果は低いというデメリットがあります。

従業員が得られるメリットについて、ストーリー性のある内容で説明することで従業員のモチベーションを上げることができます。

社員のモチベーションを上げたいと思っている会社であれば、ストーリーテリングを利用して社員のモチベーションを上げることをおすすめします。

企業の販売戦略

サービスや商品にストーリーを加えることで、顧客やクライアントに強く印象づけることが可能です。

実際にECサイトや店舗などでも会社の歴史が語られており、商品が開発するまでのストーリーを交えて紹介しています。

企業の販売戦略で重要なのは、「その商品の中でどのようなストーリーを生み出すことができるのか？」「共感多いストーリー性となっているか？」などが挙げられます。

また、プレゼンテーションをする際にも、今後のビジョンを語る上で、ストーリーテリングは有効に働くことが可能です。

このように、ストーリーテリングはマーケティングの場面での多く使われており、企業の販売戦略をする際にも有効に働くことができます。

ストーリーテリングを最大限活用しよう

今回はストーリーテリングを活用したいと思っている方に向けて、ストーリーテリングの事例から有効な場面などについて具体的に紹介してきました。

ストーリーテリングを利用するコツについては、「読み手目線」「具体的であること」「失敗を語る」「身近な日常で起こる」「ギャップを組み込む」の5つが挙げられます。

また、ストーリーテリングの有効な場面については、情報量が多いときや印象つけたいとき、モチベーションを上げたいときなどが挙げられます。

ぜひ、今回紹介したことを参考にして、ストーリーテリングを活用してみてがいかがでしょうか。