採用・人材
採用基準の作り方|ミスマッチを防ぎ良い人材を確保するための考え方とは
2020.10.05
優秀な人材を採用するためには、採用基準を設定する必要があります。
適切な採用基準を決めれば、入社後のミスマッチが起こりにくくなり、企業も応募者も納得のいくものとなるでしょう。
採用基準がなかったり曖昧な場合、良い人材を確保しにくいです。
そこで今回は「採用基準はどのようにして決めるべきか」「採用基準で注意するポイント」を解説します。
しっかり採用基準を定めて、良い人材を確保しましょう。
採用基準とは?
採用基準とは、選考で合否を適切に判断するための指標です。
採用基準は、面接官によって選考に個人差が出ないようにするためのものでもあります。
採用基準は公平でなければいけません。また、採用後のミスマッチを防ぐ上でも重要です。
とくに気を付けておきたいのがミスマッチ。ミスマッチすると、早期離職の可能性があがります。
早期離職すれば、採用にかけた費用や労力も無駄になり、企業にとって大きなダメージになるでしょう。
このような非効率的な採用活動を防ぐためにも、採用基準は設定しておくべきです。
もし採用がうまくっていない場合は、採用基準に問題があるかもしれません。
採用基準が適切に設定されているかどうかが、優秀な人材、求める人材を確保できるカギといっても過言ではありません。
採用基準の見直しが必要なケース
採用活動がうまくいっていないなら、採用基準を見直しましょう。
現在採用基準を設定しているにも関わらず、採用活動が上手くいっていない企業もあるのではないでしょうか。
採用基準の見直しが必要なケースは主に4つです。
- 書類選考通過者が少ない
- 応募総数が少ない
- 現場と人事の合否が一致していない
- ミスマッチを起こしている
以下のような場合は、早急に採用基準を見直しましょう。
書類選考通過者が少ない
書類選考通過者が少ないのは、書類選考の採用基準が厳しすぎる可能性があります。
書類選考の基準が厳しすぎると、優秀な人材を落としかねません。
採用の入り口である書類選考を狭めれば、それだけ可能性を狭めることに繋がります。
面接にまわせる項目があれば面接にまわす、厳しすぎる項目がないか確認するなど、書類選考の採用基準を見直してみましょう。
応募総数が少ない
応募総数が少ないのは、採用基準が厳しすぎる可能性があります。
基準が厳しければ、当然敬遠されやすいです。
優秀な人材を確保するため、スキルや経験などの条件を多く挙げてしまう企業がありますが、厳しすぎる条件は敬遠され応募総数が減ってしまいます。
すべてのスキルを必須にするのではなく、「必須条件」と「歓迎条件」を分けてみましょう。
現場と人事の合否が一致していない
現場で求めているはずの人材なのに、現場社員が不採用になってしまうことがあります。
これは採用基準が曖昧、または解釈の違いを起こすような内容になっているからです。
採用基準自体に問題がある可能性を考慮し、まずは現場と人事でしっかり話し合いをしましょう。
場合によっては、1から採用基準を作り直した方が良いです。
ミスマッチを起こしている
採用基準が曖昧だと、ミスマッチを起こしやすいです。
ミスマッチを起こすと、早期退職につながります。
これは採用基準の曖昧さが原因となっている場合が多いです。
どんな人材を求めているか明確にし、しっかり自社をアピールできれば、ミスマッチは防げます。
採用基準の必要性
採用基準を設定するのは、効率的な採用活動のためです。
採用活動には多くの時間と費用がかかります。
しかし、採用活動が上手くいかなければ、採用活動にあてた費用が無駄になりかねません。
また、採用基準が明確になっていれば、お互いの希望に合致しやすいため大幅に労力を割けるでしょう。
採用基準の必要として、主に2つの理由を解説します。
- 公正な選考のため
- ミスマッチを防ぐため
公正な選考のため
選考には、スキルや経歴だけではなく、コミュニケーション能力や協調性などもあります。
しかしコミュニケーション能力や協調性は面接官の主観になりかねません。
そこで、「求めてる人材」を明確化し、採用基準とするのです。
求めてる人物像を明確にすれば、面接官の主観で合否を決めることにはならず、公正な選考になります。
とくに新卒採用の場合、スキルや経歴が少ないため、採用基準を明確にした方が良いでしょう。
ミスマッチを防ぐため
採用基準を曖昧にしてしまうと、早期離職者が出やすいです。
