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マーケティングリサーチの重要性とは?目的やメリットを理解した市場調査をしよう【成功事例】
2023.06.08
マーケティングリサーチは市場のニーズを調査し、自社ブランドを有効活用するために重要な施策です。
この記事ではマーケティングリサーチの重要性について、マーケティングリサーチの実施方法とともに解説します。
マーケティングリサーチでは自社のマーケティング戦略と顧客ニーズのズレを修正することにも役立つものです。
顧客ニーズを調査するためのマーケティング手法についても紹介するので、マーケティング分析に役立ててください。
マーケティングリサーチで市場分析をして顧客のニーズを把握しましょう!
<この記事で分かること>
・マーケティングリサーチの目的や重要性とは?
・マーケティングリサーチを活用して自社の強みを分析する方法を知りたい
・マーケティングリサーチの成功事例を知りたい
マーケティングリサーチの重要性と目的
マーケティングリサーチは市場調査とも呼ばれるものであり、自社商品と顧客ニーズの接点を知るためのマーケティング調査です。
市場の声に耳を傾けることで自社のマーケティング活動に役立てられます。
マーケティングリサーチを行う目的として、以下3点が挙げられます。
- ブランドの認知度をチェックする
- 最新の顧客ニーズを調査する
- ビジネスリスクの低減
目的①ブランドの認知度をチェックする
マーケティングリサーチをすることでブランドの認知度をチェックできます。
ブランドは市場において、自社あるいは自社サービスがどれほど消費者に認知されているかを示すものです。
自社が思ってたよりブランドが認知されていた、あるいはブランドが認知されていないことを把握することで市場との認識齟齬を減らせます。
マーケティングリサーチで市場の声をヒアリングすることで事前にブランドの認知度をチェックできるでしょう。
目的②最新の顧客ニーズを把握する
マーケティングリサーチをすることによって顧客ニーズを把握できるようになります。
企業活動においては、常に最新で鮮度の高い情報を収集することが重要です。
企業は消費者の嗜好や行動を予測して商品開発などの企業戦略を作成します。
マーケティングリサーチによって顧客ニーズを常に最新のものへアップデートすることで企業戦略に役立てられるのです。
目的③ビジネスリスクの低減
マーケティングリサーチをすることでビジネスリスクを低減できます。
企業サイドから見えない問題点を顧客視点からあぶりだすことで売れ行きの悪い商品を判別し、不要な生産や在庫を減らせるのです。
マーケティングリサーチの活用方法
マーケティングリサーチの活用方法として以下が挙げられます。
- 他社との差別化を図る
- PRイベントの効果を測定する
- 価格決定に役立てる
他社との差別化を図る
マーケティングリサーチの調査結果によって他社との差別化を図れます。
顧客にとって自社の強みがどこにあるのかを知ることで、より自社の強みを強化できるのです。
顧客が他社商品ではなく自社製品を選んでくれた理由を知ることで、販売戦略を向上できます。
PRイベントの効果を測定する
商品やサービスを周知するためにはPRイベントを開催して消費者にアピールする方策が有効です。
PRイベントを行うことでメディアへの露出を通じて消費者への訴求ができるほか、参加者に商品やサービスの体験をしてもらえます。
PRイベントを実施した場合、イベント参加者にアンケートをとることでPRイベントの効果を測定できます。
価格決定に役立てる
マーケティングリサーチをすることで価格決定に役立てます。
商品やサービスについて顧客がどれだけの価格を受け入れられるのかを調査することで価格戦略の判断材料になります。
顧客が「高い」と感じた場合は品質を落として価格を下げるのか、顧客が「高くしても良い」とした場合は品質を改善して価格向上といった戦略が可能です。
マーケティングリサーチの種類
マーケティングリサーチには「定量調査」と「定性調査」の2種類に大きく分けられます。
定量調査は収集した結果を数値化して分析するための調査、定性調査は利用者の率直な感想など数値化できない情報を集めるための調査です。
それぞれのマーケティングリサーチで得られる特徴について確認していきましょう。
定量調査
定量調査ではアンケート調査やWEB調査など、大量に情報を収集できることを前提とする調査です。
例えば、商品ごとの顧客満足度を数値化する場合に定量調査を行います。
アンケート調査やWEB調査などの定量調査では、ある程度回答を想定する設問を用意します。
ユーザーが採点したスコアを収集することが目的で、多量の回答を収集することが求められる調査です。
- アンケート調査
- WEB調査
定性調査
定性調査では定量調査では得られないリアルな声を集められます。
決まった回答がないため集計が大変であるというデメリットがありますが、質問者が想定しなかった回答や思わぬアイデアが生まれるチャンスがあるのが定性調査のメリットです。
定性調査には訪問調査や郵送調査など、サンプルとして抽出された特定の顧客に回答してもらいます。
- 訪問調査
- 郵送調査
- モニター調査
- グループ調査
マーケティングリサーチの方法と進め方
マーケティングリサーチの方法は以下の手順で進めていきます。
- 目的を決める
- 調査方法・調査ターゲットの策定
- 調査の実施
- 調査結果の分析
- マーケティングリサーチを改善する
マーケティングリサーチで特に重視されるのが最初の「目的を決める」「調査方法・調査ターゲットの策定」です。
はじめに目的や方法を定めておくことで、効果的なマーケティングリサーチを実現できます。
目的を決める
マーケティングリサーチを実施するためには調査の目的を明らかにする必要があります。
目的が曖昧なままだと調査自体も曖昧になってしまいかねません。
マーケティングリサーチの目的を定めるためには、自社のマーケティング戦略にどのような課題があるのか分析することから始めます。
課題から逆算して目的を定めることでマーケティングリサーチをスムーズに進められるでしょう。
調査方法・調査ターゲットの策定
マーケティングリサーチの目的を定めた後は、具体的な調査方法および調査ターゲットを定めます。
