採用・人材
採用コンサルティングとは?主な業務内容や活用のメリット、費用について解説
2020.10.02
年々採用の市場は難易度が上がっており、なかなか優秀な人材が集まらないという悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そんな中で、採用活動を支援するサービスやツールも広がりを見せています。
今回は、採用に関するプロフェッショナルでもある「採用コンサルティング」について、メリットやデメリット、選び方などをまとめていきます。
当記事では、
- これから採用活動をするが、企業内外で何をすればよいかわからない
- 採用コンサルティングを入れることで、どんなメリットがあるのか分からない
という方に向けて、採用コンサルティングについて解説していきます。
採用コンサルティングとはどんな仕事?主な4つの業務を解説
そもそも採用コンサルティングとは、具体的にどのような業務を行っているのでしょか。
採用コンサルティングが行う主なサービス内容を4つ挙げていきます。
採用に関する最新の情報を共有する
採用活動において、情報量が大きく成功・失敗の明暗を分けていきます。
市場のトレンドや動向、競合他社の状況に加えて、企業内での経営状態や強化したいポイント、不足しているポイントなど環境は目まぐるしいほどに変化しています。
企業ごとにアプローチすべき点は異なります。制度の高く質の良い最新情報を共有してもらえることは、採用活動を効率的に進めていくことに繋がります。
未発掘の採用課題を見つけ出す
- 「内定者が入社後定着していない」
- 「内定に結びつく人材が来てくれない」
- 「採用活動として何をしてよいかわからない」
など、企業が抱える採用に関する課題は様々です。
その課題解決に向けて、本質的にどの部分に問題があるかを第三者の視点から原因を浮き彫りにしていきます。
採用課題に関するノウハウも多いため、内部だけでは見つけにくい問題点を見つけ、課題解決に繋げていきます。
内定者のフォローから職場定着までのプロセス作成
内定者が会社で活躍できるように支えることも、採用コンサルティングの業務のひとつです。
面談や研修、説明会などを通じて内定者のフォローを行い、入社後のミスマッチを防いでいきます。
近年社会的にも問題提起されている「内定辞退」や「入社後すぐの退社」が発生すると、企業にとっても大きな損失になります。
そのため、入社後の定着を見据えて、内定後から入社後までのプロセスを作成して企業の人事業務をサポートしていきます。
採用コストの削減
年々採用に掛かるコストは上昇傾向にあると言われています。採用に関するサービスも多岐にわたり、採用手法も増えてきています。
そのため、企業内部で情報を整理しきれずに、既存の手法に頼ってしまっていることがあります。
また、採用のミスマッチの増加や余分なコストを掛けてしまっているといった背景があります。
採用コンサルティングは、企業に合わせた最適な採用プロセスを模索して実行していくため、余分な部分を取り除いていくことで結果的に採用コストの削減に繋がる可能性があります。
また、助成金などの仕組みにも精通していることから、面倒な申請手順においてもしっかりとサポートしてくれます。
採用コンサルティングを導入するメリット・デメリット
採用コンサルティングを導入するメリット・デメリットについてそれぞれ解説をしていきます。
採用コンサルティングを導入するメリット
採用コンサルティングを導入するメリットとしては、主に以下の2点を挙げることができます。
- 第三者の視点を得られる
- 採用活動の工数削減
①:第三者の視点を得られる
企業ごとに課題は様々で、必ずしも競合他社や似たような企業と同じことをしても解決に繋がるかどうかはわかりません。
企業内部だけでは、問題点も近視眼的になりやすく、本当に抱えている問題が見えてこない、または解決策が分からない事態に陥ることがあります。
そんなときに第三者の視点から、採用活動に関するプロフェッショナルが持つ情報やノウハウを共有し、照らし合わせていくことで解決の糸口を見つけていくことが出来ます。
結果的に、企業内に採用活動に関するノウハウを蓄積していくことになるため、管理部門を強化していくことに繋がっていきます。
②:採用活動の工数削減
採用活動自体、長期にわたるプロジェクトであり、担当者の工数負担もかなり大きなものになります。
