戦略・事業
「地雷専門店」鶯谷デッドボールが大人気なのは全てストーリーマーケティングで説明できるんです。
2021.04.27
昨今注目を集めるストーリーマーケティングですが、実はこのマーケティング理論で、鶯谷の人気風俗店「デッドボール」の成功も説明ができるのです。
デッドボールは、男性であれば、一度は聞いたことのあるお店だと思いますので、身近な事例を通じて、ストリーマーケティングにより一層の理解を深めていただければと思います。
地雷専門店デッドボールとはなに?
知名度では「タピオカ」と比類するといっても過言ではない日本を代表する風俗店、デッドボールですが、知らないという方のために簡単な紹介をさせていたければと思います。
通常、風俗などの夜産業でおいては、スタッフの容姿レベルは高ければ高ければよいとされています。
しかし!デッドボールはこの業界の常識に真っ向から反対!逆に容姿が一般的にはよいとされていない女性や高齢の女性、肥満体型の女性ばかりを集めだしたのです。
まさに逆転の発想。
しかしそれだけでは、「一体だれがそんなお店好き好んでいくんだ!?」
となりますよね。
オープン当初も業界関係者からは、絶対にうまくいくはずがない、と言われていたそうです。しかしながら、オープン数か月で様々な風俗メディアから取材が入る人気店に。
その後も継続してお店は繁盛し続けており、複数店舗展開する人気グループになっていきました。
実は、このデッドボールが意識してか、無意識かはともかく活用していたのがストーリマーケティングなのです。
ストーリーマーケティングのポイントをおさらいしましょう
それでは、デッドボールのストーリーマーケティングについて解説する前に、まずはストーリーマーケティングのポイントについておさらいしてみましょう。
- 合理的な訴えをしない
- 消費者ーズを理解する
- 失敗を語る
- 誰にでもわかりやすいシナリオであること
- 自分を投影できたり共感できる登場人物がいること
ストーリーマーケティングの成功のポイントはこちらの5つ。
こちらの記事で詳しく解説していますので知りたい方はこちらも見てくださいね。
それでは、これらの5つの観点からデッドボール成功の秘訣を解説していきたいと思います。
デッドボールのストーリの秘訣とは?
デッドボールのマーケティングでは、店長自身や働く女性自身の体験やストーリーを積極的に発信していき、お客さんがお店に興味をもつきかっけづくりを積極的に行っています。例えば、女性の紹介文でも、リアルな女性の性格や人生をいいところも、むしろ悪いところも赤裸々に公開していっています。
こうした個別のストーリーが、デッドボールという大きな舞台装置の中でより輝くようになっているのです。
それでは、具体的なストーリーマーケティングとしての成功ポイントを解説してきましょう。
①合理的な訴えをしない
合理的な訴えとは、例えば品質や価格、機能といった点を訴求していくことですが、デッドボールでは全くこういった訴求はしていません。確かに、女の子のレベルが低いため、価格帯は安くなっていますが、それを訴求しても余りあるレベルの低さのため、価格については全く言及しませんでした。それどころかあえて、「レベルの低さ日本一」という、全くもって不合理な訴求によって、「え、この店一体なんだろう?」という興味関心を引き出すフックを作っています
②消費者ニーズを理解する
④誰にでもわかりやすいシナリオであること
次に、デッドボールはこれまで風俗産業では全く放置されてきたあるニーズに着目しました。それは、
「罰ゲーム」と「怖いものみたさ」
という2つの消費者ニーズです。
罰ゲームとは、その名の通り男性同士の罰ゲームとして風俗で高齢な女性などを指名するというニーズが一定数存在していましたが、あえてレベルの低さを前面に打ち出すことで、「罰ゲームといえばデッドボール」という圧倒的なポジションを築くことができました。
また、「怖いもの見たさ」とは、そこまでレベルが低いといわれると逆に一度体験してみたくなる、という逆の心理をついたものです。男性にとっては、「この前デッドボールにいってさ~」という体験は、話のネタとしても使え、話題のテーマパークにいったような感覚のものなのです。
こうしたニーズに対して、デッドボールはまさにわかりやすいストーリーで訴求したといえるでしょう。
③失敗を語る
⑤自分を投影できたり共感できる登場人物がいること
