リサーチ
マーケティングリサーチとは?具体的な調査手順と成功事例、主な3つのフレームワークまで徹底解説
2020.10.07
あなたは、そもそもマーケティングとは何なのか、説明ができるでしょうか?
「マーケティングとは、売れ続ける仕組みを作ることである。」
これは、大手広告代理店の電通が定義付けているマーケティングの考え方です。
その言葉の通り、マーケティングとは、絶えず変動する市場の変化やニーズを素早くキャッチして、商品を売るために生かすという活動です。
今回は、そんなマーケティングの中でも、最も基本的な立ち位置にあるマーケティングリサーチについて解説していきます。
この記事は、次のような方にオススメです。
・マーケティングリサーチを基礎から学びたい人
・マーケティングリサーチの手順を学びたい人
・マーケティングリサーチのフレームワークを学びたい人
では、それぞれの内容についてを詳しく見ていきましょう。
マーケティングリサーチとは?
マーケティングリサーチとは、マーケティングの手法の1つで、商品を売り続ける仕組みを作るためにユーザーの情報を調査・分析することを指します。
マーケティングリサーチを日本語に直訳すれば「市場調査」という言葉になりますが、厳密には「調査する対象と目的を決めた上での市場の分析」という表現の方が正しいでしょう。
売りたい商品をどのように販売していくのが良いのか、調査から戦略立てまでを一貫しておこなうことで初めてリサーチの価値が出ます。
また、マーケティングリサーチには様々な手法がありますが、その中にいくつかのフレームワークを利用した分析方法があります。
そのフレームワークについてはこの記事の後半で紹介するので、良かったら参考にしてみてください。
マーケティングリサーチのメリット
企業が享受できるマーケティングリサーチのメリットとしては、
- 特定の商品やサービスの売上の向上に結びつく施策を出すことができる
- 事実から論理的に戦略を練ることで再現性のある仕組み作りに繋がる
- 顧客のニーズに則したブランディング・広報戦略を打つことができる
といった点をあげることができるでしょう。
また、ユーザー側から見ても「本当に求めている商品・サービスと出会う可能性」が上がるのは嬉しいポイント。
このように、マーケティングリサーチは企業とユーザー両方にメリットのある施策です。
マーケティングリサーチの手順
マーケティングリサーチは闇雲に行うものではなく、ある程度の手順と型が決まっています。
そのため、その手順と型を覚えることができれば、誰でもマーケティングリサーチをおこなえるといっても過言ではありません。
マーケティングリサーチの主な手順は
- 1.企画
- 2.設計
- 3.実施・調査
- 4.分析
- 5.レポート作成
- 6.提案
の6段階に分けることが可能です。
以下より各ステップについて詳しく解説していきます。
①企画
下準備として、マーケティングリサーチの対象とヒアリング内容をリストアップします。
そして、マーケティングリサーチを行う最初の一歩は「課題の設定」です。
無事課題を設定できれば、その課題を解決するであろう仮説をいくつか立てます。
この仮説立案を行うときの注意点は、具体的なレベルまで仮説を詳しく考案することです。
ここで、漠然として仮説を元に調査を始めてしまうと、その後の分析で躓いてしまうからです。
このように第1段階目では、「課題の設定」とそれに基づく、「仮説立案」を企画します。
②設計
次に、「設計」では、調査項目を具体的に決めていきます。
調査項目というのは、例えばアンケートを配布することでリサーチをするとき、そのアンケートに記載する質問事項のことです。
その時に注意することは、アンケートに記載する調査項目の質問内容です。
端的に伝わりやすいように日本語を書くことは意外と難しいことで、質問内容がわからないからと回答率が下がってしまってはもったいないからです。
また、質問事項は同じ系統の質問で並べるだとか、時系列を意識するだとか、「質問の順番」にも気を配るようにしましょう。
③実施・調査
ここまでで、マーケティングリサーチの準備は終了しました。
そして、実際に調査を行うことでリサーチを行なっていくのですが、ここで具体的な手法を主要な2つに絞って紹介しておきます。
1つ目は、アンケートによる調査で、2つ目はSNSを利用した調査です。
