戦略・事業
幹部やナンバーツー 適切に評価されていないと思ったら?
2024.11.06
幹部やナンバーツー 適切に評価されていないと思ったら?
はじめに
企業において、社長やCEOの影に隠れがちな「ナンバーツー」や幹部(支援者)たちの役割は、実際には組織運営に欠かせない重要なものです。しかし、こうした幹部たちの尽力は一般的に見えにくく、また適切に評価することが難しいという問題があります。本記事では、幹部の評価が難しい理由や日本企業におけるCXO人材不足の現状、さらに幹部への投資の重要性について解説します。
ナンバーツーや幹部の尽力は見えにくい理由
ナンバーツーや幹部は、CEOや社長を支える形で業務を遂行し、企業運営の安定化に貢献していますが、その貢献が目立ちにくい傾向があります。特に次のような側面が、その「見えにくさ」に拍車をかけています。
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裏方的な業務の多さ
幹部は多くの場合、事業戦略の策定や調整、リスク管理、組織の士気向上など、表舞台に出る機会が少ない業務に携わります。こうした仕事は表に出にくく、社外からは見えにくいため、その貢献度が伝わりにくいのです。 -
CEOやリーダーを支えるポジション
企業の中でCEOやリーダーはスポットライトを浴びやすいのに対し、その右腕として支える幹部の存在はあくまで補助的なものと見なされがちです。このため、幹部の成功は「リーダーの成功」として評価されることが多く、個人の貢献が十分に認知されない傾向があります。
ナンバーツーや幹部の評価が難しい理由
ナンバーツーや幹部の評価が難しい理由には、次のような要因が挙げられます。
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成果の測定が困難
CEOや営業部門のように明確な数値で成果を測れるポジションと異なり、幹部の貢献度は定量化が難しいことが多いです。組織の安定化や長期的な戦略の策定といった「目に見えにくい貢献」が多く含まれるため、一般的な評価基準が当てはまりにくいのです。 -
日本企業特有の評価システム
日本企業では、伝統的に年功序列や在籍年数に基づく評価が根強く残っています。この評価システムでは、結果よりもプロセスや勤務歴が重視されがちで、ナンバーツーや幹部の成果が正当に評価されにくくなっています。また、明確な役割分担が曖昧なことも多く、個人の貢献が見えにくくなる原因です。
日本企業におけるCXO人材の不足
現代の企業運営において、経営や事業運営に精通したCXO(Chief Officer)の存在は欠かせません。特に急速に変化する市場環境において、戦略やデジタル技術への対応ができる幹部の必要性が高まっています。しかし、以下のような要因から、日本企業ではまだこうした人材が十分に確保されていません。
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人材育成の遅れ
海外企業に比べ、日本企業は幹部育成にかけるリソースが少なく、経営視点での判断力やリーダーシップを持つCXO人材が不足しています。このため、外部から優秀な幹部を採用することも求められますが、転職文化が根付いていないために採用も進みにくいのが現状です。 -
デジタル分野の専門性欠如
デジタル分野の技術進歩に対する対応が遅れがちな日本企業では、特にデジタル戦略を牽引する人材の不足が課題となっています。新たな技術導入が遅れることで競争力が低下し、結果的に業績や成長に影響を及ぼしかねません。
支援気質を持つ幹部の重要性と評価のポイント
優れた幹部には、CEOのように突出したリーダーシップだけでなく、「支援気質」も重要です。この支援気質とは、リーダーをサポートし、組織全体を支える姿勢を指します。支援的な側面を持つ幹部の存在は、以下のような利点をもたらします。
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チームワークの促進
支援気質を持つ幹部は、チームの調和を図り、職場の雰囲気を円滑にします。リーダーがトップダウンで決定を下すのに対し、幹部は現場と経営陣の橋渡し役として機能するため、組織全体の士気や働きやすさが向上します。 -
長期的なビジョンのサポート
幹部がリーダーのサポートをすることで、企業の長期的なビジョンが現場に浸透しやすくなります。戦略的な意思決定を理解し、それを現場に落とし込む幹部の役割は、組織の一体感を育むために重要です。
優秀な幹部に報酬を投資することの重要性
優秀な幹部に適正な報酬を支払うことは、企業の持続的な成長に欠かせません。しかし、日本企業では依然として報酬に関する投資が限定的です。これは、リーダー側の機会損失にもつながる可能性があります。
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人材流出のリスク
適切な報酬が支払われないと、優秀な幹部は他社へと流出するリスクが高まります。優れた人材が流出することで、組織の安定性が損なわれ、長期的な成長に影響を与える可能性があるため、報酬投資は非常に重要です。 -
幹部育成への投資不足
報酬が適正でないと、幹部育成や研修に費やすリソースも不足しがちです。企業として幹部に十分な報酬を投資することが、企業全体の成長力を引き上げる要素であることを再認識すべきでしょう。
まとめ
企業にとって、ナンバーツーや幹部は不可欠な存在であり、彼らの尽力が企業の成功を支えています。リーダーの影で支援に徹する幹部の役割が適切に評価される仕組みを整えることが、企業の成長や安定した経営を実現するうえで重要です。日本企業が今後も競争力を維持するためには、支援気質を持つ幹部への評価と報酬の見直しが不可欠であり、将来的なCXO人材の育成にもつながるでしょう。
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