成功する企画アイディア創出には、実はリサーチが肝!?

新規事業プレゼンや、新企画のコンペ・提案などで、施策案や企画書を作らなければいけない場合、
どのようにアイディアを創出し、選定しますか?創出したいアイディアの種類によって、必要な手法も異なります。実は、やみくもに巷の思考法やブレインストーミングなどを使ってアイディアだけを発散させても、成功する企画に繋がることは、少ないのです。

成功する企画・アイディア創出を効率的に進めるには、実は、リサーチや戦略的な、アイディア創出と選定が重要です。今回はその方法をまとめました!

◆アイディアは種類によって発想手法が異なる

アイディアの種類としては大きく分けて下記があります。

アイディアの種類(フェーズ)① 商品・プロダクト自体の企画やアイディア
 ・顧客の課題に沿うかが重要なため、顧客視点が必要になる 
 ・ビジネスモデルやバリューチェーンのイノベーションも含まれる為、業界や既存事業の基礎情報も必要

アイディアの種類(フェーズ)➁ マーケティングやコミュニケーション施策のアイディア
 ・顧客の興味に沿うかが重要なため、顧客視点に沿った選定が必要になる 
 ・アイディアの幅が広い為、制約条件を決めておく必要がある。
 ・後に企画としてまとめるための幅広い知見がほしいのか、もしくはすぐに企画書に落とし込むことが可能な具体的なアイデアがほしいのかを決めておく必要がある。

それぞれ、アイディアの創出方法は一緒くたに考えられることが多いのですが、
考えるアイディアがどちらのフェーズかよって、適切な手法や抑えておくべき点が異なるので、併せて解説します。

◆成功する企画・アイディア創出のためのリサーチ【1】 重要な分析軸を抑える


まずは、重要な分析軸など抑えるべき観点を整理しましょう。特に必須とされるのは下記です。この前段階の準備である、分析軸を決めることは、アイディアフェーズ①事業・商品自体の企画では必須です。

アイディアフェーズ➁プロモーションとしての企画では、分析軸を決めることの徹底は、必須ではないですが、より効果の高いアイディアを創出し、的確に選定するためには、十分に踏めることが理想的とはいえるでしょう。

○重要な分析軸① ターゲット・顧客は誰か?狙うべき層を明らかにする

今回の企画や施策における「ターゲット」はどんな人か、狙うべきターゲット層は誰か?
候補が複数あってもかまわないので、属性・課題感など、定義や軸を明確化する必要があります。話はそれからです・・!!!
(ただ、意外と「ターゲット・顧客」の定義やその検討余地が曖昧なまま、
リサーチやマーケティング施策を実施してしまうことも多い為十分に注意しましょう。)

購買をよくしてくれているユーザー層を重要視するファンマーケティングも勿論大事ではあるのですが、
ポテンシャルが大きく、改善効率が高いのはその他の下記のユーザー層です。

ユーザー層全体ファネルから、今本当にターゲットとして狙うべきユーザー層を踏まえ、ターゲットの定義を明確にしましょう。

ユーザー層ファネル

狙うべきユーザー層① 競合・潜在ユーザー

・未認知層
・認知未購買層(知っているが販路が不明)
・認知未購買層(知っているが期待なし)
 
狙うべきユーザー層➁ 未購買ユーザー

・ニーズがない層(期待値とかい離)
・ニーズはあるが伝わっていない層
・ニーズはあるがUI/UXで離脱層

狙うべきユーザー層➂ 離脱・休眠ユーザー

・不満足層
・満足だが競合スイッチ層
・満足だが忘れている層

○重要な分析軸➁ ターゲット・顧客のインサイト

インサイトは直訳すると「洞察」や「物事を見抜く力」などを意味します。
マーケティングにおけるインサイトの意味としては、消費者の行動のカギとなる欲求や心理の
ことです。単なる消費者の意識や本音ではなく、「なんとなく」感じているが、行動させる要因になっている無意識の心理です。

※インサイトは「潜在ニーズ」と混同されることがありますが、厳密には異なります。
例えば、「痩せたい」という顕在ニーズがあると仮定します。なぜ痩せたいのかさらに掘り下げると、
「健康になりたい」「おしゃれな服が着たい」「自信を持ちたい」などといった理由、潜在ニーズが見えてきます。潜在ニーズは欲求があるのにそれに気付いていない状態を指し、対してインサイトはまだ欲求さえない状態を指しています。

