リサーチ
市場調査やマーケティングは自分でできる?違い・やり方を解説
2023.05.06
市場調査やマーケティングリサーチは、経営戦略を立てる上で大切な役割を持っています。
それぞれ異なる意味合いを持っていますが、市場調査(マーケットリサーチ)とマーケティングリサーチの意味を間違って覚えていたり、同じものだと思っていたりする人も多いです。
この記事では市場調査とマーケティングの意味や、実施する際のポイントを解説していくので、今後リサーチを行おうと思っている人は参考にしてください。
この記事を読むとわかること |
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市場調査やマーケティングは自分でも実施可能!
市場調査やマーケティングの実施を検討している人の中には、「必ずマーケティング会社に頼まなくてはいけないんだろうか」と疑問に思っている人もいるでしょう。
市場調査やマーケティングは自分でも実施可能ですが、目的にあったリサーチ方法を選ばなくてはいけません。
市場調査とマーケティングの特徴や違いを紹介するので、どちらを実施するべきか考えてみましょう。
市場調査(マーケットリサーチ)とは
市場調査は市場の動向を調べ、商品をヒットさせるためにはどのような製品を開発したらいいか戦略を立てることを意味します。
たとえば、今後開発を予定している製品の需要や、競合製品を使用した人の意見を事前に調べておくと、開発段階でこれらの情報を考慮した製品作りが可能です。
その結果、先発製品のメリットを取り入れ、デメリットを改善した製品が作れます。
市場調査でわかること
市場調査を行うと市場の動向や競合について調査できるので、どのような製品が売れるのかわかるでしょう。
市場調査でわかることは、以下7つです。
- シェア率
- 認知率
- 満足度
- 価格
- 競合数
- 利用率
- 消費行動の変化
市場調査の方法
市場調査には7つの調査方法があり、どのような情報を知りたいのかによって向いている調査方法は異なります。
そのため、市場調査を行う際は何を目的に調査するのか決めてから行いましょう。
市場調査の調査方法は、以下7つです。
- アンケート調査
- 対面調査
- 電話調査
- 街頭調査
- 覆面調査
- ホームユーステスト
アンケート調査
アンケート調査は、郵送やファックス、インターネットを介して質問に回答してもらう方法です。
低予算で多くの回答を得られることから、大規模な市場調査に向いています。
アンケート調査では、設定価格やイメージ、顧客満足度の調査に用いられることが多いです。
対面調査
対面調査は、1対1やグループで対面インタビューをすることをさします。
回答者の返答によって質問を変更できるため、有力な情報を集められるでしょう。
そのため、商品開発のための市場調査に最適です。
電話調査
電話調査は、電話で回答者にアンケートを行う方法です。
近年固定電話の保有率が下がっているため、電話調査だけでは回答に偏りが出るかもしれません。
電話調査は郵送アンケートが面倒という人も回答してくれるため、顧客満足度の調査に向いています。
街頭調査
街頭調査は、街中や店頭、展示会などで直接アンケートをお願いする方法です。
必ず回答してもらえるわけではないため、場所や時間によっては得られる回答数が少なくなる可能性があります。
しかし、無作為に声をかけるため生の声が聞けるというメリットがあり、満足度や地域別調査をしたいときに役立ちます。
覆面調査
覆面調査は、実際にお店でサービスを体験して、施設やサービス、商品の調査を行う方法です。
ミステリーショッパーとも呼ばれ、一般の顧客に扮して調査するため、リアルな店舗状況がわかります。
調査結果は調査員の感覚に依存するため、調査数が少ないと正確な判断が難しい場合があります。
ホームユーステスト
ホームユーステストは、一定期間製品を使用してもらい、使用感のアンケートに回答してもらう方法です。
アンケートではなく対面調査を行うこともあります。
使用者の生の声が聞けるので、製品満足度や改善点を洗い出しするのに最適です。
市場調査のメリット・デメリット
市場調査は消費者のニーズや流行が調査できるので、自社の製品やサービスをさらにブラッシュアップできます。
また、忖度ない意見を集められるので、開発案や改善案を挙げる際に役立つでしょう。
ただし、調査方法によっては対象者のリストアップが必要だったり、調査時間がかかったりすることもあるので、時間に余裕を持って調査する必要があります。
メリット | デメリット |
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マーケティングリサーチとは
マーケティングリサーチとは、過去のデータから顧客のニーズを洗い出すことです。
顧客ニーズがわかると売れる製品の開発はもちろん、最適なプロモーション戦略を立てられるでしょう。
なお、マーケティングリサーチとマーケティングは異なり、マーケティングリサーチで調査した内容を活用して戦略を立てることをマーケティングといいます。
マーケティングリサーチでわかること
マーケティングリサーチは製品やサービスの内容だけではなく、販路やPRについての調査も行います。
製品開発や販売前後のプロモーションなど、マーケティング活動中に発生する、企業側からは見えていなかった課題の把握も可能です。
- 購入・利用経験
- 好感度
- 満足度
- 顧客ニーズ
- 販売実績
- 購入者層
- 消費行動の変化
マーケティングリサーチの方法
マーケティングリサーチは製品だけでなく、販路やPR戦略など、マーケティング活動に関する幅広いデータを調査できます。
そのため、マーケティングリサーチを行う際は、目的に合った調査方法を選ばなくてはいけません。
マーケティングリサーチで実施される調査方法は、以下6つです。
- 製品テスト
- 商品名テスト
- パッケージテスト
- 事前事後調査
- ホームユーステスト
- テストマーケティング