定量調査を行うのか定性調査を行うのか、目的に応じて調査方法を決めましょう。
調査の実施・分析
作成したマーケティングリサーチ計画に基づいて実施します。
調査が完了したら収集した結果を分析し、マーケティング活動に役立てます。
実施したマーケティングリサーチに不備があった場合、あるいは情報に不足があった場合は次回のマーケティングリサーチに役立てます。
マーケティングリサーチで自社の強みを分析する
自社の強みを分析するには「SWOT分析」および「4P分析と4C分析」というアプローチがおすすめです。
マーケティングリサーチによって市場における自社の強みや他社と差別化できる部分を把握することで適切なマーケティング活動を実現できます。
SWOT分析
SWOT分析は企業を取り巻く環境を内部環境と外部環境に分けて、以下4つの要素から分析するマーケティング手法です。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
内部環境分析では自社の経営資源であるマーケティング、商品開発といった行為を分析して強みと弱みを分析します。
外部環境分析では企業に影響を与える外部の存在、例えば市場や競合他社の存在から自社の強みと弱みを分析します。
マーケティングリサーチで市場調査をすることで、企業の外部環境から自社の強みと弱みの分析に役立てられるのです。
4P分析と4C分析で顧客とのズレを解消する
企業目線のマーケティングおよび顧客目線のマーケティングによって生じるズレを解消するためには「4P分析」と「4C分析」という考え方が有効です。
4P分析は「4つのP」という観点から企業の経営資源をどのように活用して顧客へアピールするかを計画するマーケティング手法です。
どのような「商品(Product)」をどのような「価格(Price)」でどのような手段で「流通(Place)」、「販売促進(Promotion)」するかを策定します。
4P分析に対して4C分析とは顧客目線からアプローチするマーケティング手法です。
4C分析では顧客にとって商品がどのような顧客価値、顧客コスト、利便性、コミュニケーションのとりやすさがあるかどうかが重要視されます。
マーケティングリサーチでは4P分析と4C分析を用いて、企業目線と顧客目線の両方からアプローチすることで最適なマーケティングを実現できます。
4P分析:企業目線からアプローチするマーケティング分析。Product(商品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販売促進)
4C分析:顧客目線からアプローチするマーケティング分析。Customer value(顧客価値)、Customer Cost(顧客コスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーションのとりやすさ)
マーケティングリサーチの成功事例
大企業や中小企業など事業規模に関わらずマーケティングリサーチは重要なものです。
マーケティングにおいては自社目線だけではなく、顧客ニーズに寄り添った販売戦略が重要になります。
ここでは、マーケティングリサーチの成功事例として「無印良品」と「アサヒビール」における事例を紹介します。
無印良品
無印良品は「これがいい」というブランドコンセプトのもと商品開発に取り組んでいます。
創業当初から「自然と。無名で。シンプルに。地球大。」という企業理念を掲げており、ナチュラルでシンプルなデザインが消費者から好評です。
無印良品は個性を強調しすぎず、低価格で品質を落とすこともなくユーザーに個性の選択を委ねるというかたちで発展させてきました。
以下は、無印良品が掲げている企業メッセージの一部です。
無印良品が誕生したのはちょうど30年前、1980年のことです。その発端は無駄を徹底的に排するという発想でした。当時の日本には、好景気を背景に高価な海外ブランドが話題を集める一方で、低価格を理由に粗悪な商品が出回るという消費の二極化が生まれていました。無印良品はそのような状況への批評を内側に含むものとして、くらしに本当に役に立つ商品の品質や価格を見つめ直し、「無印」という立場に「良品」という価値観をつけて誕生した概念です。
無印良品のものづくりは「素材の選択」、「工程の点検」そして「包装の簡略化」から始まりました。徹底して無駄を省き合理化することで、むしろモノ本来の魅力を輝かせるという発想は、日本古来の「素」を旨とする美意識、つまり簡素であることは単に質素ではなく、時に豪華を凌駕する魅力を持つと考える思想につながります。また、個性や嗜好性が求められた時代に、むしろそれらの要素を排除することで、お客様の使い方の余地を残し、個性は委ねるという発想です。
引用:無印良品からのメッセージ
アサヒビール
2021年にアサヒビール株式会社が販売した「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」はマーケティングリサーチを重ねた商品開発の成功事例です。
生ジョッキ缶を開発するにあたって、Webアンケートやインタビュー形式のアンケートによって顧客ニーズ調査を実施。
商品名の決定や缶の形状に至るまで、顧客がビールに求めている要素を商品に盛り込むことに成功しました。
特に、天面が大きく開いた形状は従来までなかった「缶で生ビールを飲む感覚」を実現しています。
発売当時はほとんど宣伝をしていなかったにも関わらず、発売直後から売り切れが続出。
全国から注文が殺到し、販売停止となるほどの人気商品となりました。
マーケティングリサーチで市場分析をしよう!
マーケティングリサーチを適切に活用することで商品開発やマーケティング戦略に役立てられます。
調査によって顧客とコミュニケーションをとることで最新の顧客ニーズを把握できるため、効果の高いマーケティング戦略を展開できるでしょう。
マーケティングリサーチを進める際には自社の課題から逆算して適切な目的を定めることが必要です。
成功した企業の中にはマーケティングリサーチを通じて顧客のニーズを適切に分析し、企業理念の浸透を果たしています。
マーケティングリサーチを通じて市場内における自社の立ち位置および自社の強みと弱みを分析して、マーケティング戦略に役立ててください。