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ストーリーテリングを使ったマーケティング|手法から事例まで徹底解説
2021.04.02
ストーリーテリングを使ったマーケティング手法を知っていますか?
本記事では、ストーリーテリングの主なマーケティング手法を解説します。
ストーリーテリングをマーケティングに活用することで、今よりも成果をあげられるでしょう。
実際に、有名な商品やサービスは、ストーリーテリングを活用しています。
そこで、ストーリーテリングの事例や、コンテンツ別のやり方まで解説するので、参考にしてください。
ぜひ、ストーリーテリングを取り入れて、マーケティング効果をあげていきましょう。
ストーリーテリングとは?
ストーリーテリングとは、相手に対して「物語を語る」ことです。
図書館の「読み聞かせ」のようなイメージがわかりやすいでしょう。
物語をわかりやすく聞かせることで、印象的かつわかりやすく伝えられます。
元々読み聞かせとして使われてきたストーリーテリングですが、昨今ではマーケティング手法として取り入られるようになりました。
ストーリーテリングを活用することで、競合他社との差別化が図れます。
類似商品や競合が多いなか、選ばれる商品やサービスにするためには、ストーリーが重要なのです。
ストーリーテリングがマーケティングに使われる理由
ストーリーテリングは、マーケティング手法として注目されています。
主な理由として、価格競争に巻き込まれないためです。
今の時代、同じような商品はいくつもあります。
選ばれる商品になるためには、「価格を下げる」「サービス・商品の満足度をあげる」が主な方法でしょう。
しかしそれでは、いつまでたってもそのループから抜け出せません。
そこで、使われるのがストーリーテリングです。
ストーリーテリングを使うことで、強い印象を与え、選ばれる商品になります。
その他にも、ストーリーテリングがマーケティングに有効な理由は3つ。
- 商品やサービスを深く伝えられる
- 共感を得やすくなる
- 印象的に伝えられる
それぞれを以下で具体的に解説します。
商品やサービスを深く伝えられる
ストーリーテリングを活用することで、商品の価値を自分事として伝えられます。
ストーリーテリングは、ストーリーを通して、実際に商品を持ったときのイメージを想像させやすい手法です。
たとえば、スーパーで売られている野菜で考えてみましょう。
「〇〇産」「無農薬」とだけ記載されていても、そこまで深い印象にはなりません。
しかし、どのように育てられ、どんな人が育てたかを記載することで、商品の価値をしっかり感じさせることができます。
ストーリーテリングを活用すれば、”商品が持つ本当の価値”をしっかり伝えられるのです。
共感を得やすくなる
ストーリーテリングは、商品や企業のファンをつけるために有効的な方法です。
ストーリーに多くの人が共感すれば、深いファンになってくれるでしょう。
わかりやすい例をあげるなら、クラウドファンディングです。
クラウドファンディングでは、以下の部分に注目されます。
- 「なぜこれをやってるいるのか?」(想い)
- 「将来的にどうしたいのか?」(未来)
このストーリーに共感した人が、クラウドファンディングで支援してくれるのです。
ストーリーテリングを利用することで、単に「販売者→消費者」の関係ではなく、応援し続けてくれるファンを作ることができます。
印象的に伝えられる
ストーリーテリングは、商品やサービスを印象的に伝えられる方法です。
どれだけ良い商品やサービスを作っても、印象的にアピールできなければ忘れられてしまいます。
今の世の中には、それだけ「良い商品」は溢れているからです。
ユーザーに選ばれるためには、良い商品かつ印象的にならなければいけません。
そこで、ストーリーテリングを活用すれば、商品やサービスが頭に残りやすくなります。
ユーザーにとって「頭に浮かびやすい商品」というのは、企業にとって大きな強みになるでしょう。
ストーリーテリングマーケティングの事例
実際にストーリーテリングがどんなものなのか、わかりやすい事例を紹介します。
ストーリーテリングという言葉を知らない方でも、事例を見れば理解を深められるでしょう。
今回紹介するのは、主に2つの事例です。
- スティーブ・ジョブスの例
- 進研ゼミの例
「ストーリーテリング」という言葉が広まる前ですが、実際にストーリーテリングが使われています。
事例を参考に、自社の商品やサービスのストーリーテリングを考えてみてください。
スティーブ・ジョブスの例