ターゲット・顧客のインサイトを知ることもできれば、それを刺激するアイデアをも得られます。

○重要な分析軸➂ ターゲット・顧客の課題

小さな意見であっても、自社に対して寄せられる声は非常に価値あるものです。
既存サービス改善にはもちろん、新しい商品やサービスのヒントになる情報が隠されている可能性があるでしょう。


○重要な分析軸④ 競合比較・業界全体の中での強み・弱み

主活動(購買・製造・物流・販売マーケティング・サービス)と、支援活動(インフラ・人事労務・技術開発・調達)のそれぞれの観点で
競合や業界全体と比較して、自社の強みや弱みを整理するために用いてみましょう。

※なお、強み弱みを分析する際には、自社もさることながら勿論、事業や部門単位での分析が必要だと思います。

大企業など大きな組織の場合、資金力や技術、インフラの整備、制度などが強みとなったり、弱みが解消されていったりします。
部門ごとで見るとその強みが活用できないことや採用の遅れなど、逆に課題が生じることも有るでしょう。

◆成功する企画・アイディア創出のためのリサーチ【2】適切な手法の選定

アイデアの種類と発想したいことによって適切なリサーチ・は異なります。
それぞれに適したリサーチの手法や分析がある為、適切な手法を選定することが重要です。

○アイディア創出のためのリサーチ手法① 定量調査・アンケート

アイディア創出の為に、紙やWebでのアンケートを活用することも可能です。
調査種別でいうと「探索的調査」になります。

主に「顕在化ニーズの把握・未十足ニーズ探索調査」
(ニーズが顕在化しているけれども、何らかの理由で満たされていないものを確認する調査)に適している為、アイディアの種類① 商品・プロダクト自体の企画やアイディア で仮説が既にあるものの検証に最適といえるでしょう。
潜在ニーズの把握の為には、下記の定性インタビューなど、もう少し掘り下げた調査が適しています。


○アイディア創出のためのリサーチ手法➁ 定性調査・グループインタビュー

課題や問題点、仮説などについてインターネット調査などの定量調査では把握しきれない詳細情報を得たい、消費者の本音を聞き出したい、気づきにくいことを発見したい時のデータ収集方法です。

単純にインタビューで質問・回答を繰り返すだけでなく、ホワイトボード・付箋などを使用してグループワークも行うと、より活発な意見交換や自発的な発言を引き出すことができます。対象者自身も、他人の話を聞くことによって、新たな視点から意見ができます。

参加者同士が刺激し合い、また自発的で自由な発言を促すことで相乗効果が生まれ、グループ・ダイナミックスによるアイデア創出は、潜在意識を引き出す方法論としても有効です。

○アイディア創出のためのリサーチ手法➂ PAC分析

PAC分析のPACとは,PersonalAttitudeConstruct(個人別態度構造)の略称です。

①当該テーマに関する自由連想
②連想された項目間の被験者による類似度評定
③類似度距離行列によるクラスター分析
④クラスター構造のイメージや解釈の報告

個人ごとに態度やイメージの構造を分析する手法であり、生活者の考える価値観やモノ・コトの前提、既存の意味を問い直し、かつ、新たな意味を提案するアイディエーションやソリューションに応用できるものです。

個を科学する手法の為、1to1のインタビュー(定性調査)で十することが多いのですが、定性調査だけではなく、項目を絞った上でできるだけ多くの人を対象とし、大量サンプルの情報を可視化・構造化することができれば、集合知として把握することが可能です。


○アイディア創出のためのリサーチ手法④ SNS分析

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は消費者のリアルな声・反応を集めるための情報源として、今や、企業のマーケティング活動に不可欠なものとなっています。
ターゲットとなるユーザー層のSNS上での投稿をテキストマイニングツール等で分析し、マーケティング上のヒントとなる情報を集めていきます。

SNS分析ではユーザーの何気ない発言や本音をほぼリアルタイムで知ることができるので、特に、ターゲット層の興味関心や流行、それに対する感情をを知るのに役立つ分析手法だと言えます。

SNS分析では、例えば次のような情報を知ることができます。

ーーーーー
・トレンドを知る
どのようなキーワードが話題になっているかを知ることができます。
キャンペーンや新製品の企画にこのトレンドをうまく絡めることで、自社製品の認知拡大や集客につなげることができます。

・ファンを知る
特定のキーワードに関する投稿を集めると、そのキーワードに関するユーザーリストも収集できます。
該当キーワードに対する各アカウントの投稿内容や感情を分析し、肯定的な投稿をしているユーザー(=ファン)を分析し、広告出稿時のターゲティングに生かすことができます。

