【市場調査】5つのフレームワーク有効な使い方で業績アップ

マーケティングにおいて重要な活動の一つに市場調査があります。

市場調査はアンケートを実施したり、それを分析してレポートにまとめたりと今後の企業活動の根拠となりますが、「どうやって分析すればいいの?」とお悩みではありませんか?

解決策としては、5つのフレームワークを利用すれば市場調査の分析が可能です。
5つのフレームワークを使い分けることで分析したいケースごとに結果を得ることができます。

この記事では市場調査の5つのフレームワーク、PEST分析・3C分析・SWOT分析・5F(ファイブフォース)分析・4P分析について紹介いたします。

市場調査に欠かせない5つのフレームワーク

分析するケース

フレームワーク名

4つの視点からマクロ(巨大視点)環境を分析 PEST分析
3つの視点から成功要因を分析 3C分析
自社の内部環境と外部環境をプラス要素とマイナス要素から分析 SWOT分析
5つの競争要因から業界内の構造を分析 5F(ファイブフォース)分析
マーケティング戦略の企画及び立案を4つの観点から分析 4P分析

 

市場分析において重要なのは、何を分析するかによって利用するフレームワークが異なることです。

分析する内容を決定しなければ、適切なフレームワークは選択できません。

ここでは、市場分析に役立つ5つのフレームワークを分析するケース別に解説します。

まずは、4つの視点からマクロ(巨大視点)環境を分析するPEST分析を見ていきましょう。

PEST分析|4つの視点からマクロ環境を分析

 

PEST分析はマクロ環境を4つの要因から分析するマーケティングのフレームワークです。

マクロ環境にあり自社ではコントロールできない外部的な4つの要因を分析するのがPEST分析の目的といえます。

<4つの要因>

  • Politics:政治的要因
  • Economy:経済的要因
  • Society:社会的要因
  • Technology;技術的要因

 

PESTを分析することにより、世間のトレンドや動向に合わせた事業展開を図ることが可能となります。

例えば、昨今のコロナ禍では多種多様なオンラインツールをはじめとするWEBサービスが急進したことなどがPEST分析により分析されます。

上記例からもわかるように、マーケティングは外部の環境変化から影響を受けやすいため日頃からPEST分析によりマクロ環境を調査・分析することで自社の戦略を必要に応じて見直していかなければなりません。

Politics:政治的要因

<Politics(政治的要因)の例>

  • 政権交代
  • 政策の変化
  • 補助金の交付
  • 税制の変化
  • 法改正
  • 規制緩和
  • 条例の改正

Politics(政治的要因)とは、自社に影響を与える政治や、法律・行政などの動向を指します。

法改正や規制緩和などはビジネス上は脅威として捉えられるほど市場に与える影響は大きいですが、反対にに新たなビジネスチャンスが見つかる可能性もあります。

例えば、政治的要因を見極めて、電子帳簿保存法の緩和や政府推進のDX化を機に新規市場への参入を図ったクラウド型会計ソフト提供企業のA社は大きな業績を残しました。

Economy:経済的要因

<Economy(経済的要因)の例>

  • 景気
  • 賃金動向
  • 個人の消費
  • 株価
  • 金利
  • 為替動向
  • 原油価格

Economy(経済的要因)は、景気や個人消費などの経済成長率や為替相場や原油価格などの経済動向を指します。

景気や株価など経済成長率や経済動向は企業の売上に大きな変化や影響を与えます。

例えば、近年続いている円安は、海外から原料などを仕入れて商品を生産している企業にとっては大きなマイナス要因となります。
仕入れコストが上昇し、商品の値上げを断行しなければならない状態を引き起こしています。

長期的な経済動向を予測して、最小限のリスクで抑えられるように対策を検討しましょう。

Society:社会的要因

<Society(社会的要因)の例>

  • 生活習慣(ライフスタイル)
  • 流行
  • 文化
  • 宗教
  • 少子高齢化
  • 人口動態

Society(社会的要因)は、価値観や人口動向の変化といった生活に影響を与える社会環境を取り巻く項目を指します。

価値観の多様化や核家族化など、社会的要因を分析することで消費者の生活習慣の変化やトレンドを予測し、マーケティング施策立案していきます。

例えば、ファッションやアパレルなどの服飾業界であれば、シーズン毎にトレンドを先読みして新商品を企画・開発する必要があります。

社会的要因を分析して、消費者のニーズに合わせた商品開発をする必要があるといえるでしょう。

Technology:技術的要因

<Technology(技術的要因)の例>

  • AI
  • ビッグデータ
  • ブロックチェーン
  • メタバース・AR
  • 自動運転システム
  • IoT
  • 機械学習
  • 設計技術
  • 特許