しかし企業規模によりますが、人事担当者が専業で業務を行っていることは少なく、ほとんどの企業が他の業務を並行して行っています。
良い人材を見つけたいが、十分な工数を確保できていないという課題に対して、採用コンサルティングを導入することで、採用活動の工数を分散でき、効率的で品質の高い採用活動に繋げることが出来ます。
採用コンサルティングを導入するデメリット
採用コンサルティングを導入するデメリットとしては、主に以下の2点が挙げられます。
- 費用面での負担は大きい
- 思うような結果が得られないこともある
①:費用面での負担は大きい
採用コンサルティングの料金は、サービス内容をどこまで手厚くするかによって大きく変動していきます。
顧問契約やスポット的に利用する場合には、比較的低料金で数万円~10万円前後で導入できます。
しかし、1つの採用活動プロジェクトとして活用していこうとすると100万円前後~数百万円といった費用負担が発生します。
実際には、料金は公表されていないことが多く見積もりを取らないと比較検討できないという点もあります。
企業規模によっては、決して安い金額ではないため、きちんと費用対効果に見合ったサービスかどうかを見極めていく必要があります。
②:思うような結果が得られないこともある
近年では採用手法も様々で、トレンドや求職者の動向も変わっていきます。
もちろん失敗はしたくないですが、採用コンサルティングを入れたからといって絶対はありませんし、思うような結果が得られない可能性も十分にあり得ます。
採用コンサルティングを導入すべきタイミングはいつ?
採用コンサルティングを導入するのは、採用活動開始前がおすすめです。
採用コンサルティングの業務にも挙げたとおり、採用活動の戦略から計画の実施、その後のフォローと多岐にわたっています。
企業として、どのように採用コンサルティングを活用していくのかによって導入タイミングは変動していきます。
プロジェクトとして一緒に動かすのであれば、1年~2年前からスケジュールを綿密に立てていくことになるため、場合によっては長期的な視点が必要になります。
採用コンサルティングの導入前に企業がすべき3つのこと
採用コンサルティングの導入を検討するにあたって、現時点で企業が持つ人事に関するリソースの確認と、導入目的を固めておいた方がより効率的な活用に繋がります。
そこで、採用コンサルティング導入前に企業がすべき3つのポイントについて解説していきます。
①:トップを含めた社内の意思統一
優秀な人材を企業に取り込むことは、企業活動の中でも非常に重要な要素であり、企業の将来を大きく左右していきます。
そのプロジェクトの一躍を担う採用コンサルティングをどのように活用して、どのような成果に繋げていくのかをトップを含めた全社的に意思統一していくことが重要になります。
採用にあたって企業内の環境整備などの調整が必要になっていきます。
場合によっては組織的な改革やワークフローの修正など、意思統一をしておかなければ進められない事象も出てきます。
採用活動は、採用担当者が実務を行いますが、トップをはじめとする全社的に協力を仰げるような環境作りをしておきましょう。
②:採用評価ポイントの整理
採用活動における評価ポイントは企業内でしっかりと整理をしておく必要があります。
現時点でどのような人材がほしいのか。どういった課題があるかを整理しておきます。
また、採用活動における集まった人材の質や内定辞退率などの指標を定めていきます。
そうすることで、採用コンサルティングと情報共有を迅速に進めることができ、より効果的なアドバイス、計画立案に繋がります。
採用コンサルティング会社から見積を取って比較検討していく際にも、こちらが提示した情報や目的に対してどのように動いてくれるのか見えるので、よりよい採用コンサルティング選びに繋がります。
③:余裕を持ったスケジューリング
すでに採用活動が始まってから採用コンサルティングを導入しても、打てる戦略に限りが出てきてしまい、十分な効果を発揮しにくいです。
採用コンサルティングを最大限引き出すのであれば、採用活動前に導入し、計画・戦略の立案から活用すべきです。
そのためにも、新卒採用であれば1年~2年ほど前から相談を始めたほうが良いでしょう。
慌てて準備して無駄な時間とお金を使わないためにも余裕を持ったスケジュールが重要です。
採用コンサルティング企業の選び方
ここからはどのようなポイントを押さえれば、企業に合わせた採用コンサルティングを選ぶことができるかを解説していきます。