デッドボールのコンセプトは、もともとは焼肉屋の「ホルモン」です。ホルモンも昔は捨てられていたものを調理の仕方次第では非常においしく提供することができ、しかも原価も安い、というところから、風俗でもこれと同じことができるのでは!?という発想からできてそうです。ただし、消費者が今まで体験したことがないものに興味を持ってもらうためには、強烈なインパクトをもったストーリーが必要となります。そして、その役割を負ったのが、強烈なキャラクターを持った初期の女性キャストでした。例えば、デッドボールの初期メンバーとして一躍注目された、「アボットさん」という女性がその一人です。
アボットさんは、前歯がないのが特徴の女性ですが、当初からこの前歯がない点を非常にユーモラスに前面に押し出した売り方をしていました。そこに注目したメディアがその強烈なキャラクターに興味をもち、様々な取材が入ってくるきっかけになったそうです。実際、アボットさんはテレビ出演も2014年に果たし、ここからデッドボールの知名度も飛躍的に向上するようになったのです。
また、基本的に社会的常識や、一般社会で生きていくことための能力などが欠如しているところも多々あったそうですが、そういうところも、赤裸々に発信していき、「実際はどういう人なんだろう!?」という好奇心を駆り立てていったのです。
現在もこうした売り方は継続しており、ダメなところや失敗を隠そうとせず、逆のそれをポジティブな魅力として発信することを心がけています。
実際にいくつかの女性の紹介文をこちらに引用してみます。
「一瞬ポ〇モンかなと思ってしまうほどすっごい丸いんです!別の意味ですごく愛嬌のある体型をしています」
「顔は「森三中の○島」似ですが、とりあえずの清潔感もあり、髪の毛にもツヤがありますが、体型は熟女ならではの寸胴型。公園でダンゴムシを愛でる少年の気持ちで接しましょう♪」
「旦那さんとの夜の営みはシーズンに1回しかなく(年に4回)しかも旦那さんとの攻防は「一回の表」で終わってしまうそうです。
体重も二倍、悶々とした気持ちも二倍、笑顔は100倍愛嬌たっぷりの笑顔で気の遣える優しい女性です」
「入れ歯と言えば石川さん!!東北生まれ!東北育ち!歯が無いやつは大体友達!な石川さんですが意外とマナーや接客態度は良いらしく
好評です。」
どうです、逆に気になってきませんか笑??これがストーリーマーケティングの力なのです。
とがったストーリーマーケティングには炎上対策が必要
ただし、このように尖ったストーリーマーケティングは一方で炎上リスクが高くなってしまうものでもあります。
人の感情や価値観を揺さぶるものは、それだけ「負」の感情を喚起してしまい炎上になってしまう可能性もあるからです。
炎上対策のためには、一時的なノリではなく、企業や個人としてのポリシーをしっかりと定め、そのうえでストーリーを発信していくことが必要です。
ストーリーマーケティングはどなたでも活用できます。
ストーリーマーケテインを活用したいという企業や個人の方は多いですが、実際にやってみようと思うと特に紹介するところがない、というところで止まってしまうことが多くあります。しかしながら、このように全くいいところのなかったデリヘルという特殊な業界であっても、そのダメな部分を徹底的に発信することで、大成功するストーリーマーケティングを生み出すこともできるのです。ストーリーマーケティングを検討されている方は、まずは失敗や負の側面を見つめなおすことで新たなヒントが見つかるかもしれません。
◆そのデザイン。あなたのサービスの魅力、本当に打ち出せてる?
顧客視点のストーリー戦略実践シート無料進呈中
◆代表プロフィール
株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温
マーケティングリサーチのシステムとデータの提案営業を経験後、 最年少で事業部を立ち上げ、若年層国内ナンバーワンのユーザー数を達成。
リサーチの重要性と併せて、コストや施策への活用の課題を痛感し、中小・スタートアップでもリサーチやマーケティング施策の最適化をより手軽に利用できるようにする為、リサーチ×マーケティング支援事業の”株式会社まーけっち”を創業。
◎副業・フリーランス登録のご相談もお待ちしています!
◎FACEBOOK ◎Twitter
######
◆無料で300人のプロフェッショナルを活用 人材の採用診断も
私達、株式会社まーけっちは、
経営方針や事業計画の徹底したヒアリングに基づき、採用計画や必要な人物像の策定からご提案まで行います。
正社員は勿論、副業・フリーランス人材の選定も、専門家がコミット!
「頼るべき仲間が見つかる」 自社採用は勿論、在宅や外部のワーカーの活用のための ビジネススキル・適性診断を開発しました。
期間限定で無償お試し可能! ご興味があるという方はお気軽にお問合せください。
採用スクリーニング診断とプロフェッショナルプラットフォーム
・資料の無料DLはこちら