Technology(技術的要因)は、コンピューターテクノロジーの飛躍的進歩などシステムや技術の動向を指します。

イノベーション(技術革新)は、広告手法や工場の生産工程、特許などさまざまな分野に影響を与え、自社の事業の成長要因やマイナス要因を大きく左右します。

例えば、インターネットでの動画配信は映像技術の発展やインターネット環境の進化によってサービスの質も向上してきました。

技術的要因は消費者が利用するサービスへの影響が大きいといえます。

3C分析|3つの視点から成功要因を分析

3C分析とは「Company(自社)」・「Customer(顧客・市場)」・「Competitor(競合)」の頭文字を取ったもので、成功要因を客観的に分析するためのフレームワークです。

<3C要因>

  1. 「Company(自社)」:自社の強みを分析
  2. 「Customer(市場・顧客)」:市場規模や成長率、顧客ニーズを分析
  3. 「Competitor(競合)」:競合他社の強みを分析

上記の3つのCを分析する目的は、成功要因につながる発見を得ることです。

3C分析は、企業のマーケティングなどにおいて市場環境を分析する方法の1つで、顧客→競合→自社のそれぞれの観点と流れから経営戦略上の課題を導きます。

元マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長でビジネス・ブレークスルー大学学長の大前研一が考案した分析方法です。

「Customer(市場・顧客)」:市場規模や成長率、顧客ニーズを分析

昨今のマーケティングではカスタマーファースト(顧客第一主義)で進める必要があるため、最初に分析すべき対象は顧客=市場です。

顧客や市場を知らなくては自社の評価も難しいため、まずは市場規模や成長性、顧客ニーズなどの顧客の購買意欲や能力を分析します。

実際の分析では、マクロ分析・ミクロ分析の2つの分析を行います。

マクロ分析|PEST分析

マクロ分析では前述したPEST分析が主に用いられます。

Politics(政治的要因)

  • 政権交代
  • 政策の変化
  • 補助金の交付
  • 税制の変化
  • 法改正
  • 規制緩和
  • 条例の改正

Economy(経済的要因)

  • 景気
  • 賃金動向
  • 個人の消費
  • 株価
  • 金利
  • 為替動向
  • 原油価格

Society(社会的要因)

  • 生活習慣(ライフスタイル)
  • 流行
  • 文化
  • 宗教
  • 少子高齢化
  • 人口動態

Technology(技術的要因)

  • AI
  • ビッグデータ
  • ブロックチェーン
  • メタバース・AR
  • 自動運転システム
  • IoT
  • 機械学習
  • 設計技術
  • 特許

これらの外部要因は、企業にとっては機会となり、また脅威ともなります。
しかし社会的な要素のため自社の意向で対策できるものではありません。

マクロ的な要因の分析が、自社にどのような影響を与えるのかを理解し、予測される今後の動向や時代のニーズに、自社の戦略を合わせることが重要です。

ミクロ分析|5F分析(ファイブフォース分析)

ミクロ分析では「5F分析(ファイブフォース分析)」により、特定の業界が自社の事業に与える影響を分析します。

5F分析(ファイブフォース分析)は5つの脅威となる要因を分析する手法で、競合間の力のバランスや関係性を分析することで、自社を取り巻く脅威を明らかにして、収益性を高めるための戦略を構築するのに有効です。