アンケートを利用した調査は最もポピュラーなマーケティングリサーチの手法で、作成した質問を紙面を通じて対象者に配布し、回答してもらうことで調査を行います。
最近では、インターネットを通じてGoogleフォームなどを利用し、Twitterなどでアンケートを公開し、効率的に調査をする方法も人気があります。
また、SNSを利用した調査は、いわゆるエゴサーチのような方法で、ユーザーがSNS上に発信している情報を調べ、分析を行うことで、マーケティングリサーチを行います。
この方法だと、全くアンケート提示者のバイアスなどを受けないままにリサーチができるので、より生に近い声を調査出来ます。
④分析
そして、調査を無事に行うことが出来れば、次に、集めたデータの分析を行います。
データの分析については、エクセルを用いる方法が一般的ですね。
エクセルを利用したクロス集計や、単純集計でデータをみやすい形にまとめていきます。
この分析を行うことで、企画の段階で考えた仮説を立証するべき根拠を用意することになるため、取り扱うデータに応じた適切な分析手法を利用するようにしましょう。
⑤レポート作成
上記で分析したものを、文章だけではなく、図や表を使ってみやすい形にまとめなおしましょう。
アンケート調査と分析の結果、データに基づき、何が言えるのか、そこまで記載出来ると尚良いですね。
⑥提案
最後に、当初設定した課題と仮説に対して、
①調査と分析の結果何が言えるのか、②一連の流れに問題はなかったか、を検討します。
そして、次に自社が取るべき施策を決めた時点で、マーケティングリサーチは終了です。
このように、ユーザーの声を取り入れることで、今までは考えもつかなかった施策が出てくるかもしれませんね。
マーケティングリサーチの心構え
マーケティングリサーチを行う上で意識してほしい3つの心構えをご紹介します。
- 1.「なんのために行うのか」を意識する
- 2.「思い込み」は捨てる
- 3.「回答者数」を意識する
以下、1つずつ解説していきます。
①「なんのために行うのか」を意識する
マーケティングリサーチで大切なのは、「目的意識」です。
「とりあえず、マーケティングリサーチをしてみよう。」ではなく、「この問題を解説するために、マーケティングリサーチをしてみよう。」などのように、「なんのために行うのか」を意識して行う必要があります。
そのため、マーケティングリサーチの最初の段階である「企画」は非常に大切なセクションとなります。
②「思い込み」は捨てる
マーケティングリサーチに限らず、マーケティングを行う時に「思い込み」は禁物です。
新しい角度で物事を考えるためにリサーチを行なっているのに、今までの思い込みで事を進めてしまうのは非常にもったいないです。
「思い込み」や「偏見」を捨て、調査データに忠実にマーケティングリサーチを行うようにしましょう。
③「回答者数」を意識する
仮に、「アンケート調査の結果、肉より魚の方が人気だ!」となったとします。
しかし、そのアンケート調査の回答者数は10人ポッキリであったとすると、そのアンケート調査の結果には信憑性が薄いですね。
せめて、無作為に200人ほどにアンケート調査を行なった結果ならば、ある程度の信憑性の担保は出来ますが、あまりに少ないと、そもそもデータとして用いることが適切であるということはできません。
そのため、アンケート調査の「回答数」に着目することで、極端に回答者数が少なかったりしないか確認する必要がありますね。
マーケティングリサーチの2つの成功事例をご紹介
次に、マーケティングリサーチの成功事例を2つほど紹介します。
①株式会社明治「ザ・チョコレート」
有名な事例ですが、近年大ヒットを起こしている商品に明治の「ザ・チョコレート」があります。
価格帯は一般的なチョコレートの2倍ほどしますが、このようなブームを起こして売り上げをあげた背景には、マーケティングリサーチの恩恵があります。
開発途中の社内では、反対の声も上がっていたそうですが、マーケティングリサーチに基づく対応により、「思い込み」を排除した結果、大ヒット商品を生み出すことが出来たのです。
やはり、消費者の声を調査することが、マーケティングを行う上で大切だという事を示す事例でした。
②アサヒビール「ドライゼロ」
次の事例として、アサヒのノンアルコールビール「ドライゼロ」です。
元々アサヒは「ダブルゼロ」というノンアルコールビールを開発していましたが、競合の「キリンフリー」「オールフリー」に勝つことが出来ていませんでした。