早期離職してしまう理由としては、主に以下のような理由があります。
- やりたいことと違った
- 社風が合わない
このような不満は、採用基準に問題がある可能性があります。
採用基準には定性的な基準も必要です。
自社の雰囲気に合っているか、能力と合致しているかなど、定性的な要素も採用基準には重要だと考えましょう。
問題のある採用基準
採用基準は、設定していれば良いわけではありません。
なかには失敗しやすい採用基準があります。
特に注意する部分は以下の2つです。
- 採用基準が曖昧
- 採用基準が高い
なぜこれらの採用基準に注意しなければいけないのか、解説します。
採用基準が曖昧
曖昧な採用基準は、面接官によって合否が左右されてしまいます。
曖昧であればあるほど、面接官の解釈によって判断が異なるからです。
企業と応募者の間でミスマッチが起こる原因にもなってしまうでしょう。
採用基準はできるだけ細かく設定しておくべきです。
採用基準が高い
採用基準の高い・低いは、企業目線だけではわかりません。
企業側が低くしているつもりでも、応募者からみると基準が高いと思われるケースがあります。
これは企業側が採用市場と照らし合わせた採用基準を作っていないからです。採用市場と照らし合わせたとき、基準を満たす人材の絶対数が少なくなっている可能性があります。
採用市場は年々変化しているので、必ずその年のの採用市場を確認しておかなければいけません。
採用選考の流れ
どの段階でどんな風に考えるべきか?どこに力を注ぐべきか?を明確にしておくと、採用基準が作りやすいです。
流れは主に5段階に分けられます。
- 採用計画…採用目的を割り出し、求める人物像を明確化
- 採用広報…自社にとって最適な手段で広報する
- 説明会…応募者に対して自社をアピールする
- 応募管理…応募者が多い場合、効率化のために情報を管理しておく
- 選考…応募者の動機づけや口説きをおこなう
最後に内定もありますが、なかには内定辞退されることがあるので、内定辞退対策を立てておくと良いでしょう。
また、一連の採用業務を数値化して残しておくと、後々の採用基準に役立ちます。
採用基準を作る前にしておくべきこと
採用基準は事前調査なしでは完成しません。
事前調査を怠って採用基準を作っても、曖昧な基準となってしまうため失敗しやすいです。
主におこなっておくべきことは3つ。
- ヒアリング
- コンピテンシーの明確化
- ペルソナ設定
それぞれが重要な理由や、どのようにすすめていくのかを解説します。
ヒアリング
まずは各部署にヒアリングをおこないましょう。
各部署がどんな人物を求めているかわかれば、「求める人物像」を明確化できます。
各部署のマネージャーや現場の人間など、できるだけ幅広く聞いておくのがポイントです。
特に現場の声は聞いておきましょう。「今どんな人材が必要か」一番わかっているのは現場の人間です。現場の人間の声を疎かにすると、ミスマッチが起きやすくなります。
求める人材を聞く際には、できるだけ具体的な意見を聞くようにしてください。
また、能力だけではなく、価値観を聞いておくのも重要です。各部署に近しい価値観がわかれば、定着率を高められます。
コンピテンシーの明確化
コンピテンシーの明確化とは、できる人の仕事に対する考え方や価値観を調べることです。
業績の高い人をモデルケースとすれば、求める人物を洗い出しやすくなります。
ただし、人の評価は役職や部署によって異なるため、コンピテンシーを明確にしなければいけません。
コンピテンシーを明確化する上で重要なのは「どんな結果を残したか」ではなく「思考傾向」です。
「成功するためになぜその行動をとったのか?」を理解しておくと、価値観における採用基準を作りやすくなります。
ペルソナ設定
ペルソナは、求める人物を細かく設定する方法です。
ペルソナ設定をすると、より細かい人物像が明確になります。
ペルソナを決める際は、おおまかな性格だけではなく、人生のエピソードまで設定しましょう。
今までどんな風に過ごしてきて、どんな経験をしてきているのかまで設定することで、ターゲット像をまとめやすくなります。
面接官に共通認識を持たせるためにも使えるでしょう。
採用基準で重視するべきポイント
採用時に重視するべきポイントは、新卒と中途の場合で分かれます。
新卒の場合、より公正な採用基準が必要なため、重視するべきポイントは5つです。