<5つの脅威>

  • 新規参入の脅威
  • 業界内の敵対関係の強さ
  • 代替品の脅威
  • 買い手の交渉力
  • 売り手の交渉力

「Competitor(競合)」:競合他社の強みを分析

競合の分析では、競合の売り上げや社員数、市場シェアをはじめとする状況や、競合の製品・サービスの強み・弱みを分析します。

競合他社の事業について「結果」と「要因」の2軸で分析を行います。

「結果」

「結果」は、競合他社の市場でのシェア、顧客数、売上や利益率、など数値化できるビジネス上での明らかな成果が挙げられます。

併せて、社員1人あたりの売上や、顧客単価などにも着目できればベストです。

「要因」

「要因」は「結果」が現れた背景や効率について分析したものです。

<要因の例>

  • 販売ルート
  • 営業体制
  • 製造工程
  • 新製品の開発
  • 顧客サポート
    など

様々な側面から、競合他社のスキームを解き明かし、競合他社が高い売上を上げているポイントを探り出します

ベンチマーキング|競合他社の成功から学ぶ

競合他社が成功している場合、「結果」・「要因」の分析から明らかになった成果物を元に、売上を高める施策や自社にない優れた部分を継続的に学び取り入れて、自社のマーケティングに活用していくことが大切です。

「Company(自社)」:自社の強みを分析

Customer(市場・顧客)・Competitor(競合)の分析をもとに、自社の経営戦略を立てていきます。

市場・顧客の変化と、競合他社がその変化に対していかに対応しているかを、自社と比較しながら、自社について把握します。

<比較するポイント>

  • 経営資源
  • 売上高
  • 市場シェア
  • 収益性
  • 販路
  • 技術力
  • 組織力

様々なポイントに着目し、自社の成功要因を導き出します。

分析に用いられる手法は、SWOT分析が一般的です。

SWOT分析

SWOT分析とは、企業内外の環境をStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの視点から割り出す手法です。

さらに、成功要因を割り出していくためにはSWOT分析の結果を下図のSWOTクロス分析を用いて分析します。

このSWOTクロス分析では「強み・弱み」と「機会・脅威」をクロスさせて分析します。

  • 強み×機会:強みを生かして機会を最大化する方法
  • 強み×脅威:強みを生かして外部の脅威に対処する方法
  • 弱み×機会:弱点を克服して機会を活用する方法
  • 弱み×脅威:弱点を克服して外部の脅威に対処する方法

SWOT分析もクロスSWOT分析も、書き出す項目に重複や漏れがないことを確認することが大切です。

4P分析|マーケティング戦略の企画及び立案を4つの観点から分析

「4P分析」とは、自社の製品・サービスに関わる「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販売促進)」の4つの戦略領域の頭文字をとった手法で、この4つを分析することで、マーケティングの具体的な戦略を立案できます。

Product(商品)

Product(商品)は、企業の利益の根源となるものです。

一般的に商品とは、パッケージや品質、ブランド名などを総括して考えられています。

それに加えて重要なのは「価値を含んだ商品」という考え方です。

  • どんな商品が顧客ニーズを満たすか
  • メリットを提供できる商品とは

という価値観を含んだ根本的な観点が重要といえます。

Price(価格)

「自社の商品やサービスをいくらで提供するのか?」マーケティングにおいて価格設定は最重要な戦略といえます。

競合他社が商品を提供している価格や市場の標準価格を考慮しながら、自社商品の適正価格を立案することが重要です。

Place(流通)

Place(流通)分析では消費者が商品の購入可能な場所を考慮して設定しなければなりません。

消費者に需要のある優れた商品でも、購入できる場所が不明瞭では、販売の機会を失いかねません。

商品の性質やターゲット層を考慮し、流通を分析しましょう。

Promotion(販売促進)

Promotion(販売促進)分析では、自社商品に対する消費者の認知度を高め、販売促進の戦略を設定していきます。

ターゲット層に確実に情報が届くように市場に伝達する情報内容を明確にし、そして発信するメディアやプロモーション方法を検討する必要があります。

まとめ

企業にとっては、既存のプロダクトの売上の向上や新規事業を進めるときに、市場調査は必ず必要なプロセスです。

市場調査では、5つのフレームワークを適材適所で利用することが重要といえます。

5つのフレームワークを活用し市場を詳しく分析することで、市場の隙間や自社に最適なポジションが見つかったり、新たな顧客の課題が見つかったりする可能性があります。

まずは自社の目的を明確にして市場調査を行い、適切なフレームワークを活用して市場分析を実施してみてください。

 

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