そこで、調査していくと、ビールを好んで飲むユーザーも休肝日にノンアルコールビールを飲むという調査結果を得られました。
今までの「女性的で健康的」なイメージから、「男性的でビールに近い」イメージに転換して商品戦略を練ることで、ビールの代替となるような商品開発に成功し、競合他社に勝つことが出来たのです。
マーケティングリサーチのフレームワーク3選
ここまでで、マーケティングリサーチのメリットから手順、心意気などを解説してきました。
次は、マーケティングリサーチの分析に使える型とも言える代表的な3つのフレームワークを紹介します。
これはマーケティングリサーチだけでなく、ビジネス分析をする上でも使えるフレームワークなので、覚えておいて損はないでしょう。
①4P分析
4P分析とは、マーケティングミックスとも呼ばれる分析手法で、自社の商品の売り上げが思うように上がらない時に、市場での戦略を考える時によく使われます。
4Pとは、Place(物流)、Promotion(プロモーション)、Price(価格)、Product(商品)の4つの頭文字です。
それら4つの項目に分けて分析を行うことで、市場における戦略を立案します。
上記アサヒビールの事例に当てはめてみると、この4つのPの中ではPromotion(休肝日の男性をターゲットにする)とProduct(男性的でビールの代替となる商品)を考えた結果、競合他社の中で抜きん出ることが出来たと言えます。
これに加えて、PlaceとPriceについて考えるならば、ターゲットが仕事終わりのコンビニで購入する事を予測して、コンビニでのシェア拡大を図り、価格は競合よりも少し安くする、などの工夫をする事で売り上げの最大化が測れるかもしれません。
②3C分析
3C分析とは、マーケティングの環境を分析するフレームワークです。
3Cとは、Customer(市場環境・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの頭文字を取った言葉です。
3C分析を用いる事で、市場の成長性と顧客ニーズ、競合他社の特徴、自社の商品の特徴、など要素を抜け漏れなく考えられるので、新しく商品を開発するときや、マーケティング調査を行うときにオススメのフレームワークです。
③SWOT分析
SWOT分析とは、売り上げの上がらないサービスや商材に対して、重点的に取り組むべきテーマを明らかにするために便利なフレームワークです。
SWOTとは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(市場機会)、Threat(考えうる脅威)の4つの頭文字です。
対象の商品を決めた時に、
- ①内部要因(自社商材の強みと弱み)
- ②外部要因(市場拡大のチャンス、市場に立ちはだかる脅威=競合他社など)
の2つに分けて考える事で、抜け漏れなくマーケティングリサーチが出来ます。
使い方としては3C分析で情報を整理した後に、SWOT分析に落とし込んで情報を解釈していく流れが一般的です。
マーケティングリサーチを通してビジネスの課題を解決しよう
今回の記事では、マーケティングリサーチの手順をメインに、事例やフレームワークまで紹介しました。
記事の中でもお伝えした通り、マーケティングリサーチと言っても手順や型がきちんと決まっているため、手順に沿って行うことで、効果的なマーケティングリサーチが出来ます。
マーケティングリサーチをする上で最も大切なことは、「思い込みを排除し、丁寧にリサーチを行うこと」です。
アサヒビールの事例を見てもご理解いただけると思いますが、盲点となる部分に勝機があることも。
あなたの会社のマーケティングリサーチが上手く行く事を祈っています。
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株式会社まーけっち 代表取締役社長 山中思温
マーケティングリサーチのプラットフォームの企業で、 最年少で事業部を立ち上げ、広告予算ほぼゼロで、国内トップの実績を達成。
中小・スタートアップ企業のマーケティングに関する構造的課題を痛感し、それを解決するため、株式会社まーけっちを創業。大手企業・国家機関・スタートアップなど100社以上の戦略支援を行い、コミットと売り上げ貢献成果に定評がある。上智大学外国語学部卒。
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