・アンチを知る
ファンを知るのと同様に、自社製品に対してネガティブな感情を持っているアンチのリストも収集できます。広告配信対象からアンチを外すことで、広告配信の効果を高めたり、炎上リスクを減らすことができます。

・インフルエンサーを見つける
インフルエンサーとなるユーザーを特定し、ターゲット層に与える影響をチェックすることができます。場合によっては直接アプローチし、情報の拡散をお願いすることもできます。
ーーーーー

SNS分析のデータは、単体でもマーケティング活動に有益な情報ではありますが、先に紹介したアンケート、グループインタビュー、PAC分析などと掛け算することで、より深く、より様々な視点でのユーザー分析が可能となります。

◆企画アイデアがなかなか思い浮かばない人がひらめくための方法

アイディア創出

最後に・・・アイディアがなかなかわかないときはどうしたらいいでしょうか?
アイディアを創出するための思考法をご紹介します。➁プロモーションとしての企画におけるアイディア出しにより向いているといわれます。

○ブレスト

ブレインストーミングとは、集団でアイデアを出し合うことによって相互交錯の連鎖反応や発想の誘発を期待する技法です。
ブレストをやったこと自体に満足してしまい肝心な課題はそのまま・・・ということも多いのではないでしょうか。
まさにブレスト自体が目的となってしまっている、悪い例といえます。

目的・落としどころを明確にしたうえで下記のルールに沿って進めましょう。

※ブレインストーミングの4原則

判断・結論を出さない(結論厳禁)
粗野な考えを歓迎する(自由奔放)
量を重視する(質より量)
アイディアを結合し発展させる(結合改善)

○マインドマップ

テーマとなるキーワードを図の中央に置き、そこから関連する言葉やイメージをどんどん広げていきマップ化することで、
思考を柔軟にし発想を延ばしていくことが可能です。

○SCAMPER(スキャンパー)法

SCAMPER法とは、創造性開発研究家のボブ・エバールが「オズ・ボーンのチェックリスト」を改良したものです。
そもそも「オズ・ボーンのチェックリスト」とはA・F・オズボーンが生み出したアイデアを強制的に量産するフレームワークのことです。

S:置き換える(Substitute)
C:組み合わせる(Combine)
A:当てはめる(Adapt)
M:修正する(Modify)
P:別の使い道を考える(Put other purposes)
E:余計なものを削る(Eliminate)
R:並び替える、逆にする(Rearrange/Reverse)

◆まとめ

アイデアの発想法は数多くの種類がありますが、
あなた自身が良い企画書を作成して、企画を成功させるために、正しい進め方を選びましょう。また、創出したアイディアのリサーチ・顧客検証も本当に重要です。下記もご参考ください。

関連記事:新規事業のリサーチ手法を公開!ニーズ調査の失敗例と成功例

◆アイディアを創出・選定に800万ユーザーを活用できる?

私達、株式会社まーけっちは、事業の成功に根差した、リサーチ・マーケティング支援を追及しています。
費用や人材のコストがネックで、適切な戦略をひくための情報整理が出来ていないケースが非常に多く、機会損失を引き起こしています。

無償や自社でできる簡単なことから始める、プロモーションと併せてリサーチをおこなうなど、出来る範囲で、コストをかけずに適切なリサーチ・マーケティングを行うことは可能です。
手法や戦略にご興味があるという方はお気軽にご相談下さい。

また、リサーチ・マーケティング・ライティング・開発/デザインを手伝ってくれる仲間を随時募集しています。興味があるという方はお気軽にメッセージ・お問い合わせください。
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◆著者プロフィール (共著)

株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温

山中思温マーケティングリサーチのシステムとデータの提案営業を経験後、 最年少で事業部を立ち上げ、若年層国内ナンバーワンのユーザー数を達成。
リサーチの重要性と併せて、コストや施策への活用の課題を痛感し、中小・スタートアップでもリサーチやマーケティング施策の最適化をより手軽に利用できるようにする為、リサーチ×マーケティング支援事業の”株式会社まーけっち”を創業。

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株式会社フラップ 代表取締役 小沼 光代

小沼光代 企業向け大型ソリューション、キャンペーン等の企画・プロデュース、プロジェクトマネージメントを行った後、フリーランスのWebディレクターとして大手クライアントのBtoC案件を担当し、2014年に同社設立。 企業のインターネット関連の課題解決を中心に、マーケティングプロモーション、コンテンツ制作等に携わっている。

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