デザイン・施策
メディア、そしてインフルエンサーの変化。トレンドは今後生まれるのか
2019.03.21
昭和から平成へ。新しいトレンドが次々と生まれてきました。
インターネットが普及するにつれ、トレンドの生まれ方も変わってきました。
今後、どんなトレンドが生まれてくるのでしょうか。
<メディア、そしてインフルエンサーの変化。トレンドは今後生まれるのか>
■この10年でメディア、インフルエンサーはどう変わっていったか
私自身、紙媒体の制作に関わった経験から、この10年で流行の生まれ方が大きく変わったのを実感しています。インターネットの存在がメディアの流れを変えていきました。
かつては、情報が限られていた人しか取得できなかった事が多かったため、大きなトレンドが生まれました。この時代は、大衆に訴求していく、テレビや雑誌などのマスマーケティングが有効だったと思います。とくに、有名人が影響力を持っていたと言えるでしょう。憧れの対象が明らかに自分よりも上の人を対象にしていました。そのうち、自分の存在に近いといえる、読者モデルが人気になりました。
そして、ご存知の通り、SNSが普及すると、一般の人から発する情報が影響を持つようになり、
ブロガーやYouTuberなどが影響力を持つようになりました。細分化された興味、関心が広がり、トレンドを生み出しにくくなりました。
■繰り返すトレンドと予測し得るトレンド
今後はよりトレンドを生み出しにくくなる傾向は続くと予想しています。日本の人口がこのままの状態ですと、2025年には、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、超高齢化社会がやってくる事実は予測できます。人口減少、高齢化になることで、お金を使うマインドは縮小し、デフレが続くことで、なかなか大きなトレンドは生まれにくくなるでしょう。しかし、高齢者に向けたサービスや商品であれば、ヒットする可能性が高いでしょう。
また、私のメディアに関わってきた経験からですが、ある事象が2-3年続くと、1―2年がそれに反する事の移行期間、そして、事象に反する事が2-3年続くというサイクルがあるのではないかと思っています。洋服で細いものが流行るとその反動で太いものが流行るといったものです。
上記の2つを考えて予測していくと、トレンドの種はもうあるのかもしれません。
■シリコンバレーの「未来思考」は日本に定着するか
トレンドの種の見つけ方として、シリコンバレーでも採用されている「未来思考」で考えることが必要になってくると思います。今を改善して考える「デザイン思考」では業務改善だけになりがちです。しかし、未来のストーリーから、自分たちはどうありたいのかを考えて解決方法を考えていく「未来思考」が今後重要になってくるでしょう。未来のトレンドを予測し、事業を考えていくことで新しい発想のサービスを考えることができると思います。
未来について問う「スペキュラティブデザイン」も「未来思考」と言えます。
スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。—未来を思索するためにデザインができること
アンソニー・ダン、フィオーナ・レイビー (著)
◆著者プロフィール
山村哲司(やまむらてつじ)
株式会社外為印刷 新規事業準備室。大学卒業後、本の編集者の道へ。色々な出版社を渡り歩き、ファッション誌からビジネス書まで数多くの本を手がける。ヘア&ファッション誌『BiDaN』編集部在籍時、カリスマ美容師ブームが起きる。2013年 日之出出版『FINEBOYS』別冊編集部 編集長。2017年より鹿児島のリネンサプライの会社、南九イリョーで経営企画やマーケティングなどを行う部署で働く。2018年4月より外為印刷に入社し、新規事業を立ち上げるべく模索している。
日本経営士会 経営士