中途の場合も公正な基準が必要ですが、即戦力を求めるケースが多いので、重視するべきポイントは3つになります。
採用基準を作る際には、新卒と中途で重視するべきポイントを分けましょう。
新卒の採用基準で重視するべきポイント
新卒の採用基準で重視するべきポイントは5つです。
- コミュニケーション能力
- 主体性
- 協調性
- チャレンジ精神
- 誠実性
新卒の場合は、スキルや経験よりも価値観が重要です。
どれだけ自分の意見を伝えられ、どれだけ相手の意見をくみ取れるか、またどれだけ積極的に仕事に取り組めるかなどを重視しましょう。
中途の採用基準で重視するべきポイント
中途の採用基準で重視するべきポイントは3つです。
- スキル・経験
- 熱意
- 人間関係
中途の場合、即戦力のある人材を求めたいので、スキルや経験が必須事項でしょう。
また、どれだけスキルがあっても、熱意や人間関係に問題があると仕事に支障をきたします。
新卒の場合と比べると、価値観よりも経験を重視した方が良いでしょう。
採用基準の作り方
採用基準を決める方法は大きく分けて3つです。
- 目的から絞る
- 先天的要素・後天的要素に分ける
- 必須事項と希望事項を分ける
採用基準の作り方に悩んだら、3つの方法から絞りこんでいきましょう。
目的から絞る
なぜ人材が必要なのか?目的から絞る方法です。
人材が必要ということは、なにかしらの目的があります。
たとえば目的が「新規事業立ち上げに伴う増員」の場合、求める人材は「新規事業を任せられる存在」ですから、新規事業に対しての熱意や経験を重視した方が良いでしょう。
さらに長期的に活躍してくれる存在も、基準の中に入っていた方が良いですね。
また、実際に長期で活躍している社員がいれば、その人材の特徴をそのまま採用要件に反映させても良いでしょう。
先天的要素・後天的要素に分ける
先天的要素と後天的要素というのは、言い換えるならば元々あるものと後から育てていけるものです。
- 先天的要素…元々のその人の性質
- 後天的要素…これから育てていけるもの
先天的要素には「性格」「価値観」「適正」などがあります。後天的要素には「知識」「スキル」「意欲」などです。
たとえば長期的に働いてほしい場合は、性格や価値観など、先天的要素を優先した方が良いでしょう。
欠員補充の場合、即戦力となる知識やスキルなど、後天的要素を優先します。
今求めている人材に「なにをしてほしいか?」を明確にすると、先天的要素、後天的要素、どちらを優先にするべきか把握できるでしょう。
必須事項と希望事項を分ける
必須事項と希望事項に分けると、採用要件を絞りやすくなります。
採用要件の「希望事項」は挙げればキリがありません。
そこで、必須事項と希望事項に分けてみましょう。
特定のスキルや知識が必要な職種なら、スキルや経験が必須事項になります。
この時、価値観や性格は特別必要ではないので、希望事項です。
必須事項さえ決めておけば、希望事項は後天的要素として考えられるので、あえて必須事項に入れる必要はありません。
結果的に必須事項が少なくなるので、応募数の増加が期待できるでしょう。
採用基準の注意点
採用基準には、法律上含めることができない事項があります。
主に以下の点に注意しましょう。
- 性別
- 年齢
- 身長
- 体重
- 障害・病気
- 本籍・出身地
- 家族
- 住宅状況
- 生活環境・家庭環境
- 宗教
- 支持政党
- 人生観
- 尊敬する人物
- 思想
- 社会運動
これらは厚生労働省によって定められているため、採用基準に盛り込まないようにしてください。
自社に適切な採用基準を設定しよう
自社の求める人材を採用したいなら、採用基準をしっかり作っておきましょう。
採用基準が明確でなければ、応募者から選ばれにくくなり、もし入社してもミスマッチを起こしてしまいやすいです。
採用基準を作る方法として3つの方法を解説しましたが、3つの方法から自社に合った採用基準を作りましょう。
近年良い人材を確保するのは難しくなっています。採用基準をしっかり見直して、良い人材を確保しましょう。
採用基準の練り直しならまーけっちにお任せください
私たち、まーけっちは採用支援をおこなっています。
まーけっちでおこなっている支援は3つです。
- 必要人材像・採用基準の明確化
- 複数人材 DBからスクリーニング
- 成果の効果測定を改善
必要な人材の選定や確保、チーム作成までおこなっているので、採用にお悩みでしたらお気軽にご相談ください。