スティーブ・ジョブスのスピーチのなかには、誰もがわかりやすいストーリーテリングが活用されていました。
2005年、アメリカのスタンフォード大学の卒業式で行われたスピーチです。
- 幼い頃に養子に出された私がいました
- 大学まで行ったものの、毎日何をしたいのか分からず、大学に通う意味を見出だせずにいた
- ある日、大学を中退し、家のガレージでアップルを創業。自分が好きだと思える打ち込めることに出会えた
- その経験があったからこそ、30歳の時に経営方針の違いでアップルから追放された後も、NeXTという会社やアニメーション映画会社・ピクサーを立ち上げられた
- 経験や挫折を通して、自分の仕事が素晴らしい仕事だと思えたからこそ、アップルに戻った後も創造的な仕事ができた
- そして、ついにアップルは時価総額が1兆ドル以上の世界的有名企業となったのです
ストーリーがあるからこそ、わかりやすく印象的になるスピーチではないでしょうか。
進研ゼミの例
進研ゼミは、昔からストーリーテリングを活用しています。
進研ゼミから送られてくる漫画を、一度は読んだことがあるでしょう。
主なストーリーは、以下のようになっています。
- 勉強も部活も恋愛も上手くいかない
- 悩んでいたところに進研ゼミを始めた友達が登場
- 進研ゼミのメリットを知る
- 進研ゼミを始めたところ、勉強がスムーズ
- 勉強が上手くいったおかげで、部活も恋愛も上手くいくようになった
「勉強も部活も恋愛も上手くいかない」という主人公に、自分を重ねた人も多いでしょう。
そこからのサクセスストーリーで、「自分も同じようになれるかも」と共感しやすいストーリーになっています。
ストーリーテリング3つの手法
ストーリーテリングは、ただストーリーを書けば良いわけではありません。
印象的かつわかりやすいストーリーにならなければ、アピールにはつながらないでしょう。
ただダラダラ時系列を話すだけでは、人は飽きてしまうためです。
そこで、ストーリーテリングを行うための、3つの手法を解説します。
- フライタークのピラミッド
- ストーリーフォーミュラ
- 神話の法則
それぞれに当てはめてストーリーを構成することで、印象強く、惹きつけるストーリーが作れるでしょう。
フライタークのピラミッド
ストーリーテリングでよく使われる手法が、「フライタークのピラミッド」です。
ドイツの作家『フライターク』が提唱したフレームワークで、「ドラマは5分割でき、それぞれに機能がある」という考え方。
「フライタークのピラミッド」は、物語を書くときに古くから使われている手法ですが、現在においても多く使われています。
基本的に、ストーリーは以下の5つに分解できます。
- 序幕・提示
- 上昇
- クライマックス・転換
- 下降
- 破局・結末
この5つに考えをあてはめていけば、物語として上手くいくのです。
ストーリーフォーミュラ
ストーリーフォーミュラは、コピーライティングで主に使われる手法です。
共感に重きを置き、そこから成功に繋げるヴィジョンを見せます。
主な流れは、以下の通りです。
- 読み手と同じ位置からスタート……「こんな経験がありました」
- 失敗や挫折の経験……「何をやっても上手くいきませんでした」
- 現状打破のひとつのきっかけ……「しかし、こんなことが起こりました」
- 成功体験……「その結果、人生が好転」
- 成功に対しての分析……「なぜこうなったのか」
- 他人の成功体験……「人に教えたところ、友人も成功」
- 後押し……「次はあなたの番です」
進研ゼミの例が、ストーリーフォーミュラに近いでしょう。
共感を得やすいため、ユーザーが自分事と捉えてくれる手法です。
神話の法則
「神話の法則」は、「神話はなぜ人の心を惹きつけるのか?」という考えを基に分析された方法です。
多くの共感を得られる方法として、映画でも使われています。
主な構成は以下の通りです。
- 日常
- 冒険への誘い
- 冒険への拒絶
- 賢者との出会い
- 第一関門突破
- 試練・仲間・敵
- 危険な場所への接近
- 最大の試練
- 報酬
- 帰路
- 復活
- 宝を持って帰還
有名な映画に当てはめていくと、多くの映画が「神話の法則」で作られているのが気がつくでしょう。
ビジネスも、「神話の法則」に当てはめて考えていくことで、印象的に作ることができます。
種類別ストーリーテリングのやり方
ストーリーテリングは、デジタルマーケティングでも幅広く活用できます。
主にLP(ランディングページ)で使用されている例が多いです。
他にも、以下でストーリーテリングは役立ちます。
- LP(ランディングページ)
- オウンドメディア