製品テスト
製品テストとは、ユーザーに製品を使用してもらい、使用感を調査する方法です。
先発商品や競合商品との比較や改善点がわかるため、新製品の開発や既存商品のリニューアルに役立ちます。
新商品や改良品の製品テストを行うと、その結果を基に製品を発売するかどうかの参考にもなるでしょう。
商品名テスト
商品名テストとは、製品イメージから最も似合う商品名を導き出すための調査です。
商品名や商品名の候補に対する、ユーザーの意見がわかります。
商品名にユーザーの意見を取り入れることで、購買意欲が上昇するでしょう。
パッケージテスト
パッケージテストでは、「商品パッケージの色・形・素材などがイメージに合っているか」、「使いやすさはどうか」という点を調査します。
パッケージデザインは最初に購入するきっかけにもなるため、ユーザーの意見が非常に大切です。
ユーザーの意見を取り入れると、店頭に並んだとき手に取りやすいパッケージを作れます。
事前事後調査
事前事後調査は、イベントやキャンペーン実施前後の宣伝効果を測定する調査方法です。
マーケティングの成果は期待通り発揮できているかがわかります。
また、商品使用前後で購買意欲は変化するか知りたいときも、事前事後調査が行われます。
ホームユーステスト
ユーザーに製品を配布して、自宅で使用してもらう調査方法です。
実際の使用環境下で継続して使用してもらうため、商品購入後に近いデータが取れます。
ホームユーステストは、実際の使用者の声としてホームページなどで掲載することも可能です。
テストマーケティング
テストマーケティングは、製品販売後の動向を調査することです。
まずは特定地域でテスト販売を行い、その結果をもとに全国販売に伴う戦略を立てます。
最初から全国展開するよりもリスクが低く、もしも改善しなくてはいけない点がでても、大きな損失を抑えられるというメリットがあります。
マーケティングリサーチのメリット・デメリット
マーケティングリサーチのメリットは、顧客がどのように考え、何を必要としているのかがわかる点です。
ユーザーファーストが実現することで、消費者側・企業側ともに満足いく結果が得られます。
しかし、調査時間や費用を削減してしまうと利用できる調査結果が得られない可能性があるため、目的にあった調査方法や規模を選ぶことが大切です。
メリット | デメリット |
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市場調査・マーケティングリサーチを実施する流れ
市場調査を行う際は、まず調査目的を明確にして、目的に合った調査方法の選択や調査の準備が必要です。
質問内容や回答者のリストアップが終わったら、実際に市場調査を行っていきます。
調査結果が出たら、結果をもとに分析・検証を行い、製品の開発や改善などのアクションへつなげましょう。
- 調査目的を明確にする
- どのような調査を行うか検討する
- 市場調査を行う
- 調査結果の分析・検証を行う
- 調査結果をもとに次のアクションへつなげる
市場調査とマーケティングリサーチの違い
市場調査とマーケティングリサーチは混同されやすいですが、市場調査は過去から現在の市場を調べるのに対して、マーケティングリサーチは将来の市場を予想することを目的に行われます。
マーケティングリサーチとは、過去の市場データや顧客の消費行動・考え・需要を元に製品やサービスのニーズを調査することです。
市場調査はマーケティングリサーチの一種で、過去から現在の市場動向や製品・サービスについての調査を行います。
市場調査とマーケティングリサーチどちらを実施するか選ぶポイント
市場調査とマーケティングリサーチどちらを実施するか悩んだら、まずは調査目的を明確にしましょう。
調査目的が製品開発や満足度が知りたい場合は、市場調査を行うのがおすすめです。
プロモーションを行うための戦略を立てたいというときは、マーケティングリサーチを行うと効果的な販促戦略が立てられるでしょう。
市場調査やマーケティングリサーチを実施する際のポイント
市場調査やマーケティングリサーチを実施する際は、外部のマーケティング会社に委託する方法と、自分で行う方法があります。
市場調査やマーケティングリサーチを実施する予定の人は、ここで紹介するポイントを把握しておくと、スムーズに調査を実施・活用できるでしょう。
マーケティング会社に依頼する際のポイント
マーケティング会社に市場調査やマーケティングリサーチを依頼しようと思っている人は、委託先の企業がどこまで作業をしてくれるのか確認しておく必要があります。
市場調査やマーケティングリサーチの内容提案から、データの分析まで引き受けてくれる企業に依頼すると、データを受け取った際にスムーズに内容を活用可能です。
また、事前にリサーチにかかる費用や期間を把握しておかないと、後々トラブルに発展する可能性があるので気を付けましょう。
- 作業範囲を確認しておく
- リサーチにかかる費用を確認する
- リサーチにかかる期間を確認しておく
自分で実施する際のポイント
自分で市場調査やマーケティングリサーチを行う際は、目的を明確にして調査をはじめなくてはいけません。
調査目的が曖昧だったり、勘違いしていたりすると、調査結果が意味のないものになってしまいます。
その後、必要な予算や期間、リサーチ方法を選定してからリサーチを行い、結果はリポートにまとめましょう。
- リサーチ目的を明確にする
- 市場調査を設計する
- 集計データをレポートにまとめる
市場調査やマーケティングリサーチは実施前に目的を明確にしておくことが大切
市場調査とマーケティングリサーチは混同されやすいですが、リサーチをする目的が明確に異なります。
市場調査は過去から現在の市場を調査するのに対して、マーケティングリサーチは現在の市場を調査して将来のニーズを生み出すことが目的です。
そのため、マーケティングの一環で市場調査やマーケティングリサーチを行う際は、リサーチ目的を明確にして、適切な調査方法を選びましょう。