企業ごとに特徴や抱える課題は異なりますが、以下の4点は重視していきましょう。
自社の事業内容、課題を理解・共有できているか
採用コンサルティングを導入することで、企業にとって表立って公表されている部分(事業内容)のみならず、外からは見えない問題点や課題を共有することになります。
そのため、情報を共有するほどに信頼できる必要があります。
しっかりとコミュニケーションが取れ、論点が整理されていて、企業の課題を理解できている。
そして適切なフィードバックが得られるような採用コンサルティングを選んでいきましょう。
将来の採用に繋がるノウハウ蓄積に繋がるか
現時点で企業内に採用に関するノウハウが無く、採用コンサルティングを導入して地盤を作ろうとするならば、このポイントは外せません。
なぜなら、採用コンサルティング会社によって、または契約プランによってはまったく企業内情報が落とし込まれず、社内ノウハウの構築に繋がらないことがあります。
相談の段階で、そのような趣旨までしっかりと伝えた上で協議していかないとまったくの無駄になってしまうので注意が必要です。
どの範囲までフォロー・支援してくれるのか
採用の市場は業界ごとに特徴や傾向が大きく異なることがあり、採用コンサルティング会社にも得意な領域や業界があります。
相談する際には、ここからここまで関わってほしいとしっかり意思表示しておかないと後々のトラブルに繋がりかねません。
過去事例などをチェックしながら、企業で抱える課題に応じて、その領域を得意とする採用コンサルティング会社を選ぶようにしましょう。
同業者、同じような課題を持つ企業の成功事例
採用コンサルティング会社にも、多少なりとも能力の優劣があります。
選定の際に、同業他社や自社と似たような課題を持つ企業の事例を訪ねてみると良いでしょう。
また契約後のチーム体制も注視しておきましょう。コンサルタント自身にも能力や経験値に差があります。
実際担当者は1人でも、採用コンサルティング会社としてチームを組んでバックアップが得られるようであればより質の高い情報を集められます。
採用コンサルティング会社のおすすめ3選
ここからは、多くの企業から採用コンサルティングを請け負っている実績のある企業を3社ご紹介いたします。
①:カケハシ スカイソリューションズ
新卒・中途の採用コンサルティングサービスをはじめ、外国人採用支援や社員研修など人事にまつわる様々なサービスやツールを提供しています。
マッチングイベント「麻雀採用」や、島起しインターンシップ「島キャン」といった個性的なイベントも行っています。
幅広いサービス領域で一括してサポートしていくことで、年単位の採用計画・戦略を立てていくことが出来ます。
公式サイト上では事例の紹介も行われており、「私たちの強み」のなかでは苦言を言うこともありますとはっきり書かれており、任せてもらうという信頼感を非常に大事にしている採用コンサルティング会社です。
②:Legaseed
フルオーダーメイドの採用計画を提供するサービスが大きな特徴な、新卒採用に特化したコンサルティング会社です。
学生からの人気も高く、創業6年目ながら17,000人以上からエントリーを受け、2021年卒インターン人気企業トップ10に選ばれるなど、注目を集めている企業です。
新卒採用に関連した様々なプログラムを設けており、入社後の人材定着を目指した環境整備や、各種運用代行も担っています。
③:ジーズコンサルティング
ジーズコンサルティングの特徴は「採用に関することはワンストップで提供」できるという点です。
必要に応じたサービスに限定して提供してもらうことができるため、コストを抑えることが出来ます。
就活生向けに就活支援事業「PRE-BIZ」を運営しており、就活生のリアルな情報をもとにサービス提供しています。
採用コンサルティング導入は企業の将来に大きく関わる
今回は採用コンサルティングの選び方について、メリットやデメリットと合わせてまとめていきましたが、いかがでしたでしょうか。
採用を通じた企業の基盤強化は、将来に大きく影響していきます。
黙って求人票を出しておけば、優秀な人材が集まるという時代ではなくなってきています。
企業としての価値を上げていくためにも、採用活動を通じて、トップを巻き込み、問題・課題解決していかなければ、人材の定着には繋がりません。
「採用コンサルティング」というプロフェッショナルの力を上手に利用しながら、より効率的かつ効果的な採用活動を検討してみてはいかがでしょうか。