- コンテンツマーケティング
- UX
各ページを構成する際に、ストーリーテリングを活用してみましょう。
既存のコンテンツを、改めて見直してみるのも良いかもしれません。
以下で、ストーリーテリングの効果や方法を解説します。
LP(ランディングページ)
LP(ランディングページ)でよく使われる手法は、PASONAの法則です。
PASONAの法則も、ストーリーテリングを使っています。
PASONAの法則は、5つの構成です。
- P……Problem(問題を提示)
- A……Agitation(煽り・共感)
- SO……SOlution(解決策)
- N……Narrow Down(絞り込み)
- A……Action(行動)
これらに当てはめて商品やサービスを紹介していくことで、ストーリーが成り立ちます。
LPで一般的に使われる構成なので、コピーライティングの際にも役に立つでしょう。
オウンドメディア
オウンドメディアでは、ファン作りのひとつとしてストーリーテリングが使えます。
オウンドメディアでは、多くの人の共感が得やすいです。
ストーリーテリングコンテンツを作ることにより、メディアのファンができ、企業のファンへと成長していきます。
これは、単純にメディアのファンを得るだけではなく、採用にも繋がる施策です。
企業のストーリーを打ち出し、共感を得ることで「この企業に入りたい」という求職者が集めやすくなるでしょう。
このように、オウンドメディアでもストーリーテリングは活用できます。
コンテンツマーケティング
コンテンツを制作するときにも、ストーリーテリングは有効的です。
コンテンツに体験談を付け加えることで、より興味を惹ける内容になります。
商品紹介だけでは、多くの人は飽きてしまい読みません。
そこに+αの体験談、つまり、一次情報を付け加えるだけで、コンテンツの魅力を引き出せます。
その際、ペルソナ設定を考えてストーリーを加えると有効的です。
コンテンツを制作する際は、ありきたりな「商品説明」にならないように注意して、ストーリーを組み込んでみましょう。
UX
UX(ユーザーエクスペリエンス)の部分でも、ストーリーテリングが有効です。
たとえば、 ポップ・アップは、物語を通してユーザの行動に影響を与える手段のひとつ。
その他にも、以下が例としてあげられます。
- ペルソナ
- ユーザーシナリオ
- ユーザーリサーチ
- ストーリーボード
- カスタマージャーニー
- ストーリーマップ
これらのターゲットとするユーザーを表示させることで、適切な物語を作れます。
ストーリーテリングを活用し、誰に向けてデザインするのかを考えていくことで、効果的なUXを作れるでしょう。
補足:UIとUX
UI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)は、意味が混同しがちです。
似て非なるものなので、それぞれを理解しておきましょう。
UI(ユーザーインターフェース)は、「接点・接触」という意味になります。
webの場合、「デザイン」や「フォント」など、視覚に触れる部分、外観です。
UX(ユーザーエクスペリエンス)は、「体験・経験」を意味します。
webの場合、「デザインが綺麗」「使いやすい」などの部分、体験です。
UIとUXは、デジタルマーケティングにおいて重要な部分なので、理解しておきましょう。
ストーリーテリングを取り入れた施策を
ストーリーテリングは、あらゆるマーケティングに活用できる方法です。
どんなマーケティング施策でも、「ストーリー」を取り入れるだけで、ユーザーの印象が変わります。
商品やサービスが溢れている今の時代、ストーリーがあるかないかは、ユーザーにとって大きな決め手となるでしょう。
ストーリーテリングを活用して、”選ばれる”商品・サービスを目指しましょう。
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◆代表プロフィール
株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温
マーケティングリサーチのプラットフォームの企業で、 最年少で事業部を立ち上げ、広告予算ほぼゼロで、国内トップの実績を達成。
中小・スタートアップ企業のマーケティングに関する構造的課題を痛感し、それを解決するため、株式会社まーけっちを創業。大手企業・国家機関・スタートアップなど100社以上の戦略支援を行い、コミットと売り上げ貢献成果に定評がある。上智大学外国語